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花總まり主演!ミュージカル『破果パグァ』開幕!60代の女性暗殺者が人生の最後の闘いにかけたものとは

  • 2026.3.12

『素敵なあの人』4月号掲載の好奇心の扉「俳優・浦井健治さんが語る日韓が紡ぐミュージカルの新潮流」でご紹介したミュージカル『破果パグァ』。日本初演は3月7日に初日を迎え、歓喜に満ちたカーテンコールによって劇場内は熱い興奮の渦に巻き込まれました。

超一流の暗殺者である爪角(花總まり)も、いつしか引退を意識し始める。

暗殺組織、防疫エージェンシーゼロのユン(中山優馬)。

舞台の原作は、「60代女性暗殺者」を主人公に据えた、斬新で切なく、そして力強い韓国のクライムノワール『破果』(著:ク・ビョンモ)。本国では多くのファンに愛されているベストセラーであり、2024年韓国初演のミュージカルも大きな話題を呼びました。

甘い香りを漂わせる凄腕の暗殺者トウ(浦井健治)。

「破果」とは、傷んでしまった果実のことであり、自ら15歳で暗殺者への道を選んだ爪角のこと。日本でミュージカル化されるにあたって、韓国オリジナルの演出家イ・ジナさんは、日本版の演出家・一色隆司さんに「自由に作ってほしい」と託したそうです。

爪角の脳裏にはいつもかつての師、リュウ(武田真治)が。

爪角の、歩んできた人生の記憶と現在の葛藤。彼女の過去から浮かびあがる影のように現れた男・トウとの邂逅。そして思いがけなく心惹かれる新しい男性の出現——。楽曲と巧みに展開する美術によって、爪角の複雑な人生がスピーディに印象的に描かれていきます。

15歳で暗殺者としての才能を見出される若き日の爪角(熊谷彩春)。

クライマックスに向けて物語が大きく動き出す場面で、爪角が力を振り絞り、自分の心のうちを語るように歌いあげるナンバーは圧巻。そして、ラストで見せる爪角の潔い選択には、女性をエンパワーメントするエネルギーに満ちていました。

「守るべきものは持たない」とリュウに誓った爪角だが、犬を飼ってしまう。

肉体は年齢を重ねても、みずみずしさを湛えた心は迷いに揺れる。花總まりさん演じる爪角は、女性の内面の繊細な真実を感じさせます。追憶の中の爪角を求め、執着することに生きる喜びを見出すトウ・浦井健治さんは危険な魅力がたっぷり。

爪角とトウの闘いの果て、ふたりを待っていたものとは——。

物語に救いを与えてくれるのは爪角とトウが所属する暗殺組織を仕切るユン・中山優馬さんの誠実さ。若き日の爪角・熊谷彩春さんが見せる成長の過程と切実さは、年老いてからの爪角の内面と美しく重なります。そして、爪角を暗殺者として育てるリュウと、爪角が心惹かれる医師の2役を演じる武田真治さんの確かな演技力が舞台にリズムと奥行きを与えています。
 
そして、もうひとつの大きな見せ場は、これまでにミュージカルにはなかった、メインキャスト全員が見せる、ナイフとガンによる華麗なアクション。ノワールな物語でありつつ、見終わった後になぜかスッキリした気持ちになれるのは、その視覚的な快感によるものかもしれません。見る人によって、ノワールな世界に芽生えたフェミニズム的な生き方も感じられるかも——。観客のイマジネーションによって、見どころがさらに広がりそうな新感覚ミュージカルの誕生です。

《あらすじ》
人生のほとんどをプロの暗殺者(=防疫業者)として生きてきた爪角(チョガク)。
超一流の暗殺者であった彼女も年を重ね、身体の衰えから引退を決意する。
しかし喜怒哀楽とは無縁の人生を送ってきた彼女は平凡な人生など望むべくもなく静かに孤独に過ごしていた。
爪角が所属する防疫業エージェンシーのユンは、伝説的な暗殺者であった爪角に強く惹きつけられつつも、年老いた爪角の処遇について謀略を企てていた。
そんな爪角の前に、初恋の人リュウを思い起こさせる医師・カン博士が現れる。
幼い頃のリュウとの思い出に思いを馳せながら、幸せそうなカン博士の家族とふれ合う中で、いつしか爪角は心に温もりを求めるようになっていく…
しかし、彼女の願いをあざ笑うかのようにトウという暗殺者が現れる。

ミュージカル『破果-パグァ-』 

◎東京公演
2026年3月7日(土)〜3月22日(日) 新国立劇場 中劇場
◎大阪公演
2026年3月27日(金)〜3月29日(日) 梅田芸術劇場メインホール
◎福岡公演
2026年4月4日(土)〜4月5日(日) 久留⽶シティプラザ ザ・グランドホール

公式HP:https://musical-pagwa.jp/

◎出演
花總まり 浦井健治 中山優馬 熊谷彩春
秋野祐香 大泰司桃子 東倫太朗
新井海人 今村心音 コイタ奈央美 下道純一 志村倫生
中西彩加 *蛭薙ありさ 矢澤梨央 *若林佑太 渡部又吁 (五十音順 *スウィング)
武田真治
◎翻訳・訳詞 高橋亜子
◎演出 一色隆司
◎音楽監督 甲斐正人

Original work Gu Byeong-mo’snovel “HAKA 破果”
Script & Lyrics by HyejeongJang, Gina Lee Music by NayoungLee
Original Production by PAGE1

主催:ミュージカル『破果』製作委員会
【NHKエンタープライズ/ ぴあ/h.stage/Air Media/ニッポン放送】

この記事を書いた人   編集・執筆   杉村道子

カルチャー系を中心にインタビュー記事を執筆しています。趣味は歌舞伎、落語、ミュージル、ストレートプレイに小劇場と、ひたすら雑食舞台鑑賞。年に何本見ているのか、最近は怖くて数えていません。

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