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デザイナーが語る、フレンチシックとは?【アレクサンドル・マテュッシ】

  • 2026.7.1
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アレクサンドル・マテュッシ/「アミ パリス」創業者兼デザイナー

自然体でありながら、どこか強い魅力を漂わせていること。決して気負ってはいないのに、なぜか視線を引きつけてしまう――そんな空気感こそが、フレンチシックの本質なのだと思っています。固定されたスタイルでも、完璧に計算された美学でもありません。むしろ、生きざまに近いと言えるかもしれません。

私はいつも、フランス的なエレガンスは“アリュール”から生まれるのだと感じています。本当に人を引きつけるのは服ではなく、その奥にある人格やたたずまいだからです。何を着るかではなく、どう着るか。そして、その人自身がどんな空気をまとっているのか。そこに真のエレガンスが宿るのではないでしょうか。だからこそ、スタイルがシックに昇華されるのは、完璧に見える瞬間ではないのです。少し着崩したシャツや、長年はき込まれたデニム、味わいを増したレザージャケットといった不完全さの中に、その人らしさが投影されるのです。フレンチシックには、ある種の誠実さも宿っています。誰か別の人物を演じるように装わないこと。必要以上に頑張りすぎないこと。本能的な感覚を失わず、どこかに余白を残しておくこと。私は、洗練とシンプルさ、構築性とセンシュアリティの境界を行き来するような、しなやかなバランス感覚に強く引かれます。

誰か別の人物を演じるように装わないこと。必要以上に頑張りすぎないこと。本能的な感覚を失わず、どこかに余白を残しておくこと。

そして今、フレンチシックという概念も、少しずつ時代とともに変化しているように感じています。それは限定的なパリジェンヌ像ではなく、もっと開かれ、包括的で、現実の人生とシームレスにつながるスタイルへと広がっているのです。年齢や体形、ライフスタイルに縛られることなく、それぞれの個性や生き方の中に自然と宿るエレガンス。現代におけるフレンチシックとは、そうした一人一人のありのままの感性から生まれる美意識なのではないでしょうか。

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