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「横幅約5m×奥行約25m」京都で“うなぎの寝床”と揶揄される物件を即決も「こんなはずじゃ…」後悔のワケ

  • 2026.4.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

「いつかは自分たちの理想が詰まったマイホームを」――そう考えたとき、多くの方が最初の一歩として「まずは土地探しから」と不動産会社へ足を運ぶのではないでしょうか。

「いい土地が見つかってから、じっくり建物を考えよう」という流れは一見合理的で、正解のように思えます。

しかし、この順番こそが、理想の家づくりを遠ざける一因になることがあります。

土地を買ってしまったあとに建築会社へ相談した結果、「その土地では理想の家が建てられない」と判明するケースが、じつは少なくありません。

私がかつて目の当たりにした、あるお客さまの苦い実例をご紹介しましょう。

「お買い得」だった縦長の土地が招いた誤算

ある日、土地を購入したばかりのAさまが「ここに家を建てたい」と相談に来られました。

見せていただいた測量図を確認すると、横幅約5m×奥行約25m――京都などでは「うなぎの寝床」と呼ばれる、奥に長い形状の土地でした。

面積の割にリーズナブルで、Aさまは「お買い得だった」と話してくれました。

しかし、民法の規定等に基づき隣地との境界から必要な離隔距離を確保すると、このケースでは家の有効幅(間口)はわずか2間(約3.6m)しか取れないことが判明

間取りをつくれないわけではありませんが、設計上の制約はかなり大きくなります。

Aさまには――

  • 「アイランドキッチンのある広いLDK」
  • 「大きな窓で光を取り込みたい」
  • 「回遊動線で家事効率を高めたい」

といったご要望がありました。

ところが、2間幅ではAさまが希望されたキッチンを横向きに置くと通路が塞がり、隣家が近いため窓を大きくしても開放感が得にくく、回遊動線を設けるスペースの余裕もありません。

Aさまの希望をできるだけかなえる形でプランを作成したものの、工夫を重ねた分だけ予算オーバーに。

最終的にAさまは、予算に合う別の建築会社で、当初の理想とは異なるプランでの建築を進めることになりました。

「こんなはずじゃなかった…」と肩を落としたAさまの姿は、今も忘れられません。

「うなぎの寝床」が合うケースもある

ただし、「うなぎの寝床」のような土地そのものが悪いわけではありません。こうした土地には、独自の魅力もあります。

たとえば、奥行を生かして「中庭」を設ければ、外からの視線を遮りながら光を取り込めるプライベート感満載の空間がつくれます。

また、立地によっては便利な市街地に安く住めるというメリットもあり、ミニマルで隠れ家のような暮らしを好む方には、むしろ最高の選択肢になることもあるのです。

Aさまの問題は、「自分の建てたい家」と「土地の特性」がマッチしていなかったことにあります。

「土地を買う前に建築会社に相談する」という選択肢

では、どうすればこのような失敗を防げるのでしょうか。

不動産会社は「土地売買を仲介するプロ」ですが、建築の専門知識を持つ「建築のプロ」とは限りません。そのため、土地に理想の家が建つかどうかを判断できない場合があります。

こうした後悔を避けるために大切なのが、土地を買う前に建築会社に相談することです。

具体的には、建築会社と「どんな家を建てたいか」を事前に共有し、気になる土地が見つかったら建築会社にも見てもらってから購入するかどうかを判断します。

建築のプロの目で土地を見てもらえば――

  • 「この形状ではアイランドキッチンは難しい」
  • 「日当たり確保には工夫が必要」
  • 「この土地を買うと建築の予算が残らない」

といった判断を、購入前に得られる場合があります。

「購入の意思決定が遅くなる」というデメリットはあるものの、「建てたい家が建たない」という取り返しのつかない失敗を防ぎやすくなるはずです。

なお、地盤や法規制の確認など、正式な調査が別途必要です。まずは気軽な相談として、建築会社にプロの視点で見てもらうことから始めてみてください。

土地と家は「セット」で考えるのが成功のカギ

新しく土地を購入して家を建てる場合、土地探しと家づくりは「切り離せないセットの作業」です。

「広さ」や「価格」といった土地単体のスペックだけで判断せず、「この土地に自分たちの理想の家が建つか」を常に想像してください。

そして、建築会社という頼れるパートナーと一緒に土地探しを進めること――それが、理想のマイホームを形にするための近道になるはずです。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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