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「駐車2台可」を信じて買った建売住宅→大型SUVに替えたら…30代夫婦の末路【一級建築士は見た】

  • 2026.5.29
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

「『駐車2台可』と書いてあったので、当然2台分の余裕があると思ってたんです。実際に大型のSUVを停めてみたら、運転席のドアが半分しか開かなくて…」

そう話すのは、都内近郊の新築建売住宅(延床32坪・4LDK)を約5,600万円で購入したAさん(30代夫婦・子ども1人)です。物件選びの決め手のひとつが「駐車場2台分」の表記でした。

入居時はコンパクトカー1台のみ。GWの帰省で両親から大型SUVを譲り受け、いざ並べて駐車してみたところ、車と車の間隔がほとんど取れず、運転席のドアが家側の塀に当たって開けにくい状態に。「設計図には『2台駐車可』と書いてあったのに、これでは片方の車を前に出さないと乗り降りできません」と振り返ります。

「2台駐車可」の落とし穴

販売資料に書かれている「駐車2台可」「カースペース2台分」という表記は、車を物理的に2台並べられることを示しているに過ぎません。乗り降りに必要なドアの開閉スペースや、隣の車との間隔までを保証するものではないのです。

住宅用駐車場には法令上の寸法基準はありませんが、住宅業界では普通自動車1台あたり幅2.5m×長さ5.0m程度が、ゆとりをもって駐車できる目安とされています。しかし、建売住宅では敷地を有効活用するため、2台並列の駐車場でも全幅が4.5m程度しかないケースがあります。これだと車1台あたり2.25m幅となり、横にもう1台車を停めたり、ドアを大きく開けたりする余裕はほとんどありません。

近年、人気の大型SUVやミニバンは車幅1.85m前後あります。これを2台並べると、両側にわずか30〜40cmずつの隙間しか残らない計算です。塀のすぐ脇に駐車すると、ドアを30度しか開けられず、子どもの乗せ降ろしに苦労します。

Aさん夫婦はどう対応したのか

駐車場の使い勝手の悪さに直面したAさん夫婦は、複数の対策を検討しました。

まず、家側の塀の一部(駐車スペース側の約2m分)を撤去して、ドアを開ける余裕を確保。費用は約20万円かかりました。さらに、車の駐車位置をテープで床に明示し、家族全員が同じ位置に停められるよう習慣化したといいます。

「『2台分』という言葉に安心して、実際にドアを開けたときの幅まで考えていなかった。最初から自分たちの車を当てはめてシミュレーションしておけば、塀の撤去費用は必要なかった」とAさんは振り返ります。

駐車場は「車種」と「動き」で見る

建売住宅や注文住宅を検討する際、駐車場は内見時に意外と見落とされやすいポイントです。とくに車を日常的に使う家庭では、以下の点を確認しておきたいところです。

・駐車スペースの「幅」と「奥行」の実寸:図面ではなく現地でメジャーを当てて確認
・自分の車(あるいは将来検討する車)の車幅・車長との比較 ・塀・フェンス・建物までの距離(ドア開閉に必要な有効幅)

「駐車場2台分」という表記の中身を、自分の車種・使い方に当てはめて確認すること。それが、入居後の駐車ストレスを防ぐ第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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