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築50年団地の最上階を購入も「かなりお金が飛んだ…」梅雨入り直後、40代夫婦を襲った“誤算”

  • 2026.6.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

共同住宅における代表的な悩みの一つが「騒音問題」です。特に上階からの足音や生活音にストレスを感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。

そのため「上階騒音を避けたい」「戸建て感覚で静かに暮らしたい」などという理由から、最上階住戸を希望されるお客様を、これまで数多く見てきました。

特に築古団地では、室内だけを綺麗にリノベーションした物件も増えており、一見すると「価格以上にお得」に見えるケースも少なくありません。

しかし実際には、“部屋の中”だけを見て購入すると、大きな落とし穴にはまることがあります。

今日は、築50年団地の最上階を購入した40代夫婦が、梅雨入り直後に天井からの雨漏り被害へ直面した実例をご紹介します。

「最上階なら静かに暮らせる」と信じて購入した40代夫婦

40代前半のAさん夫婦は小学生の子ども1人との3人暮らしで、以前は賃貸マンションへ住んでいました。しかし、上階の足音トラブルに長年悩まされていたそうです。

特に深夜の生活音が大きなストレスだったようで、ご主人は内見時にこう話していました。

「もう上の音に悩まされる生活だけは嫌なんです」
「最上階なら、戸建てみたいに静かに暮らせますよね」

購入したのは、築50年の大型団地最上階住戸でした。室内はフルリノベーション済み。白基調の内装へ変更され、水回りも新品交換済みでした。

さらに「最上階」「南向き」「眺望良好」という条件もそろっており、ご主人はかなり気に入っていた様子でした。

ただ、当時から私は少し気になっていた点がありました。それは、共用部分(住民全員で所有する廊下・屋上・外壁など)の劣化状況です。

特に最上階は、屋上防水(雨水侵入を防ぐ防水工事)の状態によって、住み心地が大きく変わるケースがあります。

しかしAさん夫婦は「室内が綺麗だから大丈夫だろう」という安心感のほうが強かったのです。

梅雨入り直後、寝室天井に“茶色い染み”が浮かび上がった

異変が起きたのは、入居から約2ヶ月後でした。ちょうど梅雨入り直後の時期です。連日の大雨が続いたある朝、奥様が寝室天井に小さな茶色い染みを見つけました。

最初は「以前の汚れかな?」程度に考えていたそうです。

しかし数日後、染みは明らかに広がっていきました。さらに、天井クロス(壁紙)も浮き始め、部屋には湿った臭いまで出始めたのです。慌てて管理会社へ連絡し、調査が行われました。

すると原因は、屋上防水の劣化でした。

なお今回は、個人間売買で「契約不適合責任免責(売主が不具合責任を負わない契約)」の特約が契約書へ明記されていたため、売主へ修繕費用を請求できず、自腹負担となりました。

“管理組合が直してくれる”はずが、自腹負担になった理由

本来、屋上防水の劣化が原因で専有部分(自分の部屋)へ雨漏り被害が発生した場合、管理組合側で補償対応するケースもあります。

しかしAさん夫婦の場合、それが極めて難しい状況でした。

理由は主に3つです。

まず1つ目は、管理組合がほぼ機能不全状態だったことです。

築古団地では高齢化が進み、理事のなり手不足や総会参加率低下、修繕反対住民の増加などによって、修繕判断そのものが進まないケースがあります。実際、この団地でも「年金生活だから修繕費値上げは無理」という反対意見が強く、大規模修繕が何年も延期されていました。

2つ目は、保険対応が不十分だったことです。

団地側の保険内容を確認すると、漏水被害について補償される範囲が狭く、家具や内装の一部は対象外でした。

さらに3つ目が、“立証の難しさ”でした。

管理組合側からは「本当に今回の漏水が原因なのか」「以前からの汚れではないか」という指摘まで入り、話し合いは長期化。

結果としてAさん夫婦は、以下の費用をいったん自己負担する形になったのです。

  • 寝室天井補修
  • クロス全面張替え
  • ベッド買い替え
  • 除湿機購入
  • 一時的なホテル避難費用

ご主人は「安く買えたと思ったのに、結局かなりお金が飛んだ…」と肩を落としていました。

築古団地は建物全体を見る必要がある

築古団地は、室内が綺麗だから安心とは限りません。

特に最上階住戸では、屋上の防水状態によって住み心地や修繕リスクが大きく変わるため、内見時に天井や壁へ雨染み跡がある場合は「過去に修繕済みなのか」「現在も雨漏りが進行しているのか」まで確認する必要があります。

築古物件では、専有部分(自分の部屋)だけ綺麗にリノベーションされて販売されるケースも珍しくありません。

しかし実際には、屋上や外壁、給排水管やエレベーターなど、“建物全体”の維持管理状況こそが、将来の負担へ大きく影響します。

「最上階だから静かで快適」
「リノベ済みだから安心」

そう思って購入した住まいが、数十万円単位の修繕負担や、長期的な生活ストレスにつながるケースも、現場では決して珍しくありません。

築古団地を購入する際は、“部屋の綺麗さ”だけで判断するのではなく、“建物全体を今後も維持できる状態なのか”まで確認する視点を、ぜひ忘れないでいただきたいと思います。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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