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「怖い? 死ぬこと」言葉も国境も超えて共鳴する2人の女性──濱口竜介監督作が放つ希望と生のエネルギー

  • 2026.5.10
「怖い? 死ぬこと」言葉も国境も超えて共鳴する2人の女性──濱口竜介監督作が放つ希望と生のエネルギー
(C) 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners

ヴィルジニー・エフィラ×岡本多緒、“生”と“死”を見つめる圧巻の3時間16分

濱口竜介監督が、国境や言葉を超えて巡り合う“人生で一度きりの魂の邂逅”を描く最新作『急に具合が悪くなる』。第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品も決定している本作より、ポスタービジュアル、本予告、場面写真が一挙解禁された。

『ドライブ・マイ・カー』(21年)でアカデミー賞(R)国際長編映画賞とカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、『悪は存在しない』(23年)でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞、『偶然と想像』(21年)でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝くなど、国内外から高い評価を受ける世界的監督・濱口竜介。

本作は、そんな濱口監督の最新作であり、第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への正式出品も決定している。同部門への選出は『寝ても覚めても』(18年)、脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21年)に続き、3度目の快挙となる。

物語の中心となるのは、介護施設で“理想のケア”を模索するマリー=ルーと、ステージⅣのがんを患う前衛的な舞台演出家・真理。同じ名前を持つ2人は偶然出会い、やがて友情を超えた特別な絆で結ばれていく。

主人公を演じるのは、『ベネデッタ』(21年)で世界的注目を集めたフランスの名優ヴィルジニー・エフィラと、トップモデル「TAO」として活躍し、『ウルヴァリン:SAMURAI』(13年)などハリウッド作品でも存在感を放ってきた岡本多緒。日仏実力派によるダブル主演が実現した。

さらに、『敵』(24年)で第37回東京国際映画祭最優秀男優賞に輝いた長塚京三、『見はらし世代』(25年)で高い評価を受け、現在はドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』にも出演する黒崎煌代らが脇を固める。

このたび解禁された本予告映像は、「私、進行がんで余命半年って言われて…急に具合が悪くなるかもしれないって」という、岡本多緒演じる舞台演出家・真理の衝撃的な告白から幕を開ける。その言葉を客席から真剣な眼差しで見つめるのは、ヴィルジニー・エフィラ演じるマリー=ルーだ。

続いて映像では、対照的な2人の姿が映し出される。理想の介護を追い求め、「現場の仕組みを変えないと、介護は変わらない」と施設内で孤軍奮闘するマリー=ルー。一方、マリー=ルーが思わず「余命わずかなんて信じられない」と漏らすほどの生命力を放つ、がんを抱えた演出家・真理。「戦ってるものの正体をさ、もうちょっと詰めてみない?」と、ホワイトボードを前に熱を帯びた言葉を投げかける。

「それは運命的な出会いだった」という言葉の通り、2人は出会って間もなく、国境や言葉の壁を超え、魂のレベルで深く共鳴していく。「あなたともっとたくさん話したい」と微笑む真理に対し、マリー=ルーは「怖い? …死ぬこと」と静かに問いかける。穏やかな対話の数々が、パリの美しい風景とともに映し出されていく。

しかし映像後半、空気は一変。真理が芝生の上に倒れ込み、マリー=ルーが慌てて駆け寄る。

「認知症、老い、死…どれも解決できない」という台詞とともに、涙を浮かべるマリー=ルーと真理の姿が映し出された後、「我々が開くのはこの世界の新たな可能性だ」という、長塚京三演じる俳優・清宮吾朗の力強い言葉が重なる。

さらに、黒崎煌代演じる自閉スペクトラム症の少年・窪寺智樹が、穏やかな表情で空を見上げる姿も印象的に映し出される。

夜の街で車椅子を押しながら、真理が「悪あがきしようよ、一緒に」とつぶやくと、マリー=ルーは「いいね」と静かに応える。

ラストには、熱い抱擁を交わす2人の姿とともに、「生涯忘れえぬ3時間16分」というコピーが映し出される。圧倒的な希望と“生”のエネルギーに満ちた、心を強く揺さぶる傑作であることを予感させる本予告編となっている。

あわせて公開されたポスタービジュアルでは、夜の街明かりがきらめくセーヌ川沿いを背景に、マリー=ルーと真理が並んで立つ姿を描写。「この魂の出会いが、世界を変える」という印象的なキャッチコピーとともに、2人の間に生まれる深い絆を感じさせるビジュアルに仕上がっている。

さらに初解禁となった場面写真では、ユマニチュードの介護技術を施設へ広めようと、笑顔で入居者と向き合うマリー=ルーの姿や、真理とマリー=ルーが静かに抱き合うシーン、そしてマリー=ルーが智樹の目をまっすぐ見つめながら語りかける様子など、物語の核心を感じさせる3点が公開された。

濱口竜介監督が、日仏を代表する実力派キャストとともに描き出す、言葉と国境を超えた魂の出会い。第79回カンヌ国際映画祭で初披露される本作に期待が高まる。

『急に具合が悪くなる』は2026年6月19日より全国公開。

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