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新築マンションを購入した30代男性→親から“1500万円”の援助を受けるも…1年後、税務署から届いた“1通の通知”に絶句。

  • 2026.5.31
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や住まいのご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、マイホーム購入時に親御さまから1,500万円の援助を受けた30代会社員Mさんご夫婦の体験談です。「非課税の特例があるから、税金はかからない=申告も不要」と思い込んだ結果、期限後に思いがけない贈与税が発生した経緯をご紹介します。

「親が出してくれるなら、ありがたく受け取ろう」と決めた春

Mさんは30代後半の会社員。奥さまとお子さん1人の3人家族で、ある年の春にマイホームを購入されました。

新築マンションの購入価格は約5,500万円。住宅ローンの借入を抑えて月々の返済を軽くしたいと、Mさんご夫婦は親御さまからの援助を相談したそうです。

ご両親からの返答は、ありがたいものでした。「孫の住む家のことだから、応援するよ。1,500万円なら出せる」

仲介の不動産会社の担当者からは、こんな話も聞いていたといいます。「住宅取得資金の贈与には非課税の特例があります。一定の条件を満たせば、まとまった金額の援助も非課税で受け取れますよ」

「非課税」という言葉に安心したMさんは、援助金を頭金に充て、無事に引き渡しを受けたそうです。「税金がかからないと聞いたので、特に手続きをすることもなく、新生活に集中していました」

翌年の春、税務署からの問い合わせ

事態が動いたのは、引き渡しから1年ほど経った頃でした。

ご自宅に届いた封筒の差出人は、地域を管轄する税務署。Mさんは封を開けて、しばらく言葉を失ったといいます。

「贈与税の申告がされていないようです。お心当たりについて、ご来署のうえご確認をお願いいたします」

慌てて税理士に相談したMさんがそこで初めて知ったのは、住宅取得等資金贈与の非課税特例は「非課税」とは言っても「申告が要件」だという仕組みでした。

「非課税の特例を適用するためには、贈与を受けた翌年の3月15日までの間に、贈与税の申告書を税務署に提出することが要件です。期限内に申告しなかった場合、原則として特例は使えず、通常の贈与税の課税対象となります」

「『非課税だから申告は不要』だと、ずっと思い込んでいました。実際には『申告して初めて非課税になる』仕組みだったんです」

「期限後申告」では取り戻せない

税理士の試算では、期限内に申告して非課税特例が適用できていれば、贈与税の課税対象はごく一部にとどまっていたそうです。

しかし期限後となった今回のケースでは、原則として特例は使えず、暦年贈与の基礎控除110万円を差し引いた残額に対し、通常の贈与税の税率(直系尊属からの贈与には「特例税率」が適用されます)が課されることになりました。

税理士の試算では、期限内に適切な申告をしていれば、税負担を大きく抑えられた可能性があったそうです。

「特例の適用は申告が要件、というのは制度上のルールです。税務署側で柔軟に特例適用を認めるという余地は、原則ありません」

Mさんは言葉を失いました。

「非課税」と「申告不要」は、別の話

住宅取得等資金贈与の非課税特例は、決して悪い制度ではありません。ただ、「非課税」と「申告不要」は別の話だと理解しておく必要があります(適用要件・非課税限度額は時期や住宅の性能によって変わります)。

これから親御さまから住宅取得資金の援助を受けられる方は、援助を受ける段階で、税理士や税務署に相談されることをおすすめします。「いくらまで非課税か」「どの住宅性能でいくらの枠か」「申告期限はいつまでか」を贈与を受ける前に確認しておくと安心です。

ご家族からの援助は、何にも代えがたい贈り物です。だからこそ、その想いを最大限に活かす制度の使い方を、贈与を受ける前に押さえておくようにしてください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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