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【ルームツアー】「マリメッコ」デザインディレクターが暮らす、ヘルシンキ郊外にある森の中の住まい

  • 2026.7.13
Chikako Harada

「『マリメッコ』はフィンランド人にとって心の風景」。そう語るデザイン ディレクター、ミンナ・ケメル=クトゥヴォネンのフィンランドでの暮らしを訪ねて。

『エル・デコ』2026年6月号より。

Chikako Harada

周囲に麦畑が広がる、自然豊かな場所に佇む白い木造建築。「マリメッコ」でデザインディレクターを務めるミンナ・ケメル=クトゥヴォネンは約20年前、ヘルシンキから車で1時間ほど離れたこの場所に、夫と3人の子どもと引っ越してきた。子どもたちが独立し、現在は夫と二人暮らしを楽しむ。通勤時間は往復約2時間と決して便利な立地ではないが、偶然出合ったこの家の中に足を踏み入れた時、窓から降り注ぐ美しい光に引かれて住むことを決めたという。

<写真>ケメル=クトゥヴォネンのダイニング。「最近は大柄がつくり出すニュートラルな面に、別の色や柄のものを少し合わせるのが好き」と語る。

Chikako Harada

元々は、建築家が自身の住まいとして設計した建物で、天井が高く広々とした平屋。大きな窓から差し込む自然光に照らされた室内には、「マリメッコ」のテキスタイルや建築家である姉が制作したアート作品がちりばめられ、静謐なアートギャラリーのよう。暮らしていく中で床を白く塗ったり、庭に夫のペッカが設計してプールをつくったり、ツツジの木を植えたりと、少しずつ自分たちらしい家をつくり上げた。

<写真>モノトーンでリズムを。そこにグラフィカルなものと装飾的なもの、小さい柄と大きい柄など対照的なものを組み合わせるのがポイント。

Chikako Harada

フィンランドの暮らしには、「マリメッコ」が共にある

彼女が初めて「マリメッコ」と出合ったのは、10歳の頃。友達のクリスマスプレゼントを買いに、店に足を踏み入れた時のことを今でもよく覚えているという。「とても美しい店舗で、ワクワクしたんです」。その時に選んだのは、ブランドを代表するデザイナーの一人、アンニカ・リマラが手掛けたストライプ柄“タサライタ”の靴下だった。

<写真>子ども部屋だった場所には、サビネ・フィンケナウアーがデザインしたファブリックをカーテンとしてかけている。

Chikako Harada

「『マリメッコ』はフィンランド人にとって心の風景なんです。学校や図書館、病院などの多くの公共施設で昔から『アルテック』の家具や『マリメッコ』の布が使われていたこともあり、自然と自国のデザインに囲まれて育ってきた人が多いんです」

<写真>明るいキッチン。この日、サラダのドレッシング入れとして活用しているのは“オイヴァコレクション”のコップ。小ぶりなサイズ感が気に入っていて日常使いしている。

Chikako Harada

若い頃からデザインの道に進もうと心に決め、3人の子どもを育てながら仕事も全力で取り組み、キャリアを築いてきた。「少しくらいごちゃごちゃしているのが人生」とはにかむ彼女。どんなに忙しくても、夕食は5人そろって食べていたという。

<写真>彼女が好きなグリーンを基調にしたテーブルコーディネート。ベリーパイの上にレモンバームの葉が添えられ、彩りも鮮やかに。

Chikako Harada

長い冬があるからこそ、家に居心地のよさを求める北欧の人々。見る人の心を照らすマリメッコのデザインは、人々が美しい日常を送るための確かな指針になっている。

<写真>壁に飾られた絵は、パーヴォ・ハロネンが制作したアート作品。

Photo : CHIKAKO HARADA Text : ERI SHIMATSUKA

Hearst Owned

『エル・デコ』2026年6月号

MITSUYUKI NAKAJIMA

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