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「今月もお願いね」高校生の私が3年間、彼にバイト代を渡し続けた。別れても終わらなかった支払いを、私が止めるまで

  • 2026.9.18

月の終わりに、同じ言葉が届いた

高校に入ってすぐ、大学生の彼と付き合い始めた。彼も私もアルバイトをしていて、二人で出かけると何かとお金を使うことが多かった。

いつのころからか、私は自分に必要な分だけを手元に残し、残りを彼に渡すようになった。

彼が喜んでくれるならいい。

そうしているほうが、二人の関係もうまくいくような気がしていた。

月の終わりが近づくと、彼から決まって連絡が来た。

「ねえ、今月もお願いね」

「うん。週末に会うときでいい?」

「うん、それで大丈夫」

最初のころは、それほど深く考えていなかった。

けれど、アルバイト代が少なかった月は、いつものようには用意できないこともあった。

ある月、週末が近づいてもまだ渡していないと、もう一度連絡が来た。

「今月の分、忘れてないよね?」

「忘れてないよ。ただ、今月ちょっと少なくて…」

「そっか。じゃあ、出せる分だけでもお願い」

その言葉を見ると、「今月は無理」とは言えなかった。

私は財布を開き、自分のために残していたお金からも少し足して、封筒に入れた。

あとで分からなくならないよう、そのころから手帳の端に、彼へ渡した日と金額だけは書いていた。

似たようなやり取りは、高校の3年間ずっと続いた。

紙に書き出して初めて見えたもの

卒業が近づいたころ、私たちは別れることになった。

これでお金のやり取りも終わるのだと思っていたが、彼から言われた。

「別れるのは分かった。でも、前に二人で使った分、まだ支払いが残ってるから」

「……それは、払ったほうがいいってこと?」

「うん。そこだけはお願いしたい」

私は彼の言葉をそのまま受け取り、別れたあとも毎月振り込みを続けた。

半年ほどたったある夜、机の引き出しから通帳を出した。

同じころに出ていく振り込みの記録が、何か月分も並んでいる。

ふと思い立ち、高校時代に使っていた手帳も開いた。

そこには、彼に渡した日と金額が、小さな文字で何ページにも残っていた。

私はノートを1枚ちぎり、高校時代に渡した分と、別れてから振り込んだ分を、上から順に書き出していった。

書き終わるころには、紙は数字でびっしり埋まっていた。

「こんなに渡してたんだ…」

思わず声が漏れた。

ちょうどそのとき、麦茶を持って母が部屋に入ってきた。

「どうしたの?さっきからずっと何か書いてるけど」

「これ…彼に渡してたお金」

母は紙に目を落とした。

「これ、全部?」

「うん。高校のころから。別れてからも、まだ振り込んでる」

母は驚いた顔をしたものの、すぐに「やめなさい」とは言わなかった。

「あなたは、これからも払いたいと思ってるの?」

そう聞かれて、私は答えられなかった。

母は少し待ってから、紙を私の前に戻した。

「お母さんが決めることじゃないよ。ただ、自分が納得してるのかは、一度ちゃんと考えたほうがいいんじゃない?」

その言葉を聞いて、私は紙に並んだ数字をもう一度見た。

彼に言われたから払う。それをずっと繰り返していただけで、自分がどうしたいのかを考えたことはなかった。

その夜、しばらく迷った末に彼へ連絡した。

「ちょっと話したいことがあるんだけど」

「なに?」

「今まで渡したお金、全部書き出してみたの」

少し間を置いてから続けた。

「私、もう振り込むのやめるね」

「え?急にどうしたの?」

「急じゃないよ。自分でもちゃんと考えた。もうこれ以上は払わないって決めたの」

「でも、残りの支払いはまだあるんだけど」

その言葉を見た瞬間、また「分かった」と返しそうになった。

けれど、机の上に置いた紙を見た。

「うん。でも、もう払えない」

「本当に?」

「うん。今までみたいには、もう払えない」

しばらく返事は来なかった。

やがて届いたのは、「わかった」という短い一言だった。

それきり、彼から次の振り込みを求められることはなかった。

翌月、アルバイト代が入った日に、私は前から欲しかった画集を買いに行った。

自分のためだけにアルバイト代を使ったのは、それが初めてだった。

レジで本を受け取ると、店員さんに「プレゼント用ですか?」と聞かれた。

「いえ、自分用です」

そう答えると、少しだけ照れくさかった。

それでも、その日は自分のためにお金を使えたことが、いつもよりうれしく感じられた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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