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「最後尾はあちらだと思うんですが」朝食会場で連れと合流するからと割り込みしたグループ。だが、係員が正論をぶつけた結果

  • 2026.9.18

会場のいちばん前の席から見えたこと

旅先で泊まった宿の、朝の食事会場でのことです。開いてすぐに降りていったので、私たちは入口に近い席に案内されました。まだ空いている席も多く、会場には静かな空気が残っていました。

しばらくすると宿泊客が次々に降りてきて、料理台の前に列ができ始めました。入口近くの席だったので、その様子がよく見えます。

そこへ、エレベーターから5人のグループが降りてきました。

5人は最後尾には向かわず、列の途中にいた人たちを見つけると、その横へ近づいていきました。そして、そのまま列の中へ入ったのです。

後ろに並んでいた人たちが、少し戸惑ったように顔を見合わせました。

すると、一人の男性が遠慮がちに声をかけました。

「すみません、最後尾はあちらだと思うんですが…」

5人のうちの一人が振り返ります。

「あ、連れなので大丈夫です」

男性は一瞬言葉に詰まりましたが、後ろに並んでいる人たちを見て、もう一度口を開きました。

「でも、皆さん並んで待ってますよ」

すると相手は、少し困ったような顔をしました。

「連れなので大丈夫です。一緒なんで」

怒鳴ったわけではありません。ただ、本人は本当に問題ないと思っているような言い方でした。

男性は「そうですか……」と小さく返し、それ以上は何も言いませんでした。私も席から見ていましたが、どう声をかければいいのか分からず、そのまま様子を見ていました。

係の人が最後尾を示した

そのとき、料理を補充していた係の人がこちらへ歩いてきました。列が止まっているのに気づいたようでした。

係の人は5人に近づくと、穏やかな声で言いました。

「恐れ入ります。最後尾はこちらになります」

先ほどの人が答えました。

「でも、前の人たちと一緒なんです」

係の人は一度うなずいてから、後ろに続いている列へ視線を向けました。

「そうなんですね。ただ、後ろでお待ちの方もいらっしゃいますので、申し訳ありませんが最後尾からお願いします」

相手は少し黙りました。

「一緒でも、ですか?」

「はい。こちらからお並びいただけますか」

係の人は責めるような言い方はせず、列の最後尾を手で示しました。

5人の間に、少し気まずそうな沈黙が流れました。

やがて、そのうちの一人が小さな声で言いました。

「…じゃあ、後ろ行こうか」

別の人も「うん、そうしよう」と応じました。

最初に話していた人も少し間を置いてから、「分かりました」と答えました。

5人は列を離れ、そのまま最後尾へ向かっていきました。

係の人はそれを確認すると、「ありがとうございます」と頭を下げ、料理の補充へ戻っていきました。

止まっていた列もまた動き始めます。しばらくすると、トングが皿に触れる音や、椅子を引く音がいつものように聞こえてきました。

大きな言い争いになったわけではありません。ただ、並んでいた人が順番どおりに料理を取れる状態に戻っただけです。

席からその様子を見ながら、相手を責めなくても、必要なことをはっきり伝えるだけで収まることもあるのだと思いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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