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【小池栄子さん・向井理さんインタビュー】「新感線に出るたびに『これは出るものじゃなく、観るものだな』と後悔するんです(笑)」

  • 2025.9.8

劇団☆新感線の45周年を飾る舞台『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』。ゲスト俳優の小池栄子さんは4作目、向井理さんは3作目の劇団☆新感線への参加となります。久しぶりに劇団員が集合するお祭りのような舞台に、おふたりはどんな思いで挑むのか。演劇人へのリスペクトやお互いの印象、そしてこれからの人生観を語ってくれました。

「観客側だったら、“出たかったな~”とヤキモチを焼くと思う」(小池さん)

——劇団☆新感線の45周年興行となる『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』は、江戸時代を舞台に、「忠臣蔵」を上演しようと芝居作りに情熱を傾ける演劇人たちを描いた作品です。劇団員全員が揃い、これまで上演してきた作品のセルフパロディやセルフオマージュも盛り込まれるという、ファンにとってもスペシャルな公演になりそうですが、そこにゲストとして参加する心境はいかがですか?

向井理さん(以下、向井) 前代未聞のお祭りだと思うし、それに選んでいただいたのは名誉なことですよね。もし自分が出演しないとしても観に行っただろうけど、作品が肉付けされている段階を一番近くで見られるのは何よりも贅沢です。

小池栄子さん(以下、小池) 新感線は2016年の『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』以来なので、呼んでもらったときは、「忘れられてなかった!」と嬉しかったですね。きっと自分が観客として行ってたら、出たかったなあ…とヤキモチを焼いただろうと思います(笑)。私は今回の脚本がすごく好きなんです。どんな状況でも、演劇人がそこに立てば芝居はできるんだ……という、劇団の皆さまの歴史を語っているようで。

向井 この脚本は、(中島)かずきさんなりのお芝居に対する壮大なラブレターだと思うんです。僕は今回、狂言作者・真狩天外と、芝居を憎んでいる若年寄・藤川采女の2役を演じるのですが、天外の台詞のなかに「座付き作家」という言葉があって。台詞から、悔しさや楽しさ、いろんな感情がこぼれてきて、これはかずきさん自身なんだろうな、と。

小池 その役を任されるのは、それだけ信頼されている証拠だよね。私が演じるお破は、橋本じゅんさん演じる荒蔵から、“嘘を真に変える芝居の力”を叩き込まれたという女の子。山で育てられたオオカミ少女が都会に出てきて……みたいな話なので、悔しがる、恥ずかしがる、憤る、喜ぶ…という感情を素直に出して、とにかく元気にやりきりたいですね。ただエネルギッシュにやるだけじゃなく、そこに自分ならではのプラスアルファを出せるように模索中です。

「新感線のような劇団ってほかにないから、比較しようがない」(向井さん)

——個性的な劇団員の皆さんが集まるなか、ゲスト俳優の方にはどんな役割が求められるのでしょうか。

向井 4年前に出演したとき、高田聖子さんが「劇団員はスパイスだから」と話していたんです。でもスパイスだけだと料理にはならないから、カレーで言えばごはんのような存在がゲストだと。説明台詞をちゃんと言う、物語を回す、見せ場を作る……。そういう基礎をゲストが固めていれば、個性派集団の劇団員が際立つから。僕らがそこに入っても勝てるわけはないし。だから毎回、「この劇団にないものは何だろう?」と探してますね。

小池 私は劇団員の方々に支えられていると感じますね。「調整はこっちでやるから、自由にやりなさい」というような。現場で他の人を萎縮させないって、すごいことだと思うんです。

向井 初めてのときは、ずっと怒られるんじゃないかと思って、もう怖くて怖くて。だけど誰にも怒られなかった(笑)。新感線のような劇団ってほかにないから、比較しようがないけど、真面目な人しかいない。

小池 そして、品がいい。ともすれば、「私が」「俺が」と前に出てバランスを崩してしまいそうな内容でも、仲間に対してリスペクトを持ちながらやっているし、下品なことをしても下品にならない。それはお芝居に対して真摯に向き合っているからだと思うんです。

向井 ちゃんとお客さんのほうを向いている感じがします。お金を払って観てもらうからには、楽しませなきゃいけない、という考えが根本にある。

小池 すごいバランスだよね。やっぱり学生時代から一緒にやってきたというのが大きいんでしょうね。そういう仲間と出会って何十年も一緒に仕事できるって、本当にうらやましい。

向井 村木仁さんや逆木圭一郎さんが、「演出のいのうえ(ひでのり)さんはみんなが年を重ねてることを忘れてるから、20年前と同じ歩幅でやらせようとするけど、それは無理」って言ってて(笑)。いのうえさんがお尻を叩いて当時のエネルギー量を持続させてるんだろうと思います。

小池 ひいひい言いながらやってるのが心を打つし、面白いんだよね。その出し惜しみしない感じが嬉しい。

向井 役者側がつらければつらいほど、観る側にも面白さが伝わりますよね。だから、新感線に出るたびに「これは出るものじゃなく、観るものだな」と後悔するんですけどね(笑)。

「40代、仕事のほかにも大切なものがあるとわかってきた」(小池さん)、「本当は渡部篤郎さんのようなダンディで余裕のある大人になりたい」(向井さん)

——おふたりは2012年にドラマで共演し、今回は久しぶりの共演となりますが、お互いの印象は?

小池 向井くんは、“正統派の二枚目”としてやっていくのかと思いきや、すごく独特な作品選びをしていて。この人は次に何をするんだろう? と動向が気になる役者さんのひとりです。中身と姿形の美しさのバランスがマッチしているようで、ちょっとちぐはぐしているのが面白いよね。

向井 むしろ、作品選びにはそこまでこだわりがないかもしれない。番手にもこだわらないし、面白そうならやるようにしていて。小池さんはマルチな才能があって、バラエティ番組のMCもできるし、お芝居でも社会派なものからコメディまでオールジャンルでできる人だから、すごく器用だと思われているだろうけど、意外と不器用な面もあって。

小池 そうなの! よく見抜いたね(笑)。

向井 そこが人としても、俳優としても魅力的なんですよね。不器用な人は、自分に足りないものがわかっていて、全力で努力するはずだから。

小池 確かに、私もそういう人と一緒にやったほうが楽しい。作品作りってチームだからね。

——「大人のおしゃれ手帖」の読者は50代女性が中心です。おふたりは、「こういう50代になっていたい」という理想像はありますか?

小池 無理をせず、休みをちゃんと取りながら生きていきたいです。20代の頃はとにかく働きたいと思っていたけど、今は仕事のほかにも大切なものがあるとわかっているから。そのバランスを取ろうと思いながら40代は歩んできたので、50代はひとつひとつの作品に丁寧に取り組みながら1年の半分くらい働いて、残りは愛犬と一緒にのんびり過ごせたら最高ですね。

向井 僕は今43歳ですけど、自分が子どもの頃や20代前半に想像していた43歳とはかけ離れているくらい子どもで。本当は渡部篤郎さんのようなダンディで余裕のある大人になりたいけど、今のところはその余裕は持てていないですね。アウトプットだけだとどうしても視野が狭くなってしまうので、インプットしつつ、お芝居以外の時間を持つことも必要な時期なのかもしれないな、と最近は考えるようになりました。

PROFILE

小池栄子(こいけ・えいこ)
1980年生まれ、東京都出身。1998年、ドラマ『美少女H』でドラマデビュー。以降、TV・CM・映画・舞台で幅広く活躍。2016年、『グッドバイ』での演技が評価され、第23回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。近年の出演作に舞台『骨と軽蔑』『日本人のへそ』『近松心中物語』『子供の事情』、ドラマ『おい、太宰』『新宿野戦病院』『コタツがない家』『鎌倉殿の13人』、配信ドラマ『地面師たち』など。

向井 理(むかい・おさむ)
1982年生まれ、神奈川県出身。2006年、ドラマ『白夜行』で俳優デビュー。数々の話題作に出演し、ドラマ・映画で幅広く活躍するほか、ドキュメンタリー番組のナレーションやナビゲーターも多数務める。近年の出演作に舞台『ウーマン・イン・ブラック』『リムジン』『ハリー・ポッターと呪いの子』、映画『パリピ孔明 THE MOVIE』『イチケイのカラス』、ドラマ『舟を編む〜私、辞書つくります〜』『ライオンの隠れ家』『ダブルチート 偽りの警官 Season1』など。

[舞台]2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎 『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』

かつて江戸で活躍した役者・荒村荒蔵(橋本じゅん)から“嘘を真に変える芝居の力”を叩き込まれた娘のお破(小池栄子)は、花形役者として舞台に立つために江戸へ向かう。しかし江戸は、老中・水野忠邦による改革の真っ最中。人々は贅沢の禁止や歌舞音曲の自粛を強いられていた。歌舞伎の上演を許された橘川座でも、座元の橘右衛門(粟根まこと)、その妻・おきた(高田聖子)、息子で女形の夜三郎(早乙女太一)らが、幕府から睨まれぬように、狂言作者・真狩天外(向井理)の新作芝居の稽古に励んでいたが——。

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし 小池栄子 早乙女太一 向井理 ほか
日程:
2025年9月19日(金)~23日(火・祝)松本・まつもと市民芸術館
2025年10月9日(木)~23日(木)大阪・フェスティバルホール
2025年11月9日(日)~12月26日(金)東京・新橋演舞場

向井さん衣装:ジャケット¥121,000、シャツ¥59,400、パンツ(参考商品)/すべてオーバーコート( 大丸製作所3 info@overcoatnyc.com)
 
撮影/神ノ川智早 スタイリング/えなみ眞理子(小池さん)、外山由香里(向井さん) ヘアメイク/山口公一[SLANG](小池さん)、 宮田靖士(向井さん) 取材・文/工藤花衣

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

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