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時代を牽引した、美しき生命力。森英恵・没後初の回顧展で触れる、圧倒的エネルギー

  • 2026.4.8

東京・六本木の国立新美術館では、2026年4月15日(水)〜7月6日(月)の期間で、展覧会「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」が開催される。日本のファッションを牽引し続けたデザイナー・森英恵。美しい服はもちろん、彼女のエネルギッシュな生き方もまたひとつの作品のような魅力を放つ。戦後の日本において、ひとりの女性がいかにして世界と対等に渡り合い、自らの「場」をつくり上げていったのか。森英恵の生き様から、今の私たちが必要としている「ヴァイタル=生命力」のヒントが感じられるだろう。

生誕100年を迎えて

ファッションブランド・HANAE MORI(ハナエモリ)の創設者であり、デザイナーである森英恵。1950年代に映画衣装の制作からキャリアをスタートさせ、1965年にニューヨークコレクションで初の海外デビュー、70年代には厳格な基準を満たすメゾンのみが入会できるパリ・オートクチュール組合にアジア人で初めて正会員として加盟するなど世界的な評価を確立してきた。

日本の布地や伝統的な美意識を現代的に昇華させたその作品は、時代や国境を越えて多くの人々を魅了。長年にわたって日本のファッションを牽引した人物としても知られている。

森英恵の生誕100年という節目を迎えた2026年。彼女の功績と生き方を辿る大回顧展が開催される。

「ヴァイタル・タイプ」という生き方

生誕100年を迎えた今なお、時代を超えて受け継がれ、現代においても影響を与え続けている森英恵の生き方と思想。そのひとつが本展のタイトルにもなっている「ヴァイタル・タイプ」だ。

「ヴァイタル・タイプ」とは、森英恵が1961年、雑誌『装苑』にて提唱した人物像。「生命力に溢れ、敏捷(びんしょう)げに目を光らせた女性」――森英恵が理想としたその姿は、そのまま彼女自身の生き方となっている。

家庭と両立しながら社会で活躍し、創作に打ち込むその姿は、デザイナーという枠を、そして時代を超えて、今を生きる私たちにも力強いメッセージを投げかけてくれる。女性の社会的な立場がなお問われる現代において、その姿は、困難を乗り越えるための指針となり、性別を超えて、自分らしく生きるためのヒントともなり得るだろう。

森英恵の創作の軌跡を辿る

没後初の回顧展となる同展では、オートクチュールのドレスを中心に、資料や初公開作品を含む約400点を展示。日本、ニューヨーク、パリと世界を舞台に活動した森英恵の創作の軌跡を、時代やテーマごとに辿りながら紹介する。

見どころは、森英恵が27年間にわたって取り組んだ膨大な数のオートクチュールコレクションの数々。日本初公開となる、アメリカ・メトロポリタン美術館所蔵のドレスや、伊藤若冲の『月下白梅図』(1755年)から着想を得たドレス、和柄を取り入れたイヴニングアンサンブルなど、上質な素材と卓越した技術による煌びやかなドレスは圧巻。普段なかなか見る機会のない美しいドレスを間近で鑑賞できる貴重な機会だろう。

デザイナーとしての表現にとどまらず、ファッションを文化として社会に根付かせるために行ってきた出版・メディア活動など、その多面的な功績にも迫る同展。

60年以上前に掲げた「自立した女性」のビジョンが、令和の今、私たちの目指す姿といかに共鳴するか。彼女のものづくりの全貌を辿りながら、自らの手で人生を切り拓いたひとりの女性の、圧倒的なエネルギーに触れよう。

生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ
WEB:https://morihanae100.jpHarumari Inc.
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