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「ここは役員用なんです」と案内された運動会。娘のゴールが見えなかった私が、翌年知らされた変更

  • 2026.9.21

行事になると、いつも同じ人たちが前にいた

娘が通う小学校では、保護者会や学校行事になると、PTA役員の人たちが中心になって動いていました。

準備や案内をしてくれているので、最初は私も「大変そうだな」と思っていました。

保護者会では前に立って進行し、授業参観でも役員同士で集まって話していることが多く、自然と目につく存在でした。

それでも、そのこと自体を気にしたことはありませんでした。

引っかかったのは、秋の運動会です。

朝から場所取りの列に並んで会場へ入ると、ゴールがよく見える位置には、すでに役員用のテントが立っていました。

役員が運営するための場所なら必要なのだろうと思いながら、その近くにあった空いたスペースにシートを広げようとしました。

すると、腕章をつけた女性がこちらへ来ました。

「すみません。ここは役員用なんです。一般の方は、あちらからお願いします」

女性が示したのは、トラックのカーブ側でした。

「この辺も使えないんですか?」

私が聞くと、女性は少し困ったような顔で、もう一度同じ方向を示しました。

「はい。こちらは役員が使うことになっていて…すみません」

「分かりました」

案内された場所へ移りましたが、そこからでは娘が走る直線が人の頭の間からしか見えません。

隣でシートを広げていた同じ学年の母親も、ゴールのほうをのぞき込みました。

「うーん、ここだとちょっと見えにくいね」

「そうだね。ゴールだけでも見えたらいいんだけど」

リレーが始まると、私は何度も背伸びをしました。

「来たよ!」

隣の母親に言われて顔を上げましたが、娘がゴールする瞬間は、前に立っている人の肩に隠れてしまいました。

周囲から大きな歓声が上がり、私は少し遅れて娘が走り終えたことに気づきました。

翌年、校長から説明があった

翌年の春、保護者会で校長が運動会について少し触れました。

「役員の皆さんには、いつも行事の運営を手伝っていただいています。ありがとうございます」

そう話したあと、校長は会場を見渡しました。

「ただ、お子さんを応援するときは、役員かどうかにかかわらず、できるだけ同じ条件で見ていただけるようにしたいと思っています」

そのときは、それ以上の詳しい説明はありませんでした。

夏の終わりに配られた運動会のお便りを見ると、今年から保護者の観覧場所を学年ごとに分け、場所を毎年順番に入れ替えると書かれていました。

そして運動会の説明会で、校長から改めて話がありました。

「今年から観覧場所は学年ごとに分けます。役員の皆さんも、競技を見るときは、お子さんの学年の場所からお願いします」

前の席にいた役員の女性が手を挙げました。

「役員のテントはどうなるんでしょうか?」

校長はすぐに答えました。

「運営に必要なスペースは、これまでどおり用意します。ただ、観覧する場所とは分ける形にします」

「ああ、分かりました」

女性はうなずき、資料に目を落としました。

その説明を聞いて、私もようやく納得しました。

役員として仕事をする場所と、親として子どもを見る場所。その二つが、これまでは少し曖昧になっていたのだと思います。

その年の運動会、娘の学年の観覧場所はゴールの正面でした。

運営用のテントでは役員の人たちが忙しそうに動いていましたが、観覧場所とはきちんと分かれています。

リレーが始まり、娘が最後の直線に入ってきました。

「頑張れ!」

思わず声が出ました。

そして今度は、誰かの肩越しではありません。

娘がゴールラインを駆け抜ける瞬間を、私は初めて正面から見ることができました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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