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「あとでやる」を続けた俺を救ったタブレットの本音

  • 2026.8.3
ハウコレ

あの日、俺は「あとでやる」の代わりに、別の言葉を返すべきでした。タブレットに残っていたのは、彼女には見せたくなかった、俺の準備の途中でした。

会議の途中で、彼女からのメッセージを既読にしたことすら覚えていませんでした。

「あとでやるから」を口癖にしていた

資格の勉強を始めたのは、同棲が決まった直後でした。彼女に頼られる夫になりたいと思ったからでした。ただ、仕事の合間を縫って参考書を開くと、家のことは自然と後回しになりました。「あとでやる」が、いつのまにか俺の口癖になっていました。ゴミ出しも電球の交換も、彼女に頼まれるたび「あとでやるから」と返して、頭の中の予定表の一番下に置きました。上に積まれた仕事と勉強で、下の方はいつも埋もれていました。彼女が黙って自分で片付けてくれるたびに、俺は「ごめん、ありがとう」を返して、それで終わりにしていました。

頭から抜けていた「今日、うち母が来るの」

その日の朝、彼女に「今日、うち母が来るの。片付けと軽く準備、お願い」と言われました。「わかった、あとでやるから」と返して、電車に乗って会社に着き、その日の会議に入った瞬間、その件は俺の中から消えました。副業のクライアントとのやりとりが立て込んで、退勤したのは遅い時間でした。電車の中で彼女からの通知に気がついて、そこでようやく約束を思い出しました。それでも「まだ間に合うかもしれない」と、俺は資格の暗記カードを開いたまま、乗り換えの駅で降りるのを一度忘れました。

「あとで必ず挽回するから」と、また言ってしまった

玄関を開けたときの、あの部屋の空気を、俺はまだ忘れていません。彼女はソファに座って、こちらを見ていました。「ごめん、本当に。あとで必ず挽回するから」同じ言葉が口から出ました。本当は、資格の勉強をしていた、副業を始めていた、彼女との将来のために動いていた、と伝えたかった。でも、まだ何一つ結果が出ていない自分がそれを言うと、言い訳になる気がしました。「シャワー、先に入るね」と言って、俺は浴室に逃げ込みました。シャワーが終わって部屋に戻ると、机の上にタブレットが開いたままになっていました。

そして...

翌朝、彼女から「タブレットの画面、見ちゃった」と言われました。目を伏せたまま、俺は「隠してるつもりじゃなかった。ただ、まだ何も形になってないから、言えなかった」と話し始めました。資格試験のこと、副業のこと、住宅ローンの試算を1人でしていたことを、順に伝えました。「頼りない夫にはなりたくなかった」と加えると、彼女は少し泣いたあとで、「一緒に考えるから、次からは教えて」と言いました。「あとでやるから」で押しつぶしていた家のことを、その日、2人で分担ルールに書き直しました。俺の中の予定表は、家のことも上の方に並ぶようになりました。

(20代後半男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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