1. トップ
  2. 妊娠中、胸の苦しさと不安で飛び起きる。“産前”から始まっていた“産後うつ”【著者インタビュー】

妊娠中、胸の苦しさと不安で飛び起きる。“産前”から始まっていた“産後うつ”【著者インタビュー】

  • 2026.9.1

【漫画】本編を読む

5年にわたる不妊治療でも子どもを授からなかったため、仕事に専念することを決意したちはる。しかし大きなプロジェクトの責任者に抜擢された矢先、妊娠が発覚する。「タイミング最悪」と思ってしまったことに罪悪感を覚えつつも、育児と仕事の両立を決意。しかし、つわりも重く、うまくいかないことの連続で……。

自身も経験した“産後うつ”をテーマに『もう3年、産後うつ。 消えたい衝動から抜け出せない』(青柳ちか/KADOKAWA)を描いた著者・青柳ちかさん。自身が経験した産後うつや、本作に込めた想いについて話を伺った。

※個人の体験をもとにインタビューを行っています。症状など、詳細は医療機関等にご確認ください。

――出産予定日の1週間前、ちはるが胸の苦しさと不安で目を覚ますシーンがあります。“産後うつ”という名前なのに産前から症状があるものなのかな? と思ったのですが……。これは青柳さんの実体験なのでしょうか?

青柳ちかさん(以下、青柳):産後うつを含め、妊娠・出産の時期に起こるメンタルヘルスの問題は「周産期うつ」と呼ばれます。原因にはいろいろあり、産後に急激なホルモンバランスの変化などで起きる場合もあります。私が読んだ本(『ママブルーを乗り越えるために 産前産後のうつと不安の理解とケア』ショシャナ・S・ベネット、ペック・インドマン:著、宮崎弘美:監訳、小川眞、小川朝子:訳/星和書店)によると、妊娠中の女性の約15〜23%がうつ状態を経験しているそうで、妊娠中にパニック障害や強迫性障害を発症する人もいます。私は産前はパニック発作でしょっちゅう飛び起きていました(苦笑)。ちはるもきっと、妊娠中から抑うつ・不安な状態になっていたんじゃないかと思います。

――産後の疲労から回復できないまま子どものお世話が始まり、夫の「かわいいね」の一言に「こわい」「私はこの先この子を純粋にかわいいと思えるんだろうか」と絶望してしまう……というシーンが印象的でした。

青柳:これは私の実体験です。産前からパニック発作を度々起こして不安が爆発しそうになっていた私は、「かわいい」どころではありませんでした。とにかく不安でいっぱいで、これは妊娠中の一時的な症状だと思っていた私は「とにかく産んでしまえば終わる」と、出産直後は自分の不安からの解放感しか頭にありませんでした。結局解放されなかったのですが。赤ちゃんのことを一切考えていない自分に後から気づき、ものすごくショックだったし、母親失格だと思い、罪悪感に襲われました。

――ちはるについて「自分がしっかりしないと」と自分を奮い立たせ、シッターさんにも夫にも任せようとしない描写がありました。“真面目な人ほどうつになりやすい”と言われることがありますが、産後うつもその傾向があると思いますか?

青柳:うつには確かにその傾向があると思います。産後うつの自助グループのお手伝いをしていたことがあるのですが、その時に「自分は真面目じゃなく、むしろ小さいことは気にしないタイプで、まさか自分がうつ病になるなんて思いもよらなかった」と話される方もいて。産後うつは本当にどんな人でも起こりうるんだな、と思いました。人それぞれ、抱えるものの違いや抱え方、ホルモンバランスなどによるものだと感じています。

取材・文=原智香

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ