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「車は停められたのに…」新居の駐車場で大失敗!30代男性が見落とした“落とし穴”【一級建築士は見た】

  • 2026.4.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「駐車場はちゃんと取ったはずだったんです。なのに、住み始めたら運転席のドアが思うように開かなくて……」

そう語るのは、地元の工務店で注文住宅を建てたEさん(30代男性・夫婦+子ども1人の3人暮らし)です。

車での通勤や買い物が多く、駐車場の広さはしっかり確認したつもりでした。敷地条件も限られていたため、建物と駐車スペースの配置はかなり丁寧に検討したといいます。

車は停められたのに、毎日の使い勝手が想像と違った

ところが、実際に住み始めると、思わぬ不便がありました。建物の外壁沿いに設置したエアコンの室外機が想像以上に張り出し、運転席側のドアが十分に開かなくなってしまったのです。結果、毎日のように車の後方(バックドア)から出入りする生活になってしまいました。

その後、対策として室外機を壁掛けに変更し、車よりも上の位置に持ち上げる追加工事を行いました。これによって、運転席側のスペースが確保され、出入りのしづらさは改善したそうです。

ただし、この変更には約5万円の追加工事費がかかりました。

「車が停められる」と「毎日使いやすい」は別問題

駐車場の計画では、「車が入るかどうか」を優先して考えがちです。もちろん、それは大前提として大切です。ただ、実際の使いやすさを左右するのは、停めた後の動きです。

  • 荷物を持って無理なく乗り降りできるか
  • 雨の日でも慌てず出入りできるか
  • 子どもを乗せ降ろししやすいか

つまり、駐車場は「停める場所」であると同時に、「人が乗り降りする場所」でもあります。ここを見落とすと、図面上は成立していても、暮らし始めてから不便を感じやすくなります。

室外機や配管の張り出しは計画時に見落とされやすい

今回の誤算の原因は、車の大きさそのものではなく、室外機の存在でした。計画時の図面上では駐車スペースが確保されていても、実際には外壁に室外機や配管、給湯器、メーター類などが付くことがあります。

こうした設備は、一つひとつを見ると大きく感じにくいのですが、車の横に来ると話が変わります。数十cmの張り出しでも、ドアの開き方や人の通る幅には大きく影響するからです。

特に敷地に余裕が少ない住宅では、「車が入る寸法」を優先した結果、乗り降りのための余白が後回しになりやすい傾向があります。今回のように、あとから室外機の位置を見直して改善できる場合もありますが、追加工事費が発生することもあるため、できれば計画段階で確認しておきたいところです。

駐車場は“寸法”ではなく“使い方”で考えることが大切

もちろん、限られた敷地の中で駐車場を確保するのは簡単ではありません。建物の大きさ、庭、自転車置き場、アプローチなど、優先したいことはたくさんあります。

ただ、毎日車を使う家庭にとって、駐車場はただの余白ではありません。暮らしの一部です。

だからこそ、車両寸法だけでなく、室外機や給湯器などの設備の位置、ドアの開き方、人の動線まで含めて確認してしっかり検討することが大切です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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