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【未来が変わる更年期の過ごし方】症状・対策・おすすめの食べ物まで専門医が解説。30代も要チェック!

  • 2026.5.17
教えてくれたのは……
福山千代子先生

日本専門医機構認定産婦人科専門医。MET BEAUTY CLINICにて婦人科診療を担当。更年期障害や女性特有の不調、デリケートゾーンのエイジングケアなどを専門とする。「女性のライフステージに寄り添う」をモットーに、20年以上にわたり、あらゆる世代の女性の悩みに向き合い続けている。

年代別「更年期を楽にする対策法」早見表

  • かかりつけクリニックを早めに見つけておく
  • 運動習慣を取り入れる
  • 納豆を食べる
  • 生理不順を感じたらクリニックに行く
  • 運動習慣を取り入れる
  • エクオールを取り入れる

詳しい解説はそれぞれの項目をクリック!
※年齢は目安であり、個人差があります。

更年期、更年期症状、更年期障害。それぞれの違いを解説!

更年期:誰にでも訪れる「人生の期」の1つ

福山千代子先生

『更年期』というのは、閉経を境にした前後5年間、計10年間の時期のこと。月経が始まる時期を『思春期』、女性ホルモンが落ち着いて妊娠できる時期を『成熟期』、エストロゲンが低下する閉経前後を『更年期』、それを過ぎると『老年期』になります。つまり、誰もが通る『人生の期』なんですね。


更年期症状:エストロゲンの分泌低下による、自律神経の乱れからくる症状

福山千代子先生

日本人女性の閉経の平均年齢は50歳。個人差はありますが、45歳前後から卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減少します。しかし、脳の視床下部はこれまで通り「ホルモンを出して!」と指令を送り続けます。ところが卵巣はその指令に応えることができず、脳と卵巣の間にギャップが生まれてしまうのです。この不一致が自律神経の混乱を招き、睡眠や気分、血圧、体温調節など、あらゆる機能に影響を及ぼします。これら一連の不快な症状をまとめて、『更年期症状』と呼んでいます。


主な更年期症状
  • 顔がほてる
  • 汗をかきやすい
  • 腰や手足が冷えやすい
  • 息切れ、動悸がする
  • 寝つきが悪い、眠りが浅い
  • 怒りやすく、イライラする
  • くよくよしたり、憂鬱になる
  • 頭痛、めまい、吐き気がよくある
  • 疲れやすい
  • 肩こり、腰痛、手足の痛みがある
  • 頻尿、尿もれがある
  • 膣のかゆみや性交痛がある
福山千代子先生

同じ年齢であっても、軽く済む人もいれば寝込んでしまうほど重い人もいるなど、症状には大きな個人差があります。中でもホットフラッシュは、日本人女性の約4~5割が経験するといわれる更年期の代表的な症状。前触れなく突然、顔や上半身が熱くなってのぼせ、一気に汗が噴き出してくるのが特徴です。これは自律神経が乱れ、体温調節が正常にできなくなることで起こります。1日に何度も大量に汗をかく人もいれば、たまに顔がほてる程度の人もいるなど、その出方は体質や環境に大きく左右されるんですよ。


更年期障害:日常生活が困難なほど更年期症状が重い状態

福山千代子先生

だるくて動けない、集中力が続かないなどが原因で家事や仕事が手につかなかったり、頭痛や関節痛、激しい倦怠感で寝込んでしまったり。“症状”と“障害”には「本人がどれだけ困っているか」によります。血液検査でホルモン値が同じぐらい低くても、元気なら“症状”ですし、つらくて生活もままならないなら“障害”となります。


不定愁訴はすべて更年期症状?「プレ更年期」との違いは?

福山千代子先生

アラフォーになると「不調は全部更年期のせいだ!」と思ってしまう人も多いのですが、そんなことはありません。そもそも医学的に『プレ更年期』というのは存在しないんですよ。更年期というのはあくまで閉経を挟んだ前後5年間のこと。エストロゲンの分泌が急激に減少する時期を指しているので、たとえば30代後半で起こる不調は、ストレスや疲労で自律神経失調症になっていたり、生理前にPMSを強く感じていたりしているのかも。


「更年期症状が重い・軽い」は何で決まる?

福山千代子先生

体質もありますが、症状の重い・軽いは、その人の性格や環境因子によって左右されます。真面目で完璧主義で、責任感が強い性格の人ほど、自分の心と体に起こる変化を敏感に察知してしまい、症状を強く感じやすくなるんです。また、親の介護や睡眠不足、仕事や家庭でのストレスなども症状を増幅させる原因に。「出産の有無で症状が変わる」というのは誤解で、医学的根拠はありません。独身でも既婚でも、子供がいてもいなくても、更年期はすべての女性に等しく訪れる体の移行期なんです。


更年期症状をやわらげて楽にする方法を、専門医に徹底取材!

「これってもしかして更年期症状?」そんな不安を抱える直前世代のエディターNと、日々変わる体調と格闘する真っただ中世代のライターA。性格も年齢も悩みも異なる二人が、自身の不安や疑問を医師に相談!

更年期の始まりはどうすればわかる? 最近ずっと怯えてます

エディターN

いま46歳なんですが、汗が出るたびに「これは暑さによるものか、それともホットフラッシュが原因か」と疑心暗鬼に陥ります。疲れやすさも年々ひどくなる気がして、ついに更年期が始まったのではないかと戦々恐々としてしまうんです。


福山先生

不安に思うなら、婦人科で採血してもらって女性ホルモンの分泌状態を数値で調べることもできます。ちなみに、血管を収縮・拡張させたり、交感神経を刺激したりという作用があるカフェインや、交感神経を刺激して汗を促すカプサイシンなどは、急なのぼせやほてり、ホットフラッシュを招きやすくなるので、控えめにして。


頼れる婦人科系クリニックを、早めに見つけておくべし!

ライターA

不眠や肩こり、頭痛、めまいなどの症状があるので、医師に相談したいと思ってはいるのですが……。産婦人科はどうしても妊婦さんのものというイメージがあるので、どこを受診すればいいのかわからなくて悩んでいるんです。


福山先生

“更年期外来”や“女性ヘルスケア”という表記があるクリニックなら、更年期世代の治療に力を入れているので、検査も治療もしてくれますよ。でも本当は、30代ぐらいからかかりつけの婦人科医を見つけておくのが理想。たとえばPMSが重い人は更年期に鬱になることが多い傾向にあるのですが、ずっと診察していた医師であればその不調にいち早く気付き、対処することが可能です。定期的な健康診断を受けるなどして、信頼できる婦人科系クリニックを見つけておくといいですよ。


更年期世代の“突発ニキビ”。これも更年期症状?

エディターN

突発的にポツンとニキビが出てくることがあるんですが、これは更年期とは関係ないですか?


福山先生

女性の体にも、少しですが男性ホルモンのテストステロンが分泌されています。更年期になるとエストロゲンが急激に減り、相対的に男性ホルモンの働きが優位になるんですね。それが原因で皮脂腺が刺激されて、ニキビができることはあります。厳密には更年期症状ではありませんが、更年期に現れやすい肌の変化ではあるかも。ちなみに男性も、女性ほど急激ではないけれどテストステロンが低下するため、ほてりや鬱、倦怠感、不眠などの不調が現れることがわかっています。


更年期症状はやっぱりツラい。「ホルモン補充療法」は有効?

ライターA

いま以上に症状が悪化したらどうしようと不安なんですよね。ホルモン補充療法を受けるべきか悩んでいるんですが、具体的にはどういう治療になりますか?


福山先生

急激にエストロゲンが減ることで自律神経失調症になっているわけですから、それを薬で最小限に補い、下降をなるべくゆるやかにしようというのがホルモン補充療法。ノーダメージで更年期を乗り切るための手段ともいえるので、気になるなら治療を受けてみてはどうでしょう。飲み薬やジェル、パッチなど薬にも種類があり、ライフスタイルなどに合わせて処方します。


エディターN

ホルモン補充療法で乳がんになると聞いたことがあるんですが……。


福山先生

そのリスクはごくわずかとされています。ホルモン補充療法ではエストロゲンを若い頃と同じ分泌量を補充するのではなく、必要な分を補ってあげるだけなので安心して。


エストロゲンは足せばいいってもんじゃない!

ライターA

エストロゲンが減少することで、心臓病や大腸がん、骨粗しょう症、認知症のリスクが高まるんですよね? そう考えると、どんどん増やしたくなる気持ちもあります……。


福山先生

エストロゲンは女性の体を守る大事なホルモンではありますが、増やし過ぎると乳がんや子宮体がんの原因になってしまうことも。更年期の治療は若い体に戻すことではなく、急激な減少で起こる脳のパニックを抑えてバランスを取ることを重視しています。


更年期をどう過ごすかで未来が変わる?

エディターN

不調を感じたら、あまり我慢せず病院に行った方がいいんでしょうか?


福山先生

そうですね。更年期症状だと思っていたら、実は深刻な病気のサインだったというのもよくあることなんです。50歳前後はガンの発生率も増えますしね。そういう意味でも、相談しやすい婦人科系クリニックを見つけておくと安心ですよね。


ライターA

私は更年期真っただ中ですが、日常生活で気をつけることはありますか?


福山先生

ストレスをなるべく減らすことが大事ですが、難しければストレス発散法を見つけておくといいかも。あとは血糖値が急上昇したり急降下したりすると疲れやすくなるので、糖質の摂りすぎには注意が必要です。脂質代謝が悪くなるうえに食欲増進ホルモンも増えて太りやすくなりますし、閉経後は骨密度が低下して骨粗しょう症になりやすくなる可能性があるので、栄養面、生活面でも改善すべき点があれば見直してほしいです。


更年期症状といえば「エクオール」! 本当に有効? いつから摂るべき?

エディターN

エクオールがいいとよく聞きますが、飲むとどのような変化があるのでしょうか?


福山先生

大豆イソフラボンは、腸内細菌によって「エクオール」に変化すると、エストロゲンと似たような働きをします。実際に、ホットフラッシュの頻度や重さを和らげたり、骨密度の低下を抑制したりといった有効性が証明されています。更年期は生理不順から始まることも多いので、その兆候を感じたタイミングで飲んでおくのもおすすめですよ。


ライターA

ドラッグストアでも簡単に手に入る『命の母』はどうですか?


福山先生

『命の母』は、更年期の不調をターゲットにした和漢生薬とビタミン類の複合薬。なんとなく不調を感じるという、初期段階のセルフケアとして取り入れてもいいと思います。


「運動習慣と納豆が最強」説。更年期を楽にするための生活習慣

ライターA

大豆イソフラボンがいいということは、やっぱり納豆を食べるべきですか!?


福山先生

納豆や豆乳などの大豆製品、いいと思います。ただし、エクオールに変換する腸内細菌がない人は大豆製品を摂取してもエストロゲン様の作用は期待できないので要注意です。あとは運動習慣ですね。ストレス発散や太りやすさを防ぐためにも、ぜひ運動をしてください。


エディターN

更年期を上手に乗り切るために、30代からやっておくべきことってありますか?


福山先生

エストロゲンが豊富な30代は、月経リズムを記録しておくなど、自分の“普通”を知ることが大事。更年期以降の代謝低下や骨密度低下に備えて、いまから運動習慣をつけておくといいですよ。そしてかかりつけの婦人科をこのタイミングで見つけておくと安心ですね。あとはカフェインなど、自律神経を刺激するものを控えるようにしておくことも大事。50代はもっとも変化が激しい時期です。場合によってはホルモン補充療法や漢方など、医療の力を借りることも視野に入れましょう。


【メンタルケア】アップダウンしやすいメンタルとどう向き合う?

ライターA

メンタルが落ちやすくなっていて、自分でももてあまし気味なんですよね。


福山先生

更年期になると、心を安定させるセロトニンや睡眠ホルモンのメラトニンが減少するため、眠りが浅くなるし、気分のアップダウンも激しくなるんですよ。朝起きたらできるだけ早く朝日を浴びる、ウォーキングをするなどして、セロトニンとメラトニンの分泌をサポートしてあげましょう。


【趣味を持とう】平凡だけど、やっぱり大事!

ライターA

イライラしまくって、気づかないうちにまわりに迷惑をかけているんじゃないかと不安です……。


福山先生

更年期だからこうなる、周囲の人はこう接するべき、というのはないですからね。もう本当に、その人のキャラによるとしかいいようがない。でも悩みを一人で抱え込まず、更年期世代同士で症状を相談しあうことができれば、気分的にかなり楽になるんじゃないかと思います。あとは、生き甲斐をつくること。意外と仕事は生き甲斐にならないようですから。


エディターN

私、美容が生き甲斐なんです! 美容と仕事が密接な関係にある場合、美容に興味がなくなってしまうんでしょうか?


福山先生

そうですねぇ、美容にも仕事にもモチベーションを見出せなくなる日が絶対に来ないとは言い切れないですよね。できればほかに何か、趣味を見つけておいたほうがいいんじゃないでしょうか。趣味と仕事が同じだった場合、好きだったことが嫌いになってしまったら困るでしょう? 打ち込めるものは複数あるといいと思いますよ。


ライターA

生き甲斐があったほうがいいと考えると、推し活って更年期の救いにもなりそうですね。


福山先生

そうなんですよ。でもね、なんでもいいんです。たとえば私はキックボクシングやってるんですけど、その時間がすごく楽しいし、ストレス発散にもなります。運動が嫌いなら編み物でもいいし、瞑想だっていい。とにかく「これをやっているときは本当に楽しい」と思える何かを見つけることが大事です。


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写真協力/Shutterstock 取材・文/穴沢玲子 構成/西村美名子

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