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【60代エンタメ】湊かなえの小説を映画化!映画『未来』は黒島結菜、北川景子ら女優陣の熱演が胸に迫るミステリー

  • 2026.5.11

湊かなえさんがデビュー10周年の集大成として発表した小説を映画化した『未来』が上映中です。 「子どもの貧困」をテーマにしたヒューマンミステリーを、瀬々敬久監督が映像作品に。複雑な過去を抱えながら子どもたちを守ろうと奔走する主人公の教師を黒島結菜さんが、「未来のわたし」から手紙を受け取る生徒を山﨑七海さんが演じます。そして実力派キャスト、坂東龍太さん、細田佳央太さん、近藤華さん、松坂桃李さん、北川景子さんらが共演した今作の見どころを紹介しつつ、ある食べ物にも注目しました。

ストーリー

複雑な家庭環境で育つも、祖母の期待に応えて教師になるという夢を叶えた真唯子(黒島結菜)。
彼女の教え子・章子(山﨑七海)のもとにある日、一通の手紙が届く。差出人は「20年後のわたし」。半信半疑のまま返事を書くことで、父・良太(松坂桃李)を亡くした悲しみや、心を閉ざした母・文乃(北川景子)との孤独な日々に耐えていた章子だが、母の新しい恋人(玉置玲央)からの暴力、学校での壮絶ないじめ、そして信じがたい事実が彼女を容赦なく追い詰めていく。
そんな章子を救おうと真唯子は、手を差し伸べようとするが――。

【見どころ1】子どもの貧困や生きづらい女性を真正面から描いた覚悟の作品

心の深部に鋭く迫る小説家・湊かなえさんのミステリーが原作。デビュー10周年の集大成として「記憶がなくなるほど集中して書いた」という小説を、『ラーゲリより愛を込めて』‘2022)や『64-ロクヨン– 前編/後編』(2016)など重厚な作品で知られる瀬々敬久監督が映像化しました。

「子どもの貧困」について真正面から取り組んだ力作で、未来に絶望しそうな境遇にいる子どもや女性たちが登場し、現在と過去を行き来しながら物語が進みます。正直、心が痛くなるようなシーンもありますが、章子に手紙を届ける「未来のわたし」とは誰なのか? 少女たちの未来はどうなるのか? 最後に希望を感じることができるのか? 結末が気になり、ラストシーンまでぐいぐい引き込まれます。

【見どころ2】身体的にも感情的にも難役ばかり!女優陣の熱演が胸に迫る

見どころ1で書いたように、作品に登場する女性たちの生い立ちは壮絶で、演じる女優陣も気の抜けないシーンが続いています。ミステリーなのでネタバレのない範囲で、迫真の演技を繰り広げたキャストをピックアップしてご紹介します。

主人公の真唯子を演じたのは黒島結菜さん。真唯子は祖母に育てられ、金銭的にも苦労しており、そのためある秘密を抱えることになります。必死に努力して教師になり、過去の自分のような生徒がいたら寄り添いたい、救いたいと考えている女性です。張り詰めたシーンが多く、黒島さん自身が「撮影はすべて大変でした。肉体的にも精神的にもハードでした」と振り返るほどの現場になった様子。

真唯子の教え子、章子を演じたのは、ミュージックビデオやCMへの出演も多い新星・山﨑七海さん。父を亡くして失意に沈む中、20年後の自分から手紙が届き、半信半疑で返事を書くという役どころ。母の再婚相手は妻や娘を暴行し、学校ではいじめられてどこにも居場所がなかった章子ですが、やがて互いの秘密を打ち明け合う親友ができます。 そんな章子に輪をかけて壮絶な境遇で育ち、心を閉ざしてしまったのが、母・文乃。演じる北川景子さんは『ナイトフラワー』(2025)で子どもを育てるため危ない仕事に手を出すシングルマザー、連続テレビ小説「ばけばけ」では落ちぶれて物乞いになる元・士族の奥方に扮すなど、子どもを守るために必死で生きようとする母親役が続き新境地を開いています。

そして、父親から虐待を受け、人形のように扱われている森本真珠を演じたのが近藤華さん。デビュー5周年を迎えたばかりの18歳が、まさに体当たりで難役に挑みました。

【ここにも注目!】手づくりマドレーヌの味でよみがえる幸せな思い出

劇中に何度か登場するのが、章子の母が大好きなお菓子「マドレーヌ」。かつて章子の父・良太(松坂桃李)が家族のために手づくりしてくれて焼きたてを食べた、幸せの象徴のような存在になっています。章子も母に喜んでほしくて父と一緒にマドレーヌを焼き、つくり方を一生懸命覚えます。母がなぜマドレーヌを好きだったのか、なぜ父が母のためにマドレーヌを焼くのか?物語が進むにつれてそのあたりも明らかになります。

単なるミステリーに留まらず、現代社会が抱える痛みや、社会の歪みに翻弄される人々を浮き彫りにした本作。過去の罪や絶望を越えた先に「未来」はあるのか? ぜひその目で確かめてください。

作品情報

『未来』
公開中
 
出演:黒島結菜
山﨑七海 坂東龍汰 細田佳央太 近藤華
松坂桃李 北川景子
原作:湊かなえ『未来』(双葉文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:加藤良太
配給:東京テアトル
Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社
 

この記事を書いた人 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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