1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 50代女性「銀行に行けばすぐもらえる」父の死後に“残高証明書”を請求→しかし、窓口で告げられた“驚きの事実”に「え?」

50代女性「銀行に行けばすぐもらえる」父の死後に“残高証明書”を請求→しかし、窓口で告げられた“驚きの事実”に「え?」

  • 2026.5.29
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

ご家族が亡くなった後、悲しみの中でも様々な手続きを進めなければならない相続。「何から手をつければいいかわからない」という声を窓口でよくお聞きします。

そんな中で意外と見落とされがちなのが、残高証明書の手配にかかる時間です。「銀行に行けばすぐもらえる」と思っていたら大間違い、ということが実際によくあるのです。

今回は、父親の相続手続きで思わぬ足止めを食らった50代女性・Aさん(仮名)のエピソードをご紹介します。

「残高証明書、今日もらえますか?」

父が亡くなり、四十九日も過ぎた頃のこと。Aさんは兄弟と話し合い、弁護士に頼らず自分たちで遺産分割協議を進めることにしました。手続きを調べていくうちに、父が亡くなった日(死亡日)時点の口座残高を証明する「残高証明書」が必要であることがわかったAさん。

「銀行の窓口に行けばすぐ出してもらえるだろう」と思い、やっと取れた平日休みに地元の銀行窓口を訪れました。

「父が亡くなりまして、遺産分割協議のために残高証明書が必要なんですが、今日もらえますか?」

しかし、窓口担当者から告げられた言葉にAさんは思わず固まってしまいました。

「まさか時間がこんなにかかるなんて…」

「残高証明書の発行には、通常2週間程度お時間をいただいております」と窓口担当者から説明を受けたAさん。

「え?2週間も?その日にもらえないんですか?」とAさん。

「急いでいるんですが…」。

金融機関によっては専門部署で作成する仕組みになっているところも多く、即日発行ができないケースがほとんどです。
また、完成した残高証明書は多くの場合、手続きをされた相続人の住所へ郵送されます。金融機関によって受取方法が異なる場合もあるため、申請時に確認しておくと安心です。

さらに相続での残高証明書は亡くなった日(死亡日)の残高を証明するものになるため、証明日の指定を間違えないよう注意が必要です。

Aさんはさらに、父が口座を持っていた銀行が3行あることに気づきました。「午前中には全部回れるだろう」と思っていたものの、1行目の手続きだけで想像以上に時間がかかり、3行目の銀行に着いた頃には窓口の閉店ギリギリ。結局その日は手続きが完了しませんでした。

「一つの銀行でこんなに時間がかかるとは思わなかった」とAさん。やっと取れた平日休みが丸一日つぶれてしまいました。

相続手続きは、早めの準備と平日の日程調整が肝心

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

相続が発生したら、残高証明書の手配はできるだけ早めに行うことをおすすめします。
金融機関によって発行にかかる日数は異なりますが、一般的に1週間〜2週間程度かかることがほとんどです。口座を持っている金融機関が複数ある場合は、1行ずつ手続きに時間がかかることを想定して、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

また、亡くなった方が定期預金を持っていた場合は、死亡日時点の残高だけでなく、その日までに発生していた利息の計算書(既経過利息計算書)も合わせて請求するのを忘れないようにしましょう。後からの二度手間を防ぐ大切なポイントです。

なお、残高証明書の請求には、除籍謄本や戸籍謄本、印鑑証明書など複数の書類が必要です。事前に金融機関のホームページで必要書類を確認してから来店されることをおすすめします。

また、相続手続きは残高証明書の取得だけでは終わりません。
その後も遺産分割協議書の作成、各金融機関への相続手続きと、平日にしか対応できない手続きが続きます。普段お仕事をされている方にとっては、平日の日程調整が大きな負担になることも少なくありません。

費用はかかりますが、税理士や司法書士などの専門家に相談しながら進めることで、手続きの抜け漏れや日程調整の負担を減らすことができ、精神的な安心感にもつながります。

相続手続きに不安を感じる方は、ぜひ専門家への相談も検討してみてください。


※相続にともなう残高証明書の発行手数料、必要となる戸籍謄本の範囲、既経過利息の計算ルールは、各金融機関(都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行・ネット銀行など)の規定によって細かく異なります。来店時の持ち物の不足で手続きが却下されるのを防ぐため、必ず事前に各銀行の公式ホームページを確認するか、相続専用ダイヤルへ直接ご相談ください。

執筆・監修:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

の記事をもっとみる