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「65歳を超えたら賃貸は借りられない」は本当か?高齢者の賃貸審査が厳しくなる「本当の理由」

  • 2026.6.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の現場経験を持ち、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。SNSを見ていると「定年後は賃貸が借りられない」「高齢者は入居審査で落ちる」といった言葉が話題になることがあります。

持ち家がない方にとって、こうした話題は将来への不安を大きくさせるのではないでしょうか。実際には全く借りられないわけではなく、いくつかの条件が重なると一気に審査の壁が高くなるというのが実態です。

今回は、定年退職後に部屋探しで苦労された方のエピソードを紹介し、オーナーの懸念とシニア向けの選択肢について解説します。

高齢と単身の壁に直面した定年後の部屋探し

65歳で定年退職を迎えた単身のDさんは、月額約20万円の年金を頼りに都内で新しい賃貸物件を探し始めました。子どもたちは遠方に住んでおり、身近に緊急連絡先となってくれる近親者がいない状況です。

不動産会社で内見まではスムーズに進んだものの、いざ申し込みになると「オーナーさんの意向で」「保証会社の審査が通らなくて」と、異なる物件で立て続けに断られてしまったのです。安定した年金収入があっても、高齢で単身、そして「緊急連絡先を頼める相手がいない」といった条件が重なると、審査の目は厳しくなります。

Dさんは「家賃を払うお金はあるのに、なんで年齢だけで断られるんだ!」と強い憤りを感じていました。最終的に契約できたのは、UR都市機構の賃貸住宅です。月額家賃の100倍以上の預貯金があれば収入要件を満たさなくても申し込み可能な、貯蓄基準制度(残高証明書などで基準額を確認する制度)を活用し、無事に部屋を確保できました。

審査が厳しくなる背景とシニア向けの解決策

オーナーが入居審査で慎重になる本当の理由は、孤独死の心配だけではありません。認知機能の低下によるボヤやゴミの堆積といった近隣トラブルに加えて、万が一の際の残置物処理(室内に残された家財道具の処分)に関わる法的なハードルを恐れているからです。

相続人が放棄したり連絡がつかなかったりすると、長期間にわたって部屋が使えなくなってしまいます。こうした背景を理解すると、高齢期の部屋探しでは、UR賃貸住宅が有力な選択肢となるでしょう。

年齢制限や保証人が不要で、1年から10年分の家賃を前払いする一時払い制度を利用すれば、収入要件を満たせなくても入居できます。ほかにも見守りサービスの加入を条件とする一般賃貸や、サービス付き高齢者向け住宅(安否確認などの生活支援が付いた賃貸住宅)など、年齢を理由に断られにくいカテゴリを探すのが現実的な対応策となります。

審査のハードルが上がる前に検討したい住み替え

「老後になってから家賃の安い部屋へ引っ越せばいい」という計画を立てている方は、少なくありません。しかし収入が年金のみになり、社会的信用が低下する時期は、入居審査のハードルが急激に上がるタイミングと重なります。65歳以上で単身となり、さらに緊急連絡先が確保しづらい状況になると、一般の賃貸物件を借りる難易度は想像以上に高くなってしまうのです。

そのため、現役で働いており、一定の収入と社会的信用が認められるうちに、長く住み続けられる賃貸物件へ引っ越しておく選択肢も視野に入れてみてください。定年前であれば一般賃貸でも審査に通りやすく、希望するエリアや間取りの物件を見つけやすくなるでしょう。将来の住まいに対する不安を和らげるためにも、選択肢が多いうちに早めに行動を起こすことをおすすめします。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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