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「これからの人生をどう生きればいいのか」と迷う女性たちへ_南果歩さんインタビュー

  • 2025.9.1

子育てや仕事が一段落し、「これからの人生をどう生きればいいのか」と迷う女性たちに、前に踏み出すきっかけをくれる映画『ルール・オブ・リビング~ “わたし”の生き方・再起動~』。母や妻、会社員という役割を手放し、自分自身と向き合おうとする主人公・美久子を演じた南果歩さんが、自分らしい生き方を見つけるヒントを語ってくれました。

他人に幸せにしてもらうのではなく、自分で自分を幸せに

家事や育児から手が離れ、仕事もひと区切り。これからの人生をどう生きていけばいいのか……というのは、多くの『大人のおしゃれ手帖』読者にとって共通のテーマです。とはいえ、長く“妻”や“母”としての役割にとらわれてきた人は、「私は何がしたいんだろう?」と、自分の本音が見えなくなっていることも。そんな人に南果歩さんが提案するのは、“小さな選択”から変えていくこと。
 
「人間は、変化を好まない動物なんだそうです。だから、いきなり習慣を大きく変えるのは難しい。例えば『コーヒーと紅茶、どちらにしますか?』と聞かれたときに、『皆さんと同じもので』と答えるのではなく、自分が本当に飲みたい方を選ぶ。そんなふうに、“自分の好き”を大事にすることが、自分を作っていくんだと思います。小さな選択を積み重ねていくうちに、いずれ大きな決断もできる自分が育っていくんじゃないでしょうか」
 
そんな南さん自身も、いまだに迷うことはあると言います。
 
「でも、最終的には自分の人生だから。他者から幸せをもらうのではなく、自分で自分を幸せにしないと。それが、結果的には身近な人を幸福にすることにつながって、幸せが波紋のように広がっていくんじゃないかな」

役割から自由になった、その先に見えるもの

そうしたメッセージが込められているのが、南さんの主演映画『ルール・オブ・リビング~“わたし”の生き方・再起動~』。演じる主人公の美久子は、娘が巣立ったあと、自分がどう生きたいのか考えることもなく、日々を暮らしている49歳女性です。ある日、アメリカ人のバックパッカー・ヴィンセントとルームシェアをすることになった美久子は、文化の違いに戸惑いながらも、眠っていた本当の自分を再発見していきます。
 
「ヴィンセントと出会う前の美久子は『こうあらねば』というルールに縛られていた人。母として、社会人として、母を介護する娘として……。そういう役割にとらわれて、自分を後回しにすることが習慣になっていたんですよね。だからヴィンセントとの関係も、最初は拒否するところから始まっている。でも人と触れ合い、時間をともにするなかで、少しずつ見えてくるものがある。この映画では人と関わることの大切さも語られていると思います」
 
今回の監督でもあるグレッグ・デールさんが演じるヴィンセントと美久子は、言葉も価値観も、生活習慣もがらりと異なります。そんなふたりのカルチャーギャップが、ユーモラスに描かれているのも本作の魅力のひとつ。自分とは異なる価値観を否定するのではなく、“あえて違いを楽しもう”というポジティブな考え方に気づかされます。
 
「自分の感覚だけで物事を見ると、ひとつの面しか見えてこない。でも、正解はいくつあってもいいと思うんです。たとえばアートを観に行っても、どう感じたかは人によって違いますよね。その違いを認めて、面白がれる自分でありたい。ただ、心に余裕がないと、他者との違いを受け入れるのは難しい。じゃあ、その余裕ってどこから生まれるのか……というと、やっぱり自分を好きになることだと思います」

カルチャーギャップも、面白がれる自分でいたい

南さん自身も、50代で挑戦したアメリカへの語学留学のなかで、数え切れないほどのカルチャーギャップを感じたそう。
 
「なかでも印象的だったのが、ひとりで舞台を観に行ったときのこと。ジョージ・クルーニーの舞台『グッドナイト&グッドラック』を観たくて、ネットでチケットを探していたら、当日の朝に前方の席のチケットが格安で見つかったんです。劇場で席に着いたら、隣の女性が『今朝、このチケットを◎◎ドルでゲットしたんだけど、あなたも?』と声を掛けられて。『そう! 私も!』とその場にいた人たちと盛り上がったんですよ(笑)。日本だったらなかなかないやり取りですよね。『サンセット大通り』を観に行ったときも、隣のカップルと『主演の彼女、絶対に賞を取るよね』と話が弾んで。ひとりで劇場へ行っても楽しめるって、すごく素敵な文化だと思いましたね」
 
9月からは、舞台『ハハキのアミュレット』の公演も控えている南さん。まだまだ暑さの続く稽古から公演までの期間を乗り切るために、さまざまな工夫を取り入れているのだそう。
 
「まずは冷たいものを避けて、温かいものを食べたり、飲んだりすること。さらに、自宅でグルテンフリーとカゼインフリーを実践しています。始めてからは回復力が上がって、風邪を引いたかな? と思っても、すぐ治るようになりました。ただ、完全に小麦や乳製品を除去するのは難しいですよね。家で食べるときは米粉やそば粉で代用しつつ、外で食べるときは制限を設けず、ピザやうどんも食べます(笑)。そうすることで、ストレスをためずに体調を整えられるんです」
 
健康維持には必須のジム通いも、“一日おき”のサイクルにすることで、無理なく続けられるように。
 
「以前は、仕事のない日は必ず行かなくちゃ、と脅迫観念のようなものがあったんですけど、一日おきなら、『今日はお休み!』といううれしさと、『今日はがんばって行けた!』という達成感を交互に味わえるので、飽きずに続けられる。そういうバランス感覚も、大人になった今だからこそ、得られたのかもしれませんね」

 

映画『ルール・オブ・リビング~“わたし”の生き方・再起動~』

東京で暮らす49歳のキャリアウーマン・美久子のもとに、ある日突然、アメリカ人バックパッカーのヴィンセントが現れる。娘の紹介で始まった、価値観も文化もまるで違う“3か月間のルームシェア”。言葉も通じず、生活の感覚もすれ違うなかで、美久子は共に暮らすための4つのルールを決める。最初は戸惑いと衝突ばかり。でもその違いが、互いの心を少しずつ開いていく。

監督・脚本:グレッグ・デール/出演:南果歩、グレッグ・デール、椎名桔平、河北麻友子、すみれ、ジェフリー・ロウ、ヴィナイ・ムルティ/2025年9月19日より公開

プロフィール
南果歩

1964年生まれ、兵庫県出身。1984年、映画『伽倻子のために』のヒロイン役で俳優デビュー。2015年には映画『マスタレス』で全米デビュー。配信ドラマ『PACHINKO season 1』ではメインキャストとして出演。自身の経験をもとにピンクリボン活動にも積極的に参加。被災地を中心に読み聞かせボランティアも行っている。近著にエッセイ『乙女オバさん』(小学館)、絵本『一生ぶんのだっこ』(講談社)。近年の出演作に映画『MISS OSAKA ミス・オオサカ』『ら・かんぱねら』『君の忘れ方』など。9月からは舞台『ハハキのアミュレット』の公演が控える。

撮影/天日恵美子 原稿/工藤花衣

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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