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住宅ローンを申し込んだ30代男性→結果は“審査落ち”…開示請求したところ、判明した“思わぬ原因”に「頭が真っ白になりました」

  • 2026.5.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「学生時代の数か月の延滞が、10年後の人生を縛る」
そんなことが、奨学金には実際にあります。

今回ご相談に来られたのは、神奈川県在住の32歳男性・Aさん(仮名)。マイホーム購入のために住宅ローンを申し込んだところ、まさかの審査落ち。「結婚を機にと張り切っていたのに、頭が真っ白になりました」と話します。

一般的に、金融機関は審査落ちの具体的な理由を教えてくれません。途方に暮れていたAさんが信用情報機関に開示請求をしたところ、浮かび上がってきたのは学生時代の「奨学金の延滞記録」でした。

4か月の滞納が、10年後に響く

Aさんは大学卒業後、就職活動が長引いて半年ほど無職に。奨学金を4か月だけ滞納したことがありました。

その後すぐに就職して完済もしたので、「もう昔の話と思っていた」そうです。ところが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、以下のような注意点があります。

  • 3か月以上の延滞で、個人信用情報機関への登録対象になる
  • 登録された延滞情報は、原則として返還完了から5年間保持される。
  • この間、住宅ローン・自動車ローン・クレジットカードなどの審査に影響する場合がある

Aさんが完済したのは28歳のとき。つまり、33歳頃までは信用情報に「延滞の記録」が残る計算になります。住宅ローンなどの大きな融資では、この記録が審査に影響を与える可能性が極めて高いのです。「学生時代の数か月のことが、こんな形で返ってくるなんて」と肩を落とします。

信用情報への登録は、事前の申請で回避できた可能性も

JASSOには延滞を防ぐための3つの救済制度があります。

  • 返還期限猶予:経済困難や失業などの際、一定期間返還を先送りできる。猶予が承認されている期間は、延滞として登録されません。
  • 減額返還:毎月の返還額を減らして返還期間を延ばす。
  • 返還免除:本人の死亡・重度障害など、限定的なケースで返還が免除される。

特に重要なのが返還期限猶予。

承認されている期間は、原則として信用情報に新たな延滞情報が登録されません。Aさんも、就活中に申請していれば信用情報へのキズを避けられた可能性が高いのです。ポイントは、「延滞してから慌てて申請しても、すでに登録された情報は取り消せない」こと。困りそうなら、滞納する前に動くのが鉄則です。

※「ブラックリスト」という言葉をよく耳にしますが、実際にそのような名称のリストが存在するわけではありません。信用情報機関に延滞などの事故情報が記録されている状態を、俗称としてそう呼んでいます。

自分の信用情報は1,000円程度で確認できる

「自分は大丈夫かな?」と不安な方は、信用情報の開示請求をしてみましょう。

  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行系・JASSO関連の情報を確認
  • CIC:クレジットカードや割賦販売、スマートフォンの分割払いなどの情報を確認
  • JICC:消費者金融や信販会社などの情報を確認

KSCはインターネットで開示申請ができ、手数料は1,000円程度。住宅ローンを組む数か月前に確認しておくと、土壇場で延滞情報に気づく事態を避けやすくなります。

なお、3つの機関はそれぞれ異なる情報を管理しているため、住宅ローンを検討している場合はKSCを中心に、CICやJICCも必要に応じて確認しておくと安心です。開示方法や確認できるまでの日数は機関によって異なるものの、結果は数日〜1週間程度で確認できます。もし延滞情報が残っていた場合でも、完済から5年が経過すれば記録は消えるため、「あと何年待てばよいか」を逆算して住宅購入のタイミングを立て直すことができるでしょう。

Aさんの事例は奨学金でしたが、クレジットカードのリボ払いやカードローンなど、借入のハードルが低い借金にも要注意です。借り入れをする際には、必ず契約の内容通りに返済することと、延滞の可能性がある場合は速やかに相談することを徹底しましょう。

まとめ

奨学金の本質は借金です。低金利で利用しやすい反面、延滞のペナルティは重いことを知っておきましょう。

ローンの審査落ちの理由は、金融機関は教えてくれません。だからこそ、自分から動いて現状を把握しておくことが大切です。学生時代の数か月の判断が、30代の人生設計を大きく揺らすこともある点を知っておきましょう。


出典:「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」(独立行政法人日本学生支援機構)
出典:「返還が難しくなった場合」(独立行政法人日本学生支援機構)


柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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