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娘に初めてできた恋人は「彼女」!? 実は百合オタクだったシングルファザーが、女子高校生カップルを全力で推す見守りコメディ!【書評】

  • 2026.9.1

【漫画】本編を読む

愛情たっぷりに育ててきた高校生の娘に初めての恋人ができ、しかも家に連れてくるという状況になったら……。どんなに理解ある親を自負していたとしてもやはり身構えてしまうことだろう。2026年7月16日に第2巻が発売された『娘が彼女を連れてきた話』(栗崎きんぐ/ぶんか社)は、そんな緊張感とともに、そのタイトル通り、娘が連れてきた恋人は「彼女」だったという父親が大きく衝撃を受けるところから始まるコメディだ。

10年ほど前に妻を亡くし、男手ひとつで娘を育ててきた父親。ある日娘のあかりが恋人を連れてくることになる。突然のことに焦っているとさらに驚くべきことが。現れた恋人は「彼氏」ではなくテンションの高いギャル・紗那だった。「彼女」だったという事実に大混乱する父親だったが、彼には娘に隠している秘密があった。実は大の「百合オタク」で、漫画やライトノベルなどありとあらゆる百合作品を網羅してきた筋金入りのマニアだったのである。だから目の前で繰り広げられるふたりの尊いやり取りに大歓喜するものの、父親として「チャラそうなギャルに娘を任せていいのか」という不安も拭えない。オタク心と親心の間で激しく揺れ動く父親の姿が面白い。

ギャルの紗那はチャラそうに見えて、実はあかりのことが好きでたまらない一途な女の子。「女の子同士だけど好きな気持ちは誰にも負けない」という真っ直ぐな姿勢や、あかりを喜ばせようと料理をする姿などを見せられたら応援せずにはいられなくなる。あかりも素直で愛らしいため、ふたりの初々しくて真っ直ぐな恋模様に、父親とともにキュンキュンすることだろう。

葛藤の末に父親が出した答えも最高だ。反対するどころか、ペンライトとハチマキを身につけ、「推していくぞ!!」とふたりの恋を全力で応援する道を選ぶ。娘の幸せを誰よりも願うからこそ振り切った応援ぶりが微笑ましく、親の愛情と百合好きの情熱が混ざり合った斬新なキャラクターも大きな見どころだ。

可愛らしいカップルの甘酸っぱいやり取りに悶絶しつつ、彼女たちを温かく包み込む父親の愛情にほっこりさせられる。百合好きはもちろん、笑って癒やされるコメディ好きにもぜひ手に取ってほしい作品だ。

文=坪谷佳保

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