1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「熱中症対策のため」毎日“スイカ”を食べ続けた50代女性→数ヶ月後、健康診断で発覚した“身体の異変”とは【管理栄養士は見た】

「熱中症対策のため」毎日“スイカ”を食べ続けた50代女性→数ヶ月後、健康診断で発覚した“身体の異変”とは【管理栄養士は見た】

  • 2026.8.11
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

夏になると食べたくなるスイカ。50代女性のAさんも、「水分補給になるし、体も冷やせるから」と、熱中症対策のために毎日食べていました。冷房のないキッチンでもすぐ食べられるよう、一口大にカットして冷蔵庫に常備。買い物から帰ったときや料理の途中、お風呂上がりなど、のどが渇くたびにパクリ。「ビタミンやミネラルも摂れるし、体にいいはず」と思っていたのです。

ところが数ヶ月後の健康診断で、それまで軽度だったある数値が悪化。実は、問題はこの夏たくさん食べてきたスイカにありました。今回は、夏だからこそ気をつけたい果物の食べ方を解説します。

「水分補給だから大丈夫」と思っていたスイカ習慣の意外な盲点

夏になると食べたくなるスイカ。

暑さで食欲が落ちているときでも食べやすく、90%以上が水分でできていることから「熱中症予防に」と積極的に取り入れている人も多いでしょう。さらに、カリウムや抗酸化作用を持つリコピンも含まれ、紫外線が気になる季節にはうれしい栄養素もあります。

「夏はスイカさえ食べていれば大丈夫」

そう思って、この夏、毎日のようにスイカを食べていた50代のAさん。

大玉のスイカを購入し、ひと口サイズにカットして冷蔵庫に常備。「水分補給になるし、火照った体も冷える。ビタミンやミネラルも摂れるから健康にいいはず」と思っていました。

ところが、夏の終わりの健康診断で、以前から経過観察だった肝臓の数値が悪化していることが判明。お酒も飲まないAさんが原因を振り返ると、見えてきたのは夏中続けていた「スイカの食べ方」でした。

夏から秋にかけては、スイカやブドウ、桃、梨など甘い果物がおいしい季節。果物はビタミンやミネラル、食物繊維が摂れる健康的な食品ですが、食事代わりにしたり、水分補給のつもりで頻繁に食べたりすると、果糖の摂り過ぎにつながることがあります。

ブドウ糖が全身の細胞で利用されるのに対し、果糖は主に「肝臓」で代謝される性質があります。そのため、一度に過剰な果糖が入ってくると肝臓の処理能力を超えてしまい、余剰分がダイレクトに中性脂肪へと変換され、非アルコール性の脂肪肝(MASLD等)や肝機能数値悪化のリスクを高めてしまうのです。

またAさんの場合、暑さで食欲が落ちてスイカばかり食べ、筋肉の維持や肝機能の働きに必要な「たんぱく質」が不足していたことも、肝臓への負担を強める要因になっていました。

熱中症対策にスイカは効果的?上手な取り入れ方とは

「スイカは食べ過ぎに注意」と聞くと、「では、食べないほうがいいの?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、スイカそのものが悪いわけではありません。

スイカは約90%が水分で、汗をかいたときに失われやすいミネラルも含まれています。暑さで食欲が落ちたときでも口にしやすく、夏の水分補給をサポートしてくれる食品のひとつです。

ただし、熱中症対策になるからといってスイカを喉が渇くたびに何度も食べたり、1度に大量に食べたりすると、今回のAさんの例のように思わぬところに影響が出ることがあります。

熱中症予防で基本となるのは、こまめな水分補給です。普段の水分補給は水やお茶を中心にし、たくさん汗をかいたときは、状況に応じて塩分を含む飲料を摂るようにしましょう。

また、水分補給替わりにスイカを食べることは、ジュースやアイスで水分補給をしているのと同じで、水分以外に余計な糖質を摂ってしまうことになります。スイカなどの果物は、あくまでも食事の一部やデザートとして楽しむのがおすすめです。

<スイカ「1日200g」の具体的な目安>

果物の適量目安は1日200g程度(可食部)です。スイカで表すと以下の量が目安となります。

  • 切り分けスイカ(皮付き): 1/16マスカットカット(中サイズ1切れ)
  • 一口大のカットスイカ(皮なし): 約6〜8個(小タッパー1杯分 / 約30〜40kcal)

「のどが渇くたびにパックから数個つまむ」を1日に何度も繰り返すと、あっという間に500g〜1kg近く(ジュース1〜2本分の果糖)を摂取してしまうため、食べる分だけ小皿に取り分けて食べるのがコツです。

肝臓を守るために知っておきたい、夏から秋の果物との付き合い方

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんの場合、問題だったのは”スイカそのもの”ではありませんでした。

暑さで食欲が落ちたことで、スイカを食事の代わりに食べる機会が増え、さらに「水分補給になるから」と食べる量や回数が増えたことで、知らないうちに果糖の摂取量が多くなっていたことや、栄養バランスの悪化が、肝臓への負担につながったと考えられます。

大切なのは、熱中症対策と季節の果物を楽しむことを分けて考えることです。

熱中症予防の基本は、こまめな水分補給です。普段は水やお茶を中心に摂り、大量に汗をかいた場合は、スポーツドリンクや経口補水液など、塩分を含む飲料で電解質を補うようにしましょう。

スイカをはじめとした夏の果物は、旬の味覚として楽しむものです。ビタミンやミネラル、食物繊維などを含み、健康維持に役立つものでもあるので、食後のデザートや間食として、1日200gを目安に適量を取り入れるのがおすすめです。

夏から秋にかけての時期はスイカだけでなく、ブドウや桃、梨など甘くて食べやすい果物が旬を迎えます。おいしさから、つい量が増えてしまうことがあるので注意してほしいです。

果物は適量であれば全く問題ありません。しかし、大量に摂ったり、食事の代わりにしたりすると、肝臓で中性脂肪が作られやすくなり、脂肪肝のリスクにつながる可能性があります。思いがけず肝臓に負担を与えないためにも、適量を守るように心がけてください。


※本記事で紹介している果物の摂取目安(1日200g)は、一般の健康な成人を対象としたものです。現在、糖尿病や脂肪肝、慢性腎臓病(カリウム制限が必要な方)などで医療機関を受診・通院中の方は、必ず主治医や担当管理栄養士の指導に従ってください。

監修者 工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ