1. トップ
  2. 住まい
  3. ガレージ付き3LDKを購入した30代夫婦「車好きの夢でした」→入居して半年、GWに感じた“誤算”【一級建築士は見た】

ガレージ付き3LDKを購入した30代夫婦「車好きの夢でした」→入居して半年、GWに感じた“誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.6.1
undefined
出典:PIXTA(※画像はイメージです)

「車好きの夢でした。ガレージから直接家に入れる動線にも憧れていて」

そう話すのは、都内近郊に注文住宅(延床38坪・3LDK+ガレージ)を約6,800万円で建てたAさん(30代夫婦・子ども1人)です。1階部分にビルトインガレージを組み込み、2階を主な居住スペースとする設計を選びました。

ところが入居して半年。GWに家族で出かけようとした際、日々の車の出し入れにストレスを感じていることに改めて気づきました。「憧れていた動線が、今では出かけるハードルになっています」と振り返ります。

ビルトインガレージは「広さ」だけでは決まらない

ビルトインガレージで重要なのは、車が収まるかどうかだけではありません。出入りのしやすさは、敷地の形状や前面道路との関係に大きく左右されます。

前面道路の幅が4m程度(建築基準法上、原則として必要な最低限の幅)の場合、車を出すときに切り返しが何回も必要になります。Aさんの自宅前の道路も幅4mの私道で、出庫時に2〜3回の切り返しが必要だったといいます。

加えて、ガレージの天井高や奥行きも見落とされやすいポイントです。シャッターの厚みや梁の出っ張りで実際の有効高さが下がり、ルーフキャリアを付けた車が入らないといった問題が起こります。

「家とガレージをつなぐ動線」の盲点

ビルトインガレージの魅力は、雨の日も濡れずに家と車を行き来できる動線にあります。ところが、設計次第ではうまく機能しません。

Aさんの家では、ガレージから玄関ホールへの通路が約80cm幅。買い物の荷物を抱えていると窮屈で、子どもを抱っこしたまま通り抜けるのも一苦労でした。設計図の段階では「ドアがある」だけで満足しがちですが、実際の使い勝手は通路全体の設計で決まるのです。

Aさん夫婦はどう対応したのか

Aさん夫婦は、建物そのものに手を入れるのは難しいため、暮らし方の見直しで対応することにしました。

通路の窮屈さについては、買い物の荷物を一度に運ぶのをやめ、複数回に分けて運ぶようにルール化。子どもを抱っこしての通り抜けが必要な場面では、先に荷物だけを運んでから子どもを連れて移動するなど、手順を分ける工夫を取り入れました。

道路への出庫については、出庫前に同乗者が一度降りて誘導するという家族のルールを設けました。「最初から『家族の移動』まで設計士に具体的に伝えておけば、こうした不便はもっと減らせたはず」とAさんは振り返ります。

「ビルトインガレージ」が合う人もいる

ビルトインガレージは、車好きの人、雨や雪の日に屋外まで歩きたくない人、防犯面で愛車を建物内に収納したい人にとっては大きな満足度をもたらします。広い前面道路に面した敷地で、車のサイズに余裕のある設計ができれば、デメリットはほとんど感じません。

注文住宅でビルトインガレージを検討する際は、前面道路の幅と切り返しの可否、ガレージの有効寸法、室内への通路幅まで含めて確認しておくこと。設計士には「車を停めたい」だけでなく、「家族みんなが、雨の日も子連れでもストレスなく出し入れしたい」というレベルで具体的な要望を伝えることが、後悔のないガレージづくりにつながります。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる