1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 第2子の育休で、手取りが月13万円減った30代夫婦→「保育料も下がる」と思いきや…自治体から届いた“1通の通知”に唖然

第2子の育休で、手取りが月13万円減った30代夫婦→「保育料も下がる」と思いきや…自治体から届いた“1通の通知”に唖然

  • 2026.5.28
undefined

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

育休や時短勤務で収入が減ると、「保育料も下がるはず」と考える方は少なくありません。

しかし、0〜2歳児クラスの保育料は、今の給料だけで決まるわけではありません。

多くの自治体では、保護者の市区町村民税の所得割額などをもとに、0〜2歳児クラスの保育料を決める仕組みになっています。

そのため、育休で現在の収入が減っていても、すぐに保育料へ反映されないケースがあります。

今回は、30代共働き夫婦の事例をもとに、保育料と住民税の関係を見ていきます。

収入が減ったのに保育料が変わらない理由

Aさん夫婦は、30代の共働き世帯です。

夫は会社員で年収約520万円、妻も会社員で年収約420万円。

世帯年収は約940万円あり、子どもが1歳になったタイミングで認可保育所の利用を始めました。

当初の保育料は月額約4万円。

年間で見ると約48万円の負担です。

夫婦ともにフルタイムで働いていた時期は、保育料の負担は重いものの、家計の中で何とかやりくりできていたそうです。

ところが、その後に妻が第2子の育休へ入ります。

妻の給与は止まり、育児休業給付金を受け取りながら生活することになりました。

育休前は、夫婦合わせた毎月の手取りが約58万円ありました。

しかし、育休後は毎月の手取りが約45万円まで下がり、月13万円ほど収入が減った形です。

住宅ローンは月11万円、食費や日用品で月12万円、通信費や保険料などで月5万円ほどかかっていました。

そこに、上の子の保育料として月4万円が続きます。

Aさん夫婦は、「妻の収入が減ったのだから、保育料も近いうちに下がるのでは」と考えていました。

しかし、自治体から届いた通知を見ると、保育料は月額約4万円のままだったそうです。

家計としては、収入が月13万円減った一方で、保育料の負担は変わりませんでした。

年間で考えると、手取りは約156万円減る一方、保育料は約48万円かかり続けます。

ここでAさん夫婦が見落としていたのが、保育料の算定に使われる住民税です。

0〜2歳児クラスの保育料は、現在の収入そのものではなく、前年などの所得をもとに計算された市区町村民税の所得割額などで決まるケースが一般的です。

つまり、妻が現在は育休中で収入が減っていても、保育料の計算には、育休前に働いていた時期の所得が反映されている場合があります。

その結果、「今の手取りは減っているのに、保育料は思ったほど下がらない」というズレが起きました。

保育料は「今の手取り」だけで見ない

保育料で注意したいのは、今の手取りだけで判断しないことです。

住民税は、原則として前年の所得をもとに計算されます。

そのため、今年の収入が減っていても、前年に働いていた時期の所得をもとにした住民税が、保育料に反映されていることがあります。

また、保育料の判定に使う住民税の年度は、途中で切り替わることがあります。

多くの自治体では、4月から8月分までは前年度の市区町村民税額、9月から翌年3月分までは当年度の市区町村民税額をもとに決まる形です。

そのため、育休に入って収入が減っても、すぐ翌月から保育料が下がるとは限りません。

確認したいのは、勤務先や自治体から届く住民税決定通知書です。

特に、市区町村民税の所得割額が、保育料の階層判定に関係することがあります。

ただし、どの金額を見るかは自治体によって異なります。

また、ふるさと納税や住宅ローン控除にも注意が必要です。

「ふるさと納税をしたから住民税が下がった」「住宅ローン控除で住民税の負担が軽くなった」

このような場合でも、保育料が必ず下がるとは限りません。

自治体によっては、住宅ローン控除やふるさと納税などの税額控除を反映する前の所得割額をもとに、保育料を判定するケースがあるためです。

実際に支払う住民税額と、保育料の計算で使われる税額が同じとは限りません。

さらに、自治体によっては独自の軽減制度や無償化制度を設けている場合もあります。

そのため、保育料を確認するときは、自治体の保育料表や案内を見て、自分の世帯がどの階層に当たるのかを確認することが大切です。

育休中は「保育料の時差」に注意

育休中の家計で大切なのは、収入が減るタイミングと、保育料が変わるタイミングは必ずしも一致しないという点です。

給与が減っても、住宅ローン、家賃、保険料、通信費などの固定費や、保育料のように見直し時期がある支出は、すぐには下がらないことがあります。

特に保育料は、現在の収入ではなく、前年所得をもとにした住民税が関係するため、家計への反映に時間差が出ることがあります。

Aさん夫婦のように、毎月の手取りが約13万円減っても、保育料が月4万円のままであれば、家計への負担感は大きくなります。

育休に入る前後は、現在の保育料が何をもとに決まっているのかを確認しておきましょう。

あわせて、住民税決定通知書の市区町村民税所得割額や、自治体の保育料表も見ておくことが大切です。

「収入が減ったから保育料もすぐ下がる」と考えるのではなく、「どの時期の所得が、いつの保育料に反映されるのか」を見ておく必要があります。

育休中の家計管理では、収入が減る時期と保育料が見直される時期にズレが出る可能性も見込んでおきましょう。


※認可保育所の保育料の階層判定基準や、ふるさと納税・住宅ローン控除の具体的な反映ルール、第2子・第3子以降の多子軽減措置(保育料が半額や無償になる条件)は、お住まいの各市区町村によって異なります。また、世帯の急激な収入減少に対する個別の減免制度が用意されている場合もありますので、育休前後の正確な保育料の見通しを知りたい場合は、自己判断せず、必ず事前にお住まいの役所の「保育課」や「子ども未来課」などの担当窓口へ直接ご相談ください。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

の記事をもっとみる