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築12年120戸マンションで「不公平だ!」駐車場40区画のうち、5区画をめぐり…30代居住者達が悲鳴をあげたワケ

  • 2026.6.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験を持つ、マンション管理士のS.Kです。マンションの駐車場は、抽選で割り当てられるのが一般的です。

しかし同じ月額料金を払っているにもかかわらず、柱が近い区画や隣との距離が狭い区画など、使い勝手に大きな差が生じるケースは少なくありません。

今回は、使い勝手の悪い区画に当たったことへの不公平感から、一部の居住者が値下げや再抽選を求めたトラブル事例と、その解決に向けた議論のエピソードを紹介します。

柱が邪魔でドアが開かない居住者の不満

築12年で総戸数約120戸のマンションにおいて、平置き駐車場40区画のうち、柱が近い5区画の居住者から不満の声が上がり始めました。30代後半のEさんは「ドアが半分も開かなくて、子どもの乗り降りが大変なんだ!」と訴えてきたのです。

「同じ料金なのに不公平だ」という声が、管理会社にも複数寄せられるようになりました。マンションの駐車場は専用使用権(特定の人が独占して使える権利)のある共用部分です。料金は立地や使い勝手に応じて区画ごとに差をつける物件が多いのですが、このマンションでは全区画が一律でした。そのため、停めにくい区画の居住者から、料金の見直しを求める声が出てきたのです。

値下げと再抽選を阻む既得権益と車庫証明の壁

居住者の希望に応じて管理会社が提案書を取りまとめ、理事会で議論が交わされました。まず検討されたのは使い勝手の悪い区画を値下げする案です。しかし不便な区画を値下げすれば管理組合の全体収入が減り、修繕積立金への充当額に悪影響を及ぼします。

不足分を補うため利便性の高い区画を値上げする案も、現在の利用者の反発が見込まれることから見送られました。次に数年ごとに区画を再抽選する案も出ましたが、こちらにも高い壁が立ち塞がります。エントランスに近く停めやすい区画を使う居住者からは「せっかく良い場所に当たったのに、また抽選なんて困る」と反対意見が出ました。

さらに区画が変わるたびに車庫証明の申請書類(保管場所使用承諾証明書など)の取り直しが必要となり、警察署への届出の手間や、数千円の手数料を誰が負担するのかという問題で紛糾したのです。

優先繰り上げ制の導入と購入前の確認事項

最終的に再抽選案も、値下げ案も完全な合意には至りませんでした。妥協点として、不便な区画の居住者が優先して空き区画へ移動できる優先繰り上げ制を導入する形で決着したのです。完全な不公平解消には至らないものの、不便を抱える居住者の救済ルートが整備されました。

マンションの駐車場は、一度ルールが決まると簡単には変えられません。だからこそ、購入前に駐車場をよく確認しておくと安心です。新築なら、契約前に区画の図面や規約で料金体系と入れ替えルールを確認できます。中古なら、仲介会社を通じて重要事項調査報告書(管理組合の運営状況などをまとめた書類)を取り寄せ、定期入れ替えの有無や料金の設定を把握できます。

可能であれば実車で出し入れを試し、ドアの開閉スペースや切り返しのしやすさも見ておくとよいでしょう。毎日使う駐車場の使い勝手は、暮らしの満足度に直結します。物件の価格や間取りだけでなく、駐車場の運用にも注目してみてください。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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