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【エディター推薦】夏に行きたい、避暑地の名建築8

  • 2026.7.10
Ken Kato

酷暑を忘れさせてくれる、避暑地の名建築。『エル・デコ』編集部のエディター陣が、この夏こそ訪れてほしい建築を厳選。これから迎える本格的な夏を心地よく過ごすための、旅のインスピレーションを紹介する。


写真提供:モエレ沼公園

モエレ沼公園/北海道・札幌

シニア エディター YUI

「夏の旅は、心が開けるような自然を感じられるところに行きたくなります。かねてから訪れたいと思っているのが、イサム・ノグチが基本設計を手掛けた『モエレ沼公園』。約188.8ヘクタールという広大な敷地をゆっくり歩いて、『公園全体を一つの彫刻作品とする』ということを全身で感じたいです。ある時展覧会で、1933年にニューヨークのセントラルパークのために構想した『遊び山』(実現せず)のモデルを見て、その力強さに圧倒されました。『モエレ沼公園』でこの『遊び山』が実現しています。またイサム・ノグチはいくつもの遊具をデザインしていますが、こちらにはイサム・ノグチがデザインした遊具が、ブランコやすべり台、ジャングルジムなど126基あるとのこと。これらのデザインも楽しみです。さらに、『札幌丘珠空港』を発着するフライトを選ぶと、飛行機に乗って上空から見るチャンスもあるようなので、 併せて旅程に組み込みたいです」

モエレ沼公園
北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1

Hearst Owned

釧路市立博物館/北海道・釧路

エディター NORI

「『アーティゾン美術館』でエットレ・ソットサスの展覧会が開催されている(〜10月4日)ことから、ポストモダンに再注目が集まりそうな今夏。そんな今年は日本のポストモダン建築を巡る旅はいかがでしょうか。ポストモダンの建築といえば磯崎新や倉俣史朗が語られることが多いですが、個人的におすすめなのが、独自の世界観をもつ建築で知られる毛綱毅曠。彼の代表作『釧路市立博物館』の外観は釧路湿原に生息しているタンチョウが翼を広げた姿をイメージして設計されたそう。釧路の自然を独自の視点で建築に組み込む彼の作品はどれも、曲線も直線も丸も三角も四角もとにかく様々な要素が複雑に絡み合う“エネルギッシュなカオス”に満ちています。釧路出身ということもあり、市内には『釧路市湿原展望台』や『釧路フィッシャーマンズワーフMOO / EGG』『釧路センチュリーキャッスルホテル』など彼の作品が多数あるので、ディープなポストモダンを堪能する建築旅を計画できます」

釧路市立博物館
北海道釧路市春湖台1-7

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(Photo by Nakamura Osamu)

清津峡渓谷トンネル/新潟・十日町

アシスタントエディター RINA

「日本三大峡谷の一つとして知られる、新潟県にある『清津峡』。落石などの危険から立ち入りが禁止されていた中、峡谷の美しい風景を見たいという要望に応え、1996年に清津峡渓谷トンネルが開坑されました。そして、2018年に十日町市・津南町で3年に一度開催される『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』の一つの作品として、マ・ヤンソン率いるMADアーキテクツがトンネルをリニューアルし、今ではそのアートを鑑賞・体験しに国内外から多くの人が訪れています。トンネルの最終地点では、峡谷の荒々しい岩肌と青空が幻想的に水の張られた足元に映ります。峡谷を流れるエメラルドグリーンの川も見どころです。新潟は東京からだと新幹線で約1時間半で訪れることができるので、美味しいお米を堪能しつつ足を運んでみてはいかがでしょうか」

清津峡渓谷トンネル
新潟県十日町市小出癸 2119-2

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強羅花壇/神奈川・箱根

ブランデッド コンテンツ シニア エディター TORU

「1930年に建てられた閑院宮別邸を、一部は当時そのままに保存しながら、1989年にホテルとして再生した箱根の『強羅花壇』。この夏に改めて訪れたいと考えています。20代の頃、ずっと訪れたいと熱望していたのですが、当時の(今も?)わたしのお財布にはかなり厳しくなかなか実現しませんでした。が、運よく家族旅行で箱根に行く機会が訪れ、率先してアテンドする振りをして予約。1泊だけでしたが、箱根の自然を望むプールが運よく一人貸し切り状態だったことなど、心に残る滞在だったことが思い出されます(チェックアウトの折に伝票を見た父の顔も忘れられません。。)。

設計は設計組織アモルフ。現在は、心から尊敬する建築家のお一人、竹山聖先生が率いていらっしゃる建築設計事務所です。1989年の竣工当時はアモルフのパートナーとして参画した荻津郁夫先生との連名で発表されました。

建物の特徴は崖地に添って建てられているため、“外観の全容がよくわからない”こと。エントランスから続く長い柱廊をはじめ、自分の足で巡ることが体験価値につながる空間です。当時のわたしは憧れの象徴として足を踏み入れ、圧倒されっぱなしでしたが、今自分の家族と訪れると全く異なる気付きが得られる気がしています。きっとチェックアウトはドキドキですけれど」

強羅花壇
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300

撮影:加藤健

セゾン現代美術館/長野・軽井沢

アシスタントエディター TOMOYO

「2026年の夏、一番に駆けつけたいのは、6月26日にリニューアルオープンを果たした『セゾン現代美術館』です。軽井沢の喧騒を離れ、森の奥深くで『生態系のなかのナナフシ』のようにひっそりと、けれど確かな存在感を放つこの場所は、感性をニュートラルに戻せる避暑地になりそうです。お目当ては、建築家・菊竹清訓が手掛けた自然に溶け込む数寄屋造りのような佇まいの建築と、彫刻家・若林奮が浅間山の裾野の延長として構想した回遊式庭園。改修を経て深化する唯一無二の環境に身を置き、建築と自然、そしてアートが結びついたこの場所で、都会で凝り固まった思考をゆっくりと解きほぐしたいと思っています。リニューアル直後の高揚感に包まれながら、森の空気と共に作品と深呼吸するような贅沢な時間を過ごすのが今から待ち遠しいです」

セゾン現代美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140

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蓼科東急ホテル/長野・茅野

エディター KAORI

「昨年も夏は長野県に行きたいと考えていましたが、なかなかタイミングが合わず行けずじまい。今年こそはと思い、リサーチしていたところ目に留まったのが『蓼科東急ホテル』です。これまでは旅先は専らシティ派でしたが、なんだか最近は自然の中で思いっきり休息したい気分。何より、クラシックホテルが大好きなので品があり穏やかな建築とインテリアに、心惹かれました。どこか北欧のような雰囲気も漂うプライベートガーデンで散歩した後は、ゆっくりと冷たいビールを飲む…!とても贅沢な夏休みが過ごせそうです。最近、愛犬を家族に迎え入れたので一緒に泊まれるコテージタイプがあるのも魅力的です」

蓼科東急ホテル
長野県茅野市北山字鹿山4026-2

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大師山清大寺/福井・勝山

エディター RYOKO

「国内を旅するときは、その土地の寺社仏閣を訪ねるようにしているのですが、福井で特に印象に残ったのが勝山市の『大師山清大寺』です。1987年に建立された新しい寺院ながら、その魅力は歴史の長さではなく圧倒的なスケール感にあります。境内に一歩足を踏み入れると、五重塔や大仏殿などの壮大な景観に引き込まれ、まるで別世界を訪れたような気分に。大仏殿には高さ17mを誇る越前大仏が鎮座し、その周囲を取り囲むように1200体以上の小仏群が安置されています。また、塔へ向かう石段や回廊、参道のディテールまで丁寧につくられており、歩くだけでこの場所ならではの世界観を味わえるのも魅力。比較的標高が高く、周囲を山々に囲まれた勝山は市街地よりも過ごしやすく、境内を吹き抜ける風や豊かな緑が夏の旅にぴったりです。近くには黒川紀章設計の『福井県立恐竜博物館』もあるので、建築好きならぜひあわせて訪れたいところ。スケールの異なる二つの名建築を巡る、福井ならではの夏の建築旅を楽しめます」

大師山清大寺
福井県勝山市片瀬50字1-1

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HOTEL FORK & KNIFE Miyajima/広島・宮島

編集長 MAKI

「喧騒から離れ、美しい静寂を堪能できる場所に今夏は訪れたいと思っています。広島・宮島に今年誕生したばかりの『HOTEL FORK & KNIFE Miyajima』は、まさにそんな気分を満たしてくれる注目の新ホテルです。“Tradition Served Quietly.”をコンセプトに、カルチャーとリトリートが融合した空間が広がり、宮島の対岸で心静かに羽根を伸ばせる場所として早くも話題を集めています。空間を手がけたのは、建築家・美術家の佐野文彦。杉や香節、石といった自然素材をベースにしながら、全体を過度に語らない静かなトーンでまとめています。小上がりや障子のあるゲストルームと、そこから広がる穏やかな瀬戸内の風景。囲炉裏やライブラリーを配したラウンジ、そして館内の随所にちりばめられたアートやクラフト作品。この引き算と余白のデザインのなかに身を置くだけで、心身が整っていくのを実感できそう。近くには、世界遺産の嚴島神社や坂茂氏が設計した下瀬美術館なども。宮島の風景とデザインに浸る旅は、特別な夏の記憶になるはずです」

HOTEL FORK & KNIFE Miyajima
広島県廿日市市宮島口3-3-15

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