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1日5時間のパートを辞めた40代主婦→『税金の支払いはなくなる』と思いきや…翌年6月、自治体から届いた“1通の通知”に驚き

  • 2026.5.26
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出典元:photoAC(※画像イメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

「夫の扶養に入ったから、もう自分の税金はかからない」と考える方は少なくありません。しかし、扶養に入ることと、自分自身の税金がすべてゼロになることは同じではありません。

特に見落としやすいのが住民税です。住民税は、基本的に前年の所得をもとに翌年度に課税されます。そのため、退職したあとやパートを辞めたあとに、時間差で納付書が届くことがあります。

今回は、夫の扶養に入った40代女性の事例をもとに、扶養と住民税の関係を整理していきます。

「扶養に入ったから安心」のはずが、翌年に納付書が届いた

事例として、40代のAさん(仮名)を見てみましょう。

Aさんは、夫と高校生の子ども1人と暮らす3人家族です。前年まで、近所のスーパーで週4日、1日5時間のパート勤務をしていました。時給は1,250円です。月収はおよそ10万円から11万円ほどでした。繁忙期には勤務日数が増える月もあり、前年の給与収入は年間で約135万円になりました。

Aさんは、家事や子どもの進学準備に時間を使うため、12月末でパートを退職しました。翌年1月からは夫の勤務先で扶養の手続きを行い、健康保険も夫の扶養に入りました。夫の年収は約620万円です。

Aさんは「もう自分の収入はないし、夫の扶養にも入ったから、税金の支払いはなくなる」と考えていたそうです。

ところが翌年6月、自宅に市区町村から住民税の納付書が届きます。納付額は年間で約3万5,000円でした。
すでにAさんにはパート収入がなく、毎月の家計は夫の給与だけでやりくりしている状態です。

住宅ローンは月9万円、子どもの塾代は月2万5,000円、食費は月8万円ほどかかっていました。そのため、数万円の住民税でも、Aさんは思った以上に負担を感じました。

市区町村に確認したところ、前年のパート収入をもとに住民税が計算されていると説明を受けたそうです。つまり、Aさんが夫の扶養に入ったことと、前年所得に対する住民税が課税されることは、別の話だったのです。

扶養と住民税は同じルールではない

この事例の注意点は、「扶養」という言葉を一つの制度として考えてしまったことです。

一般的に扶養といっても、実際にはいくつかの考え方があります。夫の所得税を計算するときの配偶者控除や配偶者特別控除、健康保険などの社会保険上の扶養、そして本人に住民税がかかるかどうかの判定は、それぞれ別の仕組みです。

夫の扶養に入ったからといって、Aさん本人の住民税が自動的にゼロになるわけではありません。住民税は、基本的に前年の所得をもとに翌年度に課税されます。
つまり、今年働いていなくても、前年に一定の所得があれば、翌年に住民税の納付が残る可能性があります。

退職後や働き方を変えた直後に注意が必要なのは、この時間差です。会社員やパート勤務のときは、給与から住民税が天引きされていることがあります。しかし退職後は、給与天引きができなくなるため、自宅に納付書が届く場合があります。このとき、「扶養に入ったのになぜ」と感じやすくなりますが、原因は前年所得にあります。

また、所得税と住民税では、控除や非課税判定の考え方が完全に同じではありません。夫の所得税で配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる場合でも、本人に住民税が発生することがあります。そのため、「夫の扶養に入ったから大丈夫」とまとめて考えず、何の制度の扶養なのかを分けて確認する必要があります。

社会保険の扶養についても、税金とは別に判断されます。原則として、今後の年間収入見込みが130万円未満かどうか、生計維持関係があるかなどをもとに判断されます。

ただし、年齢や収入の内容、勤務状況によって扱いが変わる場合があります。Aさんのように退職後の収入見込みがない場合、社会保険の扶養に入れる可能性はあります。それでも前年所得に対する住民税まで消えるわけではありません。

FP視点で見る「扶養に入る前後」のお金の確認

扶養に入るときは、「今の収入」だけでなく「前年の収入」も確認しておくことが大切です。住民税は前年所得をもとに計算されるため、退職後や扶養に入ったあとでも納付が残る場合があります。

また、所得税の扶養、社会保険の扶養、住民税の非課税判定は、それぞれ別の制度です。「扶養に入ったから税金はかからない」と考えるのではなく、どの制度の話なのかを分けて考える必要があります。

働き方を変えるときは、翌年の住民税、社会保険の扱い、夫の税金への影響をあわせて確認しておきましょう。住民税の金額は、住んでいる自治体や所得控除の内容によって変わります。

収入が減ったあとに納付書が届くと、家計への負担感は大きくなります。扶養に入る前後は、数万円単位の支払いが残る可能性も見込んで、手元資金を準備しておくと安心です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、日本証券アナリスト協会認定資産形成コンサルタント、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。各種メディアにて金・プラチナ市況の解説を担当。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートします。

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