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スペイン王室の異端児? ヴィクトリア・デ・マリチャラルが「イット・ガール」になるまで

  • 2026.3.11
Pablo Cuadra / Getty Images

スペイン王室に新風を吹き込む、フェリペ国王の姪にあたるヴィクトリア・デ・マリチャラル。伝統的なロイヤルの枠を超え、「イット・ガール」として名を馳せる彼女の素顔に迫ります。

Aldara Zarraoa / Getty Images

スペイン国王の姪という、生粋のプリンセス

2000年9月9日、スペイン国王フェリペ6世の姉エレナ王女とハイメ・デ・マリチャラルの間に、マドリードで生を受けたヴィクトリア・デ・マリチャラル・イ・ボルボン。国王の姪であり、前国王フアン・カルロス1世を祖父に持つ彼女は、誕生当初は母と兄に次ぐ王位継承順位第3位でしたが、従妹のレオノール王女らの誕生を経て、現在は第5位となっています。

伝統あるボルボン家の血筋でありながら、ヴィクトリアは「インファンタ(王女)」の称号を持ちません。それは同時に、公的な王室メンバーとしての制約に縛られず、自らの意志で自立した道を選べる自由なポジションにいることを物語っています。
伝統を受け継ぎながら現代的な感性を併せ持つ彼女は、まさに次世代を担うプリンセスとして、今世界中から熱い視線を浴びています。

Pablo Cuadra / Getty Images

ロイヤルインフルエンサーの地位を確立。世界が注目する「イット・ガール」に

スペイン王室において、個人のインスタグラムアカウントで自身の私生活を発信することは極めて異例のケース。18歳を迎えた2019年にインスタグラムにデビューして以来、2021年10月にアカウントを公開設定へと変更したことが、彼女のキャリアにおける大きな転換点となったようです。

フォロワー数は瞬く間に急増し、従来の王室ファンのみならず、トレンドに敏感なZ世代からも絶大な支持を集めています。英タトラー誌は、彼女のインフルエンサーとしての将来性に疑いの余地はないとして、ヨーロッパ全土で大きな魅力を持つ「イット・ガール」と評しました。2026年2月現在、フォロワー数は37万人を超えており、今やヨーロッパで最も影響力のあるロイヤル・インフルエンサーの1人に数えられています。

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叔父フェリペ国王から叱責も。「反逆のプリンセス」

メディアから「反逆児(Rebel)」と称されることもあるヴィクトリア。それは、彼女が王室の伝統やしきたりに縛られない、自分らしい自由な生き方を貫いているからです。街中でタバコをくわえて友人と談笑する姿や、手首や足首に刻まれた10箇所近いタトゥー、複数のピアスホールなど、王室のイメージとはある意味対極とも言える彼女のスタイルは、常に議論の的となってきました。

国民の怒りを買ったのが、コロナ禍でのルールを無視した行動でした。マスクなしで夜のパーティーを楽しみ、移動制限を無視して旅行する姿が報じられると、「王室の特権乱用」として激しいバッシングを浴びることに。

こうしたロイヤルらしからぬ振る舞いは、叔父フェリペ国王から厳しい注意を受ける原因となっているようです。ヴィクトリアの数々の問題行動により、国王は母エレナ王女に対し、警告したこともあるとか。

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卓越したファッションセンスが魅力。ハイ&ローMIXが得意

ヴィクトリアのファッションを象徴するのは、ラグジュアリーとプチプラを自在に操るハイ&ローの絶妙なバランス感覚です。ディオールやロエベ、オフホワイトといったハイエンドなモードを華麗にまとう一方で、ザラ(ZARA)やマンゴ(MANGO)など地元スペインのプチプラブランドも巧みにミックス。その圧倒的な振り幅は、まさにファッショニスタそのものです。日常のスタイルは「ボーホー・シック」と評されることが多く、エスニックなアクセサリーやロングスカートにクロップド丈のトップスを合わせた、リラックス感漂うエッジィな着こなしが特徴。180cmの長身を活かした大胆なシルエット選びも圧巻です。伝統的なロイヤルの装いとは一線を画す、現代的でリアリティのあるスタイルこそが、彼女が世界中から支持される最大の理由といえるでしょう。

Courtesy of Instagram @eldesafioa3

父はLVMHのアドバイザー。ファッション好きは父の影響

彼女のファッションセンスの原点は、父ハイメ・デ・マリチャラールの存在にあると言われています。LVMHグループのアドバイザーを務め、ロエベやフェンディの取締役を歴任してきたハイメは、ラグジュアリー界に絶大な影響力を持つ人物。LVMHのトップであるベルナール・アルノーとも私生活で親交が深いことで知られています。

ヴィクトリアがパリやミラノのファッションウィークで常にフロントロウを飾るのは、幼少期から父の傍らで最高峰のクリエイションに触れ、磨き上げられてきた唯一無二の感性があるからこそ。ショーの会場で共に最新モードを見守る父娘の姿はたびたび話題となっており、彼女にとって父は、スタイルを磨く上での最大のメンターといえるでしょう。

Pascal Le Segretain / Getty Images

世界を魅了する、フロントロウの常連へ

単なるロイヤルの一員から、モード界を席巻するスタイルアイコンへ。ヴィクトリアがその圧倒的な存在感を世界に知らしめた契機は、2020年10月の「エル・スタイル・アワード」でのレッドカーペットデビューでした。この頃から、彼女は雑誌の表紙やハイブランドの広告、ファッションイベントに欠かせない「顔」として、パリやマドリードのファッションウィークを華やかに彩り始めます。

なかでも、自身と縁の深い「ロエベ」や「ディオール」のショーで見せる洗練された姿は、彼女のキャリアを象徴する重要な一幕です。2022年にセビリアで開催されたディオールのクルーズコレクションでは、スペインの伝統をモダンに昇華した装いで登場し、世界中のプレスを圧倒しました。

さらにパリのオフホワイトのショーでは、リアーナやカーラ・ブルーニといった世界的セレブリティと並び、堂々とフロントロウを飾る姿もキャッチされています。それは、彼女がスペインという枠を超えた、真のグローバル・ファッションアイコンであることを証明する瞬間でした。

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家族に捧げたものも。タトゥーで表現する自分らしさ

王室メンバーとしては珍しく、ヴィクトリアは身体に多くのタトゥーを入れていることで知られています。スペイン紙エル・エスパニョールのインタビューでは、それぞれのデザインに込められた、彼女なりの思いを明かしました。中でも特別なのは、祖父フアン・カルロス1世への敬意を込めた「帆船」のモチーフだそう。他にも、祖母を象徴する貝殻や、両親や兄へ捧げたデザインなど、家族がいかに大切な存在であるかを証明するかのように刻んでいるようです。

自分らしさや絆を大切にする自由なスタンスが、彼女をいっそう魅力的に見せているのかもしれません。

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物議を醸す、「闘牛」への愛

熱烈な闘牛ファンとしても知られ、マドリードにあるラス・ベンタス闘牛場の客席でショーを観戦する姿が頻繁に目撃されています。2019年には、闘牛士ゴンサロ・カバジェロとの婚約説がスペインのタブロイド紙を賑わせたほどでした。

2025年2月には、同闘牛場とコラボレーションし、インスタグラムで「サン・イシドロ祭」という祭りのプロモーション広告を公開して大きな波紋を広げました。王室専門家のアメリ・シルトは「闘牛は彼女にとって揺るぎない信念そのもの」と分析していますが、この姿勢は動物福祉団体から厳しく批判されています。

スペインでは国技とも称される伝統文化である一方、現代ではその是非が激しく問われている闘牛。そのため、ヴィクトリアは、闘牛を反対していえるレティシア王妃との間に、決定的な価値観の相違を生んでいるようです。

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母の影響で始めた乗馬。「障害飛越」の選手としても活躍

ヴィクトリアのアイデンティティを語る上で、幼少期から親しんできた馬術は欠かせません。プロ級の腕前を持つ母エレナ王女の背中を見て育った彼女は、「障害飛越」の選手として長年競技に打ち込んできました。

2022年には、雑誌『HOLA! Fashion』の表紙に本格的なライディングスタイルで登場(写真)。インタビューでは、母のエレナ王女と祖父のフアン・カルロス国王が熱心な乗馬愛好家であり、母が乗馬への愛情だけでなく、動物全般への愛情も育んでくれたと語っています。マドリードの名門乗馬クラブで技術を磨き、愛馬ザンドールと共に国際大会にも出場するその姿は、単なるロイヤルのたしなみを超えた、アスリートとしてのストイックな一面を証明しています。

Pablo Cuadra / Getty Images

「第二の父親」と慕う、祖父フアン・カルロス前国王との固い絆

ヴィクトリアは、祖父である前国王フアン・カルロス1世を「第二の父親」と呼ぶほど慕っていることで知られています。2020年にスキャンダルで祖父がアブダビへ移住した後も、その絆が揺らぐことはなく、頻繁に現地を訪れては共にリラックスして過ごす姿がたびたび報じられています。

祖父への特別な思いは、隠すことなくオープンに表現しており、他のロイヤルメンバーが慎重に沈黙を守る中、自身のインスタグラムのストーリーズで、祖父の誕生日に愛情たっぷりのメッセージを公開したことも。また、スマホの待ち受け画面を若かりし日の祖父の写真に設定していたことが明らかになったこともありました。

先述した帆船のタトゥーも、そんな祖父への愛の証の1つ。周囲の批判や政治的な状況に左右されず、祖父に真っ直ぐに寄り添い続ける彼女の姿勢は、世間の注目と議論を呼び続けています。

Courtesy of Instagram @eldesafioa3

バラエティ番組にレギュラー出演も

近年はテレビ出演でも注目を集めています。

特に、著名人が過酷なミッションに挑む人気バラエティ番組『El Desafío』では、2025年放送のシーズン5にレギュラー出演し、そのガッツあふれる姿で視聴者を驚かせました。2026年1月にはゲストとして再登場し、戦士スタイルでアーチェリーに挑戦。他にもトーク番組『El Hormiguero』では親しみやすい素顔を見せるなど、メディアを使いこなす現代的なプリンセス像を確立しています。

Courtesy of Instagram @vicmabor

祖父にも紹介済み。経営者一族の御曹司とのゴールインの可能性!?

ヴィクトリアのプライベートで今、最も熱い注目を集めているのが、若手実業家ホルヘ・ナバルポトロとの恋の行方です。ホルヘは、マドリードの伝説的ナイトクラブ「ラ・リビエラ」などを経営する一族の御曹司で、共通の知人を介して数年前から顔見知りだった2人は、2025年末に急接近し、交際へと発展したと報じられています。しかも2人の仲は、すでに家族も公認済みのよう。彼女の最愛の祖父であるフアン・カルロス前国王の88歳の誕生日を祝うアブダビ訪問に彼を同伴させ、直接紹介したことで、“結婚も視野に入れた真剣交際では?”とメディアの期待は一気に高まりました。

2026年1月には、雪が舞うマドリードで手を繋いで歩くロマンティックな写真がSNSに投稿されるなど、交際を隠さないオープンなスタイルも彼女らしさ全開でした。同じ社交界で育ち、価値観を共有する2人の恋は、スペインを代表するビッグカップルとして今後も目が離せません。

※この記事は2026年2月28日時点のものです。

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