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「食事中はテレビを見ない」を間取りに反映しすぎた結果…キッチンに立つ人だけが陥った落とし穴

  • 2026.4.25
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

「食事中はテレビを消して、家族の会話を大切にしたい」と考えるご家族は少なくありません。その考え自体はすばらしいことで、実際に食卓での会話が増えたという声も多いです。

しかし、新築時にこのポリシーを「間取り」に反映しすぎると、思わぬ落とし穴にはまることがあります

たとえば、テレビをダイニングから見えない位置に配置するケース。一見理想的に思えますが、実際に暮らしてみると別の問題が浮かび上がってくるのです。

食事中の会話は増えたけれど…

知人のご家庭では、「食事中はテレビを見ない」という方針のもと、「リビング」と「ダイニング・キッチン」を少しずらして、ダイニング側からテレビが見えない間取りにしました。

入居当初は「この間取りにしてよかった」と満足していたそうです。しかし、しばらく暮らすうちに、食後の片付けをしている人が「蚊帳の外」に置かれていると不満を感じるように…。

家族がリビングでテレビを見て盛り上がっていても、ダイニング・キッチンからはテレビ画面がほとんど見えません。食事中の会話と引き換えに、食後の一体感が失われてしまいました。

その結果、自分だけ別の部屋にいるような感覚になり、片付けの時間が味気ないものに変わっていったそうです。

キッチンからもテレビが見えなくなっていませんか?

このエピソードのように、ダイニングからテレビが見えない間取りにすると、キッチンからもテレビが見えなくなってしまうケースがあります。

すると、家族がリビングでくつろいでいるとき、後片付けをしている人だけがその輪に入れなくなってしまいます。

テレビの音声は聞こえても映像が見えない、家族の笑い声は聞こえても何がおもしろいのかわからない。そんな状況が毎日繰り返されれば、家事の負担に加えて疎外感が生まれかねません。

「家族の会話を大切にしたい」という本来の目的に反して、家族の距離がかえって遠くなってしまう皮肉な結果を招くことがあるのです。

間取りで「見えなくする」より、運用で「つけない」

食事中のテレビを避けたいなら、間取りで「見えなくする」のではなく、運用ルールで対応するのもひとつの方法です。

LDKを一体感のある空間にして「食事中はつけない」と決めておけば、十分効果が得られます。また、食後の片付けをしている家族も、リビングの会話やテレビに自然に参加できます。

子どもが成長すると食卓での会話が減り、テレビが家族の会話をつないでくれるケースもあるでしょう。

間取りは、一度つくると気軽に変更できません。一方で「つける・つけない」のルールは、ライフステージの変化に応じていつでも柔軟に変えられます。

もちろん、ルールだけでは難しいと感じるご家庭もあるかもしれません。

その場合は、「ダイニングからは見えにくいが、キッチンからは見える配置」を検討するなど、完全に遮断しない工夫も選択肢のひとつです。

「変えられない間取り」より「変えられるルール」で対応しよう

「食事中はテレビを見ない」という方針は、家族の会話を育むとても大切な考え方です。

ただし、それを間取りに過度に落とし込むと、「キッチンに立つ人の疎外感」といった別の問題が生まれるリスクがあります。

間取りは「変えられないもの」。暮らしのルールは「変えられるもの」。

家庭のポリシーを間取りに反映する際は、「状況が変わったとき柔軟に対応できるか?」と一度立ち止まって考えてみてください。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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