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“900万円の実家”を相続した60代兄妹→「すぐに売る予定はない」と放置…数年後、不動産会社から告げられた“想定外の事実”

  • 2026.5.31
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

親の家を相続したあと、「売るときに名義を変えればいい」と考え、登記簿の確認を後回しにしている方は少なくありません。

しかし、2024年4月1日から相続登記は義務化されています。

相続で不動産を取得したことを知った場合、原則として3年以内に登記申請が必要です。

正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象になる可能性もあります。

今回は、父名義の実家をそのままにしていた60代きょうだいの事例から、相続後の名義確認を後回しにするリスクを見ていきます。

父名義のまま数年放置…売却相談で気づいた落とし穴

60代の兄と妹は、5年前に父を亡くしました。

父の財産には、地方にある築40年ほどの実家がありました。

土地と建物を合わせた固定資産税評価額は約900万円。

固定資産税は年約6万円で、兄が代表して支払っていました。

母はすでに他界しており、相続人は兄と妹の2人です。

父が亡くなった当時、兄妹は「すぐに売る予定はない」と考え、遺産分割協議書を作らず、相続登記もしないままにしていました。

登記簿上の所有者は、亡くなった父のままです。

数年後、妹の子どもから「誰も住まないなら売ったほうがよいのでは」と言われ、兄妹は不動産会社に相談したそうです。

そこで、売却を進めるには、まず登記上の名義を整理する必要があると説明されます。

さらに、相続登記が義務化され、過去の相続であっても未登記の不動産は対象になると知りました。

2024年4月1日より前に始まった相続でも、登記を済ませていなければ義務化の対象です。

今回のように、すでに不動産を相続で取得したことを知っていた場合は、2027年3月31日までに手続きをする必要があります。

兄妹は「売る直前で間に合う」と思っていました。

しかし、期限や過料の可能性を知り、戸籍集めや遺産分割協議書の作成に慌てて取りかかることになりました。

昔の感覚では危ない、相続登記の期限管理

相続登記では、期限の考え方を押さえておく必要があります。

相続で不動産を取得したことを知った場合、原則として3年以内に登記申請を行います。

より正確には、相続が起きたことを知り、さらに自分がその不動産を取得したことを知った日から数えます。

また、義務化前に相続が発生していた不動産でも、未登記であれば対象になります。

そのため、「親が亡くなったのは何年も前だから関係ない」とは考えないほうがよいでしょう。

過料についても、期限を過ぎたら必ず科されるわけではありません。

対象になるのは、正当な理由がないのに申請をしない場合です。

相続人が多い、遺産分割がまとまらない、相続人と連絡が取れないなどの事情は個別に判断されます。

一方で、「面倒だから」「使っていない家だから」「将来売るつもりだから」という理由だけで先送りするのは避けたいところです。

遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記を検討する方法もあります。

これは、法務局に自分が相続人であることなどを申し出る制度です。

これにより、いったん相続登記の申請義務を果たしたものと扱われます。

ただし、遺産分割の結果を反映した相続登記そのものではありません。

その後、遺産分割で不動産を取得した人は、遺産分割の日から3年以内に、内容に沿った登記を改めて行う必要があります。

FPが見る、不動産名義を放置しない家計防衛

相続登記は、法律上の手続きに見えますが、家計や資産管理にも関係します。

名義が亡くなった人のままだと、売却、賃貸、解体、担保設定などを進める際に手続きが止まりやすくなります。

今回の事例では、相続人は兄と妹の2人でした。

しかし、時間がたって兄または妹に次の相続が起きると、配偶者や子どもが関係者に加わる可能性があります。

関係者が増えるほど、話し合いに時間がかかり、必要書類や司法書士費用も増えやすくなります。

また、空き家は使っていなくても費用がかかります。

固定資産税に加え、庭木の管理、建物の修繕、近隣対応なども負担になります。

FPの視点では、相続登記は「売ることが決まってから行う作業」ではありません。

家族の資産を、必要なときに動かせる状態へ整えるための準備です。

相続が発生したら、登記簿の名義、固定資産税の通知書、相続人の範囲を早めに確認しましょう。

相続した不動産は、放置しても自然に整理されません。

名義を確認し、必要な手続きを進めることが、将来の家計負担を抑える対策になります。

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