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独自の味へのこだわりを東京で開花させた、名古屋の3人の料理人[森脇慶子さん今月のおすすめ]

  • 2026.7.12
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森脇慶子さん、門上武司さん、秋山都さん、山路美佐さん他、食通のジャーナリストや編集者が毎月ひとつのテーマから着想した3軒をまとめてご紹介する小誌連載「ガストロノミーの杜 極私的店案内」。

今回はフードジャーナリストの森脇慶子さんが、東京の3店をご紹介します。

焼き鳥、イタリア料理、インド料理の技を生かして

今年の大河ドラマ「豊臣兄弟」に登場する三英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康はいずれも尾張・三河(現在の愛知県)出身ですが、現代のレストランシーンでも愛知は話題の的。なかでも名古屋の人気店が続々と東京に進出し、注目されています。

その筆頭が2026年1月にオープンした「焼鳥 空」。厳選した長期飼育の名古屋コーチンをダイナミックに焼き上げる大ぶりの焼き鳥で多くの焼き鳥フリークを虜にしてきた名店です。

東京への展開を考えていた主人・須㟢淳史さんを後押ししたのは、数々の人気店をプロデュースしてきた末富信さん。「空」の焼き鳥のファンでもあった末富さんとタッグを組み、名古屋でのスタンスはそのままにメニュー内容をブラッシュアップ。口直しの野菜料理を挟んだり、締めに炊き立ての土鍋ご飯を出したりと、より洗練させたコース運びで早くも予約の取れない注目店になりました。「自分の焼き鳥が(焼き鳥)激戦区の東京でどれだけ通用するのか挑戦してみたかった」と須㟢さん。

撮影=前川明範

また、名古屋でイタリア料理店を営む山口太郎さんは、世界的な美食都市・東京で自らの力を試したいと、2026年4月、虎ノ門横丁に「ボッテゴン」を開店しました。多くのシェフ垂涎の精肉店「サカエヤ」の肉に特化。熟成庫に眠る経産牛はもとより、ストレスフリーの熊本の"走る豚"や赤身の旨みが濃い岐阜の"ゴーバルポーク"など5種類の豚肉を用意。分厚くカットし、骨付きのまま揚げた豚肉のコトレッタや熟成牛肉のステーキなどさまざまな形で楽しませてくれます。

もう一人は、数種類のスパイスを使った酢飯とタマリンドで締めた鯖の握りといった"スパイス寿司"やタンドール料理を出す、ナマステ田中さん。巧みなスパイス使いで生まれる独創的な料理を「一緒におもしろがる高感度な人が東京には多いと思って」と、店名を「カリーカグラ」から「ナマステラージャヤ」と変えて東京に移店しました。名古屋からの出店を経て、今年の食シーンの天下取りは東京が舞台のようです。

撮影=前川明範

「焼鳥 空(SORA)」(東京・西麻布)

名古屋コーチンの焼き鳥を主体にした洗練されたコース

パリッと焼き上げた皮と肉の間から肉汁がほとばしるジューシーなもも肉から始まる怒濤のコースは、デザートに至るまで計14~15品(22,000円)。鶏は飼育日数180日と長期飼育の名古屋コーチンを使用。写真はコースの一部で、手前からもも肉と胸肉、親子丼、なすの卵白あんかけ、濃厚な鶏出汁ベースの卵スープ。

DATA
営業時間/17時30分~23時30分(L.O.)
定休日/土・日曜
tel.080-3624-7811
Google mapで確認
東京都港区南青山7-11-4 HT南青山ビル 2F

焼鳥 空(SORA)

写真提供=ボッテゴン

「ボッテゴン」(東京・虎ノ門)

さまざまな部位や種類の肉料理を主体にしたイタリアン

「イタリアンと経産牛」を掲げ、極上の肉料理をアラカルトで楽しめる一軒です。熟成庫から選んでくる熟成経産和牛のステーキは8,000~9,500円(230g)ほど。写真は兵庫県但馬経産和牛。ほかに「佐助豚のジンジャーステーキ」(2,800円)や「近江牛煮込みパルミジャーノ黒胡椒スパゲットーニ」(3,200円)も人気。

DATA
営業時間/11時30分~14時 17時30分~22時(ともにL.O.)
不定休
tel.080-1600-3548
Google mapで確認
東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F

ボッテゴン

写真提供=ナマステラージャヤ

「ナマステラージャヤ」(東京・代々木公園)

スパイスを突き詰めて生まれた唯一無二の寿司が話題に

2025年11月、通称"奥渋"エリアにオープンしたイノヴェーティブ・インド料理とナチュラルワインの店。スパイス寿司8貫コースとタンドリー料理コースのいずれかを日替わりで提供(ともに8,800円)。それぞれのコースには牡蠣のアチャールといった前菜(スパイス八寸)やスープなどが付く。グラスワインは1,200円~。ドリンクのペアリングもあります。

DATA
営業時間/17時~20時(L.O.)
不定休
tel.090-7434-8111
Google mapで確認
東京都渋谷区富ヶ谷1-14-13 Ray Quon OKUSHIBU 4F

ナマステラージャヤ

教えてくださったのは……

森脇慶子さん(フードジャーナリスト)
もりわきけいこ●23歳で食専門のライターを目指してフリーに。料理専門誌から女性誌まで、幅広く活躍するフードジャーナリスト。間違いのないレストラン選びに定評がある。著書に『フランスで料理修業』(学研プラス)、 『行列レストランのまかないレシピ』(ぴあ)など多数。『東京最高のレストラン』(ぴあ)採点者のひとり。

文=森脇慶子 撮影=前川明範(「焼鳥 空」分) 写真提供=ボッテゴン、ナマステラージャヤ 編集=平田剛三(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年8月号より

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