1. トップ
  2. カルチャー・教養
  3. 実は「木の根」は地下でつながり栄養を分け合う『森のネットワーク』を持っていた!菌類が仲介する地下の栄養輸送網の真相

実は「木の根」は地下でつながり栄養を分け合う『森のネットワーク』を持っていた!菌類が仲介する地下の栄養輸送網の真相

  • 2026.6.9
実は「木の根」は地下でつながり栄養を分け合う『森のネットワーク』を持っていた!菌類が仲介する地下通信システムの真相
実は「木の根」は地下でつながり栄養を分け合う『森のネットワーク』を持っていた!菌類が仲介する地下通信システムの真相

木は根と菌類でつながり、地下でネットワークを作っていた

森の木々は、地上でそれぞれ独立して立っているように見えます。

しかし地下では、菌根菌(きんこんきん)と呼ばれる菌類を介して根同士がつながり、栄養をやりとりしているとされています。

京都大学の研究グループと科学技術振興機構の解説をのぞいてみると、この地下ネットワークが森林の姿そのものを左右する仕組みが見えてきました。

菌根菌は樹木の根に共生し、栄養を運ぶ「仲介役」

菌根菌は植物の根の先端に住みつく土壌微生物の一種です。

樹木が光合成で作った糖をもらう代わりに、土壌中の窒素やリンなど樹木が単独では吸収しにくい栄養を提供するとされています。

科学技術振興機構(JST)のサイエンスポータルによると、菌根菌は菌糸(きんし)を根の周囲に張り巡らせて網目状のネットワークを形成し、この菌糸を通じて異なる樹木の根同士がつながるとされています。

いわば地下に広がる「栄養の輸送網」です。

「マツ林はできてもサクラ林ができない」理由が菌にあった

京都大学の門脇浩明特定准教授らの研究グループは、この菌根ネットワークが森林の種の構成にまで影響することを大規模な野外実験で明らかにしました。

研究によると、菌根菌には大きく2種類あり、マツやナラと共生する「外生菌根菌」と、サクラやカエデと共生する「アーバスキュラー菌根菌」では、実生(みしょう)の成長への影響が正反対とされます。

外生菌根菌は同じ樹種の実生の成長を促すため、マツ林が自然にできあがります。

一方アーバスキュラー菌根菌は同種の実生の成長を阻害するため、サクラ林が自然には生まれにくいのです。

どこの野山でもマツ林は見られるのにサクラ林が自然にはできない、その理由が地下の菌根ネットワークにあったわけです。

森を守るには地下の菌を守ることが必要

この研究が示す重要な教訓のひとつが、植林の難しさです。

樹木が失われると、地下の菌根菌ネットワークもすぐには元通りにならないことがさまざまな研究で指摘されています。

土壌環境の悪化が菌根菌ネットワークに影響を与えることもあります。

地面の上の森林を育てるには、地面の下のネットワークを理解することが欠かせないというわけです。

まとめ

樹木は菌根菌を介した地下ネットワークで根同士がつながり、栄養をやりとりしているとされています。

参考

・京都大学「地下の菌類のネットワークが森林の安定と変化の原動力であることを解明
・科学技術振興機構 サイエンスポータル「森林生態系を支える菌根菌ネットワーク

元記事で読む
の記事をもっとみる