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大家から“家賃5000円値上げ”の通知→「仕方ないか」とハンコを押すが…数日後、30代男性が直面した“想定外の事実”

  • 2026.5.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「近隣相場が上がっているので、更新を機に家賃を5,000円上げさせてください」

大家からそんな通知を受け取った35歳男性・Aさん(仮名)。「相場が上がっているなら仕方ないか」と何の疑問も持たず、同意の判子を押しました。

ところが後日、不動産に詳しい友人にこの話をすると、こう返ってきます。「それ、拒否できたのに」。Aさんは絶句しました。年6万円、契約更新ごとに増える可能性のあった負担。知らないだけで損していたのです。

家賃の値上げは拒否できる!

この「家賃値上げに無条件で従ってしまう」パターン、近年の家賃値上げラッシュで本当に増えています。近年はさまざまなコストが上昇しており、貸主である大家としても厳しい状況のようです。

家賃の値上げは、「当事者の合意があって初めて成立する」もの。契約は双方の合意に基づくものですから、家主が一方的に家賃を上げることはできないんです。もし大家さんから値上げを要求されても、「お断りします!」と伝えれば、それだけで従う義務はありません。

なぜ拒否できるのか。法律上の根拠を確認

根拠は「借地借家法」です。この法律では、入居者の権利が非常に強く保護されています。

「弱者保護」「生活の安定を守る」という観点から、家主の一方的な都合で勝手に値上げしたり、勝手に家を追い出したりすることはできない仕組みになっているんです。住む場所を失うインパクトの大きさを考えれば、借主が手厚く守られているのは納得です。

拒否するときの具体的な手順は「同意しない」と回答するだけです。口頭だと「言った言わない」になりがち。メールや簡単な書面で「現行家賃の維持を希望します」と明確に伝えましょう。

実は大手管理会社の中には、「法定更新という選択肢がないかのように見える値上げ通知」を送ってくるケースがあります。「新家賃に同意する」「退去する」の二択しか書かれていないような書面ですね(実際に見せてもらったことがありますが、かなり悪質だと感じました)。

でも、こうした通知が来た場合でも慌てる必要はありません。「値上げには同意しません。法定更新を希望します」と書面で伝えればそれでOK。法律上の権利は、相手の通知文面によって変わるものではないからです。

値上げを拒否したらどうなる?

「拒否したら退去させられるのでは?」と不安になりますよね。でも、ここも法律がきちんと守ってくれます。

  • 退去させられることはない:家賃の値上げを拒否したからといって、家を追い出されることはありません。契約を解除したり、更新しないようにするには「正当の事由」が必要で、そのハードルは非常に高いんです。「家賃を上げたいから」は正当事由にはなりません。
  • 更新時も安心(法定更新):契約更新時にお互いが同意していない場合、「法定更新」という形で元の条件のまま契約が自動的に更新されます。借主が同意しない限り、家賃は据え置きのまま住み続けられるわけですね。
  • 裁判になった場合も極端に不利ではない:万が一、家主が裁判を起こしたとしても、入居者が一方的に不利になるとは限りません。裁判には時間も費用もかかり、家賃の増額が必ず認められるとも限らない。仮に増額が認められても、差額分と年1割の利息を支払うだけで、多額の賠償金を払うわけではありません。

家賃の値上げが認められるケース

もちろん「絶対に値上げできない」わけではなく、法律上は次のような条件で値上げが認められる可能性があります。

  • 土地建物にかかる税金などの負担が増加した
  • 経済事情の変動(物価・金利など)があった
  • 近隣の同種物件の家賃よりも明らかに安くなっている

ただし、これらに当てはまっても家主が勝手に上げられるわけではありません。当事者で協議して双方が合意するか、合意できなければ最終的に裁判所が決めることになります。

なお、借主が強く保護されているからといって、ケンカ腰で値上げを拒否するのはおすすめしません。人間同士のコミュニケーションである以上、貸主に悪い印象を与えることで「居住中の修繕や相談対応が最低限になる」「対応が後回しにされ誠実に対応されない」などのリスクが孕んでいるためです。

そのため、「お話はわかりました。ただ、家計の事情もありますので現行家賃で継続させていただけないでしょうか」くらいの柔らかい伝え方がおすすめです。これでも、法的な拒否の意思表示としては十分成立します。低姿勢で「お互いに気持ちよく続けたい」というスタンスを示せば、関係性を悪化させずに自分の生活を守ることができますよ。

まとめ

家賃は契約で決まるもので、一方が勝手に変えられるものではありません。知っているか知らないかで、生涯の住居費に数十万〜数百万円の差がつくこともあります。通知が来たら、まず立ち止まる。これだけで守れるお金は、決して小さくないですよ。


※家賃の値上げ要求自体は、土地建物の税金が爆発的に高騰した場合や、周囲の類似物件に比べて明らかに家賃が安すぎる場合など、一定の条件下で大家側に認められている正当な権利でもあります。値上げを拒否した後の大家側との交渉が決裂し、簡易裁判所での調停や裁判へと発展した場合の具体的な対応手順については、自己判断せず、必ず事前に弁護士や消費生活センター、または不動産法務の専門窓口へ直接ご相談ください。

出典:e-Gov「借地借家法」

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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