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「今回は何かもらえるの?」保険の契約の日程を決めるだけの電話。だが、客の思わぬ要求の理由とは

  • 2026.9.4
「今回は何かもらえるの?」保険の契約の日程を決めるだけの電話。だが、客の思わぬ要求の理由とは

日程を決めるだけの電話のはずだった

大学を出てすぐ、保険会社に入ったころのことです。その日は先輩と一緒に、ある男性のお客様のもとへ伺いました。

加入されている保険の見直しについて説明すると、話は順調に進みました。保障内容の方向性もだいたい決まり、あとは後日、改めて手続きをすることになりました。

数日後、私はその日程を決めるために電話をかけました。候補の日をいくつかお伝えしたところ、お客様がふいに言いました。

「そういえば、今回は何かもらえるの?お菓子じゃなくてゲーム機とか」

一瞬、何を聞かれているのか分からず、私は言葉に詰まりました。

話を聞くと、以前契約したときに担当者から何かをもらった記憶があり、今回も何かあると思われていたようです。

「前のときは、担当の人にいろいろしてもらったんだよね」

私は、会社で用意している粗品の範囲であればお渡しできますが、ゲーム機のような品物は用意できないことを説明しました。

すると、お客様は少し不満そうな声で言いました。

「ええ、それだけ?もう少し何かないの?」

「申し訳ありません。お渡しできるものは決まっているんです」

言い方を変えながら何度か説明しましたが、なかなか日程の話に戻れません。こちらが折れれば電話は早く終わる。でも、できないことをできるとは言えません。

上司に代わっても、説明は同じだった

ちょうどそのとき、外出から戻ってきた上司が私の席の横を通りました。

私が受話器を押さえ、小声で事情を説明すると、上司は「代わろうか」と言いました。

上司が電話に出ても、伝えた内容は私とほとんど同じでした。

「申し訳ありませんが、ご用意できるのは会社で決められた範囲のものだけなんです」

しばらくやり取りしたあと、ようやく電話は日程の話へ戻りました。

「では、その日に伺います」

電話を切った上司からそう聞いて、私はほっとしました。

「私、何か言い方が悪かったんでしょうか」

そう尋ねると、上司は首を振りました。

「いや、言ってることは同じだよ。できないものは、できないでいい」

契約の日には、ゲーム機の話は出なかった

手続きの日は、念のため上司にも同席してもらいました。

お客様は前回の電話とは違い、景品の話を持ち出すことはありませんでした。私たちもその話には触れず、保険の内容を一つずつ確認していきました。

最終確認として、当初考えていた案と、保障を少し手厚くした案を並べて説明しました。

お客様はしばらく資料を見比べたあと、月々の負担が2000円ほど増える案を指しました。

「こっちのほうが安心かな。じゃあ、こちらでお願いします」

手続きが終わると、お客様は普通に頭を下げて帰っていきました。

片づけながら、上司が言いました。

「一人で抱え込まなくていいからね」

電話では何度説明しても進まなかった話が、担当者が代わったことで一区切りついたのかもしれません。

それ以来、同じ説明を繰り返しても話が進まないときは、無理に一人で何とかしようとせず、早めに周りへ相談するようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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