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カーポート25万円を後付け設置も「まさか苦労するなんて」4LDK入居後、GWに痛感した30代夫婦の誤算【一級建築士は見た】

  • 2026.6.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「屋根があれば便利になるはずだったのに、まさか柱で苦労するなんて思いませんでした」

そう話すのは、都内近郊の建売住宅(延床30坪・4LDK)を約5,200万円で購入したCさん(30代夫婦・子ども1人)です。入居後、片側支持タイプ(片流れタイプ)のカーポートを約25万円で後付けで設置しました。雨の日でも濡れずに乗り降りできるはずでしたが、入居後すぐに「柱の位置」が思わぬストレスになっていることに気づいたといいます。

GWに荷物を抱えて出かけようとした際、運転席のドアを開けようとしたら柱に当たってフルに開けられず、子どもをチャイルドシートに乗せる作業にも苦労。「屋根のことばかり考えていて、柱の位置のことなんて頭になかった」と振り返ります。

カーポートの「柱」は意外と邪魔になる

カーポートには、屋根を支えるための柱が必要です。1台用では、片側だけに柱を立てる「片側支持タイプ(片流れタイプ)」が主流で、柱2本のシンプルな構造です。

しかし、たとえ片側にしか柱がなくても、車のサイズと駐車位置によっては、ドアを開けたときに柱が邪魔になることがあります。Cさんのカーポートでは、運転席側のドアを開けると柱と当たって30度ほどしか開かず、子どもをチャイルドシートに乗せ降ろしする後部ドアも、柱との距離が30cmほどしかなく窮屈だったといいます。

ちなみに2台分の屋根を支える場合は、左右両側に2本ずつ計4本の柱を立てる「両側支持タイプ」が広く採用されます。柱の本数が増える分だけ、ドア開閉時に柱と干渉する位置が増えるため、乗り降りの注意点も多くなります。

カーポートの「柱の本数」と強度・コストの関係

カーポートは柱の本数によって、いくつかのタイプに分けられます。

片側支持タイプ(柱2本)は、片側だけに柱を立てる構造です。乗り降りする側がオープンになるため使いやすく、施工費も比較的抑えられます。ただし、構造的には両側支持タイプより弱く、強風や積雪への耐性が劣ります。豪雪地帯や台風の多い地域では、メーカー側で採用を推奨していないこともあります。

両側支持タイプ(柱4本)は、左右両側に2本ずつ柱が立つ構造で、2台分の屋根もしっかり支えられる安定感が特徴です。一方で、柱の本数が多い分、部材が増え、基礎工事の数も増えるため、設置コストはそれだけ高くなる傾向があります。さらに豪雪地域などでは、6本柱や8本柱のタイプが使われることもあり、強度が増す代わりにコストもさらに上がります。

「乗り降りしやすさ」と「強度・コスト」のバランスをどう取るかは、設置場所の気象条件や予算によって判断が分かれるところです。

Cさん夫婦はどう対応したのか

柱の不便さに直面したCさん夫婦は、すぐに対応を進めました。

まず、駐車位置を見直し、運転席側に少しでも余裕ができるよう、車を少し助手席側に寄せて停める習慣にしました。家族全員が同じ位置に停められるよう、駐車スペースの奥に車止めブロックを設置(約1万円)。停車位置がブロックで一定になり、毎回同じ場所に車を寄せやすくなったといいます。

「カーポートを選ぶときに、屋根の形だけでなく、柱の位置をシミュレーションすればよかった」とCさんは振り返ります。

カーポート選びは「柱の位置」までシミュレーションを

建売住宅や注文住宅で後付けのカーポートを検討する際は、屋根の大きさや素材だけでなく、柱の位置と車の乗り降りの動線まで確認しておきたいところです。

・自分の車のドアを最大限開いたときの幅
・チャイルドシートやベビーカー使用時の必要スペース
・運転席・助手席の両側で柱と干渉しないか
・両側支持タイプか片側支持タイプか
・地域の気象条件(強風・積雪)と耐久性のバランス

「カーポート」が合う人もいる

ここまで柱の問題を中心に紹介してきましたが、カーポートは多くの家庭にとって大きなメリットがあります。

ガレージを建てるほどの予算がない人、雨や日差しから車を守りたい人にとっては、20万〜50万円程度で気軽に設置できるカーポートは魅力的な選択肢です。柱の位置を事前にシミュレーションし、自分の車のサイズに合った設計を選べば、長く快適に使えます。

「屋根さえあれば」と思い込まず、車を降りた瞬間からの動きまで含めて選ぶこと。それが、カーポートで後悔しない第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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