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デザイナーが語る、フレンチシックとは?【キム・ベッカー】

  • 2026.7.1
Robin Galiegue
キム・ベッカー/「イザベル マラン」クリエイティブ・ディレクター

決して完璧さや、誰かに見せるための装いではありません。もっと本能的であり、アティチュードであり、肩の力を抜いたままでいられる自信のことです。私にとって真のフレンチスタイルとは、常にコントラストの中から生まれるもの。男性的なテーラリングに宿る女性らしさ、洗練の中にある気軽さ、ラグジュアリーでありながらどこか少しだけ崩れた感覚。その相反する要素が自然に交ざり合った瞬間にこそ、フレンチシック特有の魅力が立ち上がるのだと思います。

エレガントな女性とは多くの場合、他人の視線のためではなく、自分自身の心地よさや気分のために服を選んでいるように見える人です。だからこそ装いには無理がなく、内側からにじみ出るような説得力が宿るのでしょう。「イザベル マラン」では、服とは現実の人生とともに動くべきものだと、ずっと信じてきました。日々を忙しく生きる女性が、そのままの自分でいられること。歩き、働き、旅をし、人と会い、自由に身体を動かしながらも、美しさを失わないこと。そんな感覚を何より大切にしています。

ファッション以上に“アリュール”、つまり人を引きつけるたたずまいに関わる要素。

フレンチシックとは、ある意味で“自由”でもあります。自由に組み合わせ、繰り返し着て、少しずつ体になじませながら、自分自身のスタイルへと育てていくこと。そこには、とてもパリジェンヌらしい無造作なニュアンスも添えられています。けれどそれは、ただラフであるという意味ではありません。気負っていないのに、どこか引きつけられてしまうエレガンス。計算し尽くされたスタイルというより、感覚に近いのです。言葉を超えて、まず空気として伝わってくるもの。結局のところ、フレンチシックとはファッション以上に“アリュール”、つまり人を引きつけるたたずまいに関わる要素なのだと思います。個性、官能性、そして真正さのすべてが自然ににじみ出たときにだけ生まれる、美しさなのです。

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