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「近くの物件はもっと安いですよね?」の一言で家賃2,000円減額…実は通る交渉には“共通点”があった

  • 2026.4.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

部屋探しをしていると「この物件、ちょっと高い気がするな…」と感じた経験はないでしょうか。とはいえ「値下げをお願いするのは気まずい」「嫌な顔をされそう」と思い、そのまま契約してしまう方も少なくありません。

しかし、この遠慮が後になって数十万円の差になることもあります。

今日は「近くの物件はもっと安いですよね?」という一言で家賃2,000円の減額に成功したケースと、逆に“何も言えなかったことで損をした人”のリアルな話をお伝えします。

相場を知らずに契約したAさん…2年で約5万円の差に

今から3年ほど前、私が担当した30代前半の会社員Aさんの話です。転勤をきっかけに、都市部で賃貸物件を探していました。内見した中で気に入ったのは、駅徒歩7分・築15年・1LDKの物件。家賃は88,000円でした。

Aさんは「ちょっと高い気がしますね…」と口にしましたが、そのままこう続けました。

「でも、このくらいが普通ですよね?」

私は内心、「相場よりやや高いな」と感じていましたが、Aさんは特に調べることなく、そのまま申込みへ進みました。ところが、契約後に同じマンション内で別の部屋が86,000円で募集されているのを発見。

「え、2,000円違うじゃないですか…」と、かなり落ち込んでいました。

たかが2,000円と思うかもしれませんが、2年住むと以下のような差になります。

  • 年間:24,000円
  • 2年:48,000円

5万円近くを、“何もせずに失った”計算です。しかも賃貸の場合、この差額は資産として残ることはありません。気づかないまま払い続け、最後には何も残らない支出になってしまいます。

Bさんは「一言」で変えた…家賃2,000円減額の裏側

一方で、同じ時期に対応したBさんも、似た条件の物件を検討していました。駅徒歩8分・築18年・1LDK、家賃は90,000円です。

内見後、Bさんはこう話しました。

「近くの物件、もう少し安いですよね?」

強く値下げを求めるのではなく、あくまで事実確認のトーンです。さらに、「同じくらいの広さで87,000円の物件もありました」と、具体的な比較情報も提示していました。

その場では回答を保留し、後日オーナーへ確認。すると、「早く決めてもらえるなら下げてもいい」という返答があり、結果として家賃2,000円の減額が成立しました。

実はこの物件、約2ヶ月空室が続いていた状況です。オーナーとしても、“多少下げてでも早期契約を優先したい”タイミングでした。

つまり今回の交渉は、単なる値下げではなく、条件とタイミングが合致した結果といえます。

「通る交渉」と「通らない交渉」の決定的な違い

現場で見ていると、家賃交渉は運ではなく“条件”で決まります。Bさんのように通るケースには、共通点があります。

  • 事前に相場を調べている
  • 比較対象を具体的に提示できる
  • 現実的な金額で話している

一方で、通らないケースは次のとおりです。

  • 「もう少し安くなりませんか?」と根拠がない
  • 新築・築浅物件
  • 人気エリアで申込みが複数入っている

以前、別のお客様がこう話しました。

「なんとなく高い気がするので、5,000円下げてください」

当然ですが、オーナーは即答で「難しいです」と回答。その直後、別の方から満額で申込みが入り、そのお客様は部屋を逃してしまいました。

家賃交渉は、思いつきで動くほど不利になります。情報がないまま動くと、“値下げどころか物件自体を失う”リスクもあるのが現実です。

家賃交渉は“お願い”ではなく情報戦

家賃交渉というと「値切る」「無理を言う」といった印象を持たれがちです。

しかし実際は、市場価格とのズレを埋める作業に過ぎません。ポイントはシンプルです。

  • 周辺の募集賃料を調べる
  • 同条件の物件を比較する
  • 事実ベースで冷静に伝える

これだけで結果が変わるケースは少なくありません。

一方で、何も調べずに契約してしまうと、気づかないうちに数万円単位の差を払い続けることになります。

部屋探しは、「良い物件を見つけること」だけでは不十分です。適正な条件で借りることまで含めて、初めて成功といえます。

契約前に一度立ち止まり「この家賃は本当に相場通りか?」と確認してみてください。その一手間を惜しんだ結果が、数年後に後悔として残るケースは、現場でも少なくありません。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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