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「昨日のたい焼きがシナシナだった」開店直後に怒る客。だが、店長が説明すると態度が変わった

  • 2026.9.21

シャッターが上がってすぐの怒鳴り声

10代のころ、通路に面した小さなたい焼き屋でアルバイトをしていた。

薄い皮がパリッと焼けるのが自慢の店で、朝は鉄板を温めるところから始まる。

その日、シャッターが上がって数分もしないうちに、60代くらいの男性がカウンターの前に立った。

私が挨拶をするより先に、男性は険しい顔で声を上げた。

「昨日のたい焼きがシナシナだったんだけど。どういうこと?」

突然のことに驚きながら、私は聞き返した。

「申し訳ありません。昨日、お持ち帰りいただいたものでしょうか?」

「そうだよ。家に着いて食べたら、もうシナシナだった。パリッとしてるのが売りなんじゃないの?」

声を聞いたほかのアルバイト2人も奥から出てきたが、私たちだけではどう対応していいのか分からなかった。

「店長がもうすぐ来ますので、少しお待ちいただけますか」

そう伝えると、男性は納得できない様子で眉を寄せた。

「だから、昨日のたい焼きがシナシナだったって言ってるんだよ。楽しみにしてたのに」

話を聞くと、前日に買ったのは3つで、すでに全部食べ終えているという。

現物も残っていないため、私たちだけで交換を決めることはできない。私は何度か頭を下げながら、店長を待った。

店長が指さした一枚の張り紙

しばらくして店長が出勤すると、カウンターの様子を見てすぐにこちらへ来た。

「お待たせしてすみません。私がお話を伺います」

男性は店長にも、昨日のたい焼きがしんなりしていたことを説明した。

「家まで持って帰ったら、全然パリッとしてなかったんだよ」

店長は途中で口を挟まず、「そうだったんですね」とうなずきながら最後まで聞いていた。

それから、店頭に貼ってある「パリッとした食感は焼きたてのうちにお召し上がりください」という張り紙を指さした。

「焼きたてはパリッとしているんですが、お持ち帰りだと中の蒸気で、どうしてもしんなりしてしまうんです」

男性は張り紙を見ながら、「でも、それじゃ分からないよ」と少し不満そうに言った。

店長は言い返さず、穏やかな声で続けた。

「説明が分かりづらかったなら申し訳ありません。今回は新しく3つ焼いてお渡しします。ただ、持ち帰ると同じようにしんなりすることがありますので、できれば温かいうちに召し上がってください」

男性は少し黙ったあと、「……分かったよ。じゃあお願いします」と答えた。

焼き上がったたい焼きを紙袋に入れて渡すと、男性は受け取りながら、「今度は早めに食べるよ」と言って店を出ていった。

男性の姿が見えなくなると、店長は私たちを振り返った。

「朝からびっくりしたよね。勝手に判断せず、待ってくれてありがとう」

張り詰めていた気持ちが、その言葉でようやくほどけた。

相手が怒っていると、こちらも焦ってしまう。それでも、まず話を聞き、店として説明できることを落ち着いて伝える。その大切さを知った朝だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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