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事故物件での怪奇現象に怯えているそばで、愛猫は楽しそうにしている!? 無職青年と猫好き幽霊が織りなす新感覚ホラーコメディ!【書評】

  • 2026.9.17

【漫画】本編を読む

【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】

夜な夜なドアを叩く音、どこからか聞こえてくるうめき声……。身の毛もよだつ怪奇現象に、無職の青年・琥太郎は冷や汗を流している。とある事情からこの部屋に引っ越してきたものの、そこは噂通りの事故物件だった。視界の端にちらつく謎の人影や怪奇音に怯え、「気のせい」と自分に言い聞かせる琥太郎の運命は? そんな絶体絶命の室内から始まる同居ホラーコメディ『事故物件で猫を飼う』(澤部なみ/新潮社)の第1巻が、2026年7月9日に発売された。

不気味な気配が漂う部屋で、琥太郎の唯一の癒やしは、引っ越しと同時に迎え入れた子猫の「こねこ」。生後約2カ月の無邪気な愛猫は、家の中で起きる異変に対して、どこ吹く風。それどころか、誰もいないはずの空間に向かって瞳を輝かせ、「ひゃん!!」と元気いっぱいに跳びはねる。まるで大好きな遊び相手を見つけたかのように嬉々として「何か」にじゃれつく姿を見せる。

あまりに楽しそうなこねこの反応に、琥太郎は呆気にとられる。恐る恐る視線を向ければ、なんと不気味な幽霊が子猫の遊び相手になっているではないか。どうやら、この部屋にいる幽霊は大の猫好きらしい。こねこがかわいらしい仕草をすると、写真を早く撮れと言っているように琥太郎をせかしてくるのだ。なんとも微笑ましい光景のはずなのに、相手は紛れもない幽霊というアンバランスさが、絶妙な面白さを生み出している。

そう、ホラー作品でありながら、思わず頬がゆるんでしまう場面が次々と描かれるのが本作の魅力である。じわじわ迫る怪異に背筋が寒くなった次の瞬間、こねこの無邪気さで緊張感が吹き飛ばされる。猫らしい自由奔放な仕草も実にかわいらしく描かれており、猫好きにはたまらないだろう。

事故物件や幽霊という不穏な要素が並びながら、読み進めるほど奇妙な共同生活に愛着が湧いてくる本作。果たして琥太郎とこねこ、そして猫好きな幽霊の日々はどんな展開を見せるのか。「怖い」と「かわいい」を見事に両立させた、新感覚のホラーコメディである。

文=坪谷佳保

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