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夫の死後に再婚した60代女性→「一緒に過ごせる相手と出会えた」喜んでいたが…翌月、年金事務所から届いた“1通の通知”

  • 2026.5.6
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーとして、老後資金や年金のご相談を数多くお受けしてきた中川です。

夫を亡くされた後の生活を支える遺族年金は、多くのご家庭にとって頼みの綱です。しかし、その年金が思わぬ形で止まってしまうケースを、相談の現場でお見かけすることがあります。

今日は、再婚を機に遺族年金の受給がストップし、老後の生活が大きく変わってしまったケースをご紹介します。

夫を亡くした後、遺族年金で支えてきた生活

60代の女性Aさん(仮名)は、夫を病気で亡くしてから数年が経っていました。

遺族厚生年金として、月13万円ほどを受給していたといいます。

「これに自分のパート収入と少しの貯蓄を合わせれば、老後はなんとか暮らせる」と気持ちを整理して、新しい生活のリズムを少しずつ取り戻してきたAさん。

そんな中、地域の集まりで以前から知り合いだった男性と再会します。互いに伴侶を亡くしていた境遇から自然と会話が増え、支え合う関係に。半年後には再婚を決意しました。「人生の後半を一緒に過ごせる相手と出会えた」と、家族にも喜びをもって報告したといいます。

新しい生活を始める準備に追われる中、年金のことは、頭の片隅にもありませんでした。再婚すれば住まいも生活費も二人で支え合えるようになる、そう前向きに捉えていたのです。

再婚した翌月、年金事務所からの通知に驚く

再婚を届け出た翌月、年金事務所から「遺族年金の受給権消滅のお知らせ」が届きます。「再婚されたため、これまで受給していた遺族厚生年金の受給権が消滅します」と書かれていたのです。Aさんは「これまで毎月入っていたお金が、来月からなくなるのか」と、しばらく書類を見つめたといいます。

実は、遺族年金は受給者が再婚した時点で受給権が消滅する仕組みになっています。届出をしていない事実婚の関係であっても、同じ扱いです。さらに、受給権が一度消滅すると、その後に離婚したとしても遺族年金は復活しません。

Aさんの場合、月13万円ほどの遺族厚生年金が突然止まり、年に直せば150万円を超える金額が消えることになりました。

「夫を亡くした分の支えだと思っていたお金が、再婚で消えてしまうとは知らなかった」と、Aさんは肩を落とします。新しいパートナーの収入と合わせれば暮らしは続けられるものの、想定していた老後の計画は大きく見直しを迫られたのです。

「もう少し早く知っていれば、再婚のタイミングや暮らしの組み立て方も違う形を選べたかもしれません」と、後から振り返って話していたといいます。

再婚を考える前に確認したいこと

遺族年金を受け取っている方が再婚を考える際は、その時点で受給権が消滅することを覚えておきましょう。届出をしていない事実婚の関係であっても扱いは同じで、後から復活させることはできません。「籍を入れていないから大丈夫」と判断するのは危険です。

具体的な金額や手続きの影響は、年金事務所で個別の状況を確認してもらうのが確実です。お住まいの地域の年金事務所で、再婚を予定している旨を相談すれば、その後の収入の見通しを丁寧に教えてもらえます。中高齢寡婦加算など、ご本人の年齢や状況に応じた仕組みもあわせて確認しておくと安心です。

再婚という人生の大きな決断を前に、お金の面でも一度立ち止まって整理する時間を取ってみてください。年金が止まる前提で家計を組み直しておけば、再婚後の暮らしの不安も小さくできます。

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