1. トップ
  2. 「紹介するだけで5万円」“年40万円”荒稼ぎする30代男性→軽い副業のつもりが…失った“代償”は大きかった

「紹介するだけで5万円」“年40万円”荒稼ぎする30代男性→軽い副業のつもりが…失った“代償”は大きかった

  • 2026.4.24
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

クレジットカードやアプリなどで、友人や知人を紹介すると特典やキャッシュバックをもらえるサービスを利用した経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、不動産業界にも同様の仕組みがあります。

物件を探している人や売却を検討している人を不動産会社に紹介し、成約に至ると紹介料が支払われるケースです。人脈を活かして収入につながるため、一見すると効率のよい副収入に映ります。

しかし、不動産のように金額が大きく、人生に与える影響も大きい分野では、軽い気持ちの一言が思わぬ代償につながるケースも少なくありません。

今日は「紹介するだけで5万円」という話に乗った結果、会社に副業が発覚し、信用と人間関係を失ってしまった方の実例を紹介します。

軽い気持ちで始めた「紹介だけの副収入」

今回のケースは、中小企業に勤める30代男性Aさんの話です。出来事は、今から3年ほど前にさかのぼります。ある日、不動産会社に勤めるAさんの知人から、こんな声をかけられました。

「もし家を探している人がいたら紹介してよ。契約になったら5万円出すから」

Aさんは最初、「本当にそんなうまい話があるのか」と半信半疑でした。ただ、「紹介するだけなら自分に責任はないだろう」と考え、軽い気持ちで引き受けます。

ほどなくして、友人の一人が賃貸物件を探していたため、その知人に紹介。内見(実際に物件の中を見て確認すること)を経て、そのまま契約が成立しました。

後日、口座に5万円が振り込まれたのを見て、Aさんは思わずこう感じます。

「え、こんな簡単でいいのか…?」

手間はほとんどかかっていないのに、まとまったお金が入る。その感覚が、次の行動を後押ししてしまいました。

この“成功体験”が、後に取り返しのつかない事態へとつながっていきます。

気づけば数十万円…広がっていく紹介と収入

最初の成功以降、Aさんの行動は少しずつ変わっていきます。会社の人や友人との何気ない会話の中で「引越し考えてる人いない?」と自然に話題に出すようになり、紹介の機会は徐々に増えていきました。

1件5万円の紹介料。5件で25万円、さらに追加で数件。気づけば、年間の副収入は約40万円に到達。

「これは、ちょっとした副業になるな」

この時点でAさんの頭の中にあったのは「稼げる」という感覚だけでした。本来であれば確認しておくべき次のようなポイントを、一切気にしていなかったのです。

  • 会社の副業規定
  • 税務上のルール
  • 紹介者としての責任

なかでも大きな落とし穴となったのが「税金」の問題でした。

確定申告から発覚…会社に知られた副収入

会社員など給与所得者の場合、副業による所得が年間20万円を超えた場合、原則として税務署への確定申告が必要になります(20万円以下でも住民税の申告は必要)。Aさんも知人から指摘を受け、遅れて申告を行いました。ここまでは、まだ取り返しがつく段階でした。問題は、その後に起こります。

確定申告の内容は住民税に反映されます。会社員は住民税が給与から天引きされるため、手続き次第ではその金額が会社側に通知される仕組みになっています。ある日、Aさんは上司から突然呼び出されました。

「Aさん、住民税の額が急に増えているけど副業しているの?」

予想もしていなかった問いに、Aさんは言葉に詰まります。ごまかすこともできず、紹介による収入があったことを正直に説明しました。その結果、会社の就業規則に違反していると判断され、厳重注意。

さらに人事評価にも影響し、社内での立場は一気に厳しくなっていきました。「バレないだろう」という軽い認識が、現実として突きつけられた瞬間でした。

信用の低下と人間関係の悪化…失ったものの方が大きかった

問題は社内の処分だけでは終わりませんでした。同僚の中には、Aさんから紹介を受けた人もいます。

「実は紹介料もらってたの?」
「最初からそういうつもりだったのか…」

そんな声が少しずつ広がり、職場の空気は確実に変わっていきました。これまで普通に交わしていた会話もどこかぎこちなくなり、人間関係に目に見えない距離が生まれていきます。

結果として、Aさんが得た副収入は約40万円。

一方で失ったものはどれも金額では測れない「信用」そのものでした。

  • 社内評価の低下(昇進機会の喪失)
  • 同僚との信頼関係
  • 職場での居心地

後日、Aさんは落ち込んだ様子で、ぽつりとこう話しました。

「たった数十万円のために、ここまで失うものが大きいとは思いませんでした」

軽い副収入のつもりが、キャリアを崩すリスクになる

紹介による副収入自体は、必ずしも違法になるものではありません。ただし、不動産のように取引金額が大きい分野では、その影響も比例して大きくなります。

特に注意したいポイントは次の3つです。

  • 副業が会社規定で禁止されていないか事前に確認する
  • 年間20万円を超える場合は確定申告が必要になる
  • 住民税の変動により会社に知られる可能性がある

さらに見落とされがちなのが、人間関係への影響です。「いい物件だよ」と何気なく伝えた一言が、後から責任を問われるきっかけになるケースもあります。

副収入は確かに魅力的です。

一方で、不動産の紹介は“お金の話”と“人生の選択”が密接に絡む行為でもあります。

目先の数万円を優先するのか、これまで積み上げてきた信用やキャリアを守るのか。判断を誤ると、取り返しのつかない結果につながる可能性もあります。

後悔しないためにも、リスクまで含めて冷静に見極めることが重要です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる