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降車ボタンが鳴るのに誰も降りない…3回続き、故障と判断した運転士→直後、「おい!」起きたトラブルに「苦い経験」

  • 2026.9.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

路線バスや送迎バスに設置されている降車ボタンは、降りるときに押すものです。運転士も降車ボタンの音と点灯を把握して、バス停に停車する心づもりをしています。

しかし、そんな降車ボタンが原因でトラブルになることも。

今回は、17年ほど前に乗務していたある自治体の福祉バスで起きた、思い込みによるトラブルのお話を紹介します。

顔見知りの多い福祉バスで起きた降車ボタンの不思議

17年ほど前、送迎バスの運行管理で自治体が運営する福祉バスに乗務していました。不特定多数が乗車するマイクロバスでしたが、高齢者向けの福祉バスであったこともあり、顔見知りの方は多くいました。

そのため、和気あいあいとした雰囲気でバスの運転ができるため、私は福祉バスの運転士に欠員がでると、率先して乗務していました。

そんなある日、楽しく乗務していたはずの車内で、不思議なトラブルが起こりました。

乗降扉を閉めると、点灯していた降車ボタンは消灯します。そのため、次に降車したい人が押せるようになっています。

しかし、私が乗務した日、バス停で乗降扉を閉めて発進すると降車ボタンが鳴るという不思議な状況が発生しました。

目的のバス停が近づくと降車ボタンを押す人が多いなか、最初は珍しいなと思った程度でした。しかし、バス停に停車すると誰もバスから降りる気配がありません。

押し間違い?故障?これはバス停に止まるべき?

降車ボタンが鳴り、点灯しているにもかかわらず、やはりボタンを押している様子は見受けられません。

しかし、降車ボタンの点灯を確認してバス停に停車するものの、結局誰も降車せず出発する状況が3回立て続けに起きました。

押し間違いをしている乗客がいるのか、それともいたずらでボタンを押しているのか、さまざまな要因が頭をよぎりました。しかし、乗客の年齢層は高く、いたずらは考えにくい状況でした。

また、押し間違いなら「間違えた」と一言あっても良いものだと考え、「やはり故障だろう」と私は自己完結に至りました。しかし、その考えが大間違いだったのです。

誰も降車しないバス停を出発すると、やはり降車ボタンが鳴りました。

しかし、降車ボタンの故障なら無駄にバス停へ停車する必要はありません。そこで私は車内ミラーで乗客の様子を確認し、降車するそぶりを見せている乗客がいないか、信号待ちで注視してみることにしました。

信号を越えるとバス停です。降車する人なら、荷物を持ったりバスを降りる準備をしたりすることが多くあります。

しかし、誰もバス停が近いことを意に介していない様子が見てとれました。そのため、私は降車ボタンの故障と判断し、バス停を通過することに決めたのです。

こっそり消した降車ボタンでトラブルに発展

降車ボタンのついたバスには、運転席周辺にボタンの点灯を解除するボタンがあります。

押し間違いの申し出があったとき、すぐに消灯させて他の乗客の妨げにならないようにするためです。

発車してすぐに4回目のボタン音と点灯を確認したとき、私は「また故障か」と思い、解除ボタンを押しました。

しかし、この行動が後のトラブルにつながってしまったのです。

バス停には人影が見えず、降車する人がいなければ通過します。利用のないバス停に停車してきた背景もあり、運行時刻に遅れが生じていたため、バス停の確認を終えるとアクセルを踏む足に力が入りました。

そのとき、「おい!バス停を通り過ぎたぞ!」と車内に大声が響きました。

予想もしなかった大きな声に、事故でも起こしたのかと錯覚し、驚いたのを覚えています。

今考えても、乗客が怒るのも当たり前です。降車ボタンを押したのにもかかわらず、バス停を素通りしてしまったのですから、怒鳴りたくもなったことでしょう。

本来であれば必ず停車して確認すべきところを、完全に故障だと思い込んでいた私は、そのままバス停を通過するという、プロとしてあるまじき判断をしてしまったのです。

私は、ただただ謝罪するしかなく、安全確認をして路肩に停車しました。乗客が降車する際も、振り返って謝罪しました。

  • たまたま、降車ボタンの調子が悪く3回連続して点灯した
  • たまたま、乗客が発車と同時にボタンを押した

そんな状況とはいえ、私が確認もせずにこっそり降車ボタンを解除したことに原因がありました。

徹底した確認でミスを防ぎ声を枯らす

乗客に怒られた私は、終日乗客への声掛けを徹底しました。やはりその後も、降車ボタンの不具合が続き、乗客の降車意思が確認できなかったからです。

新たに乗車した利用者には不具合を説明し、バス停ごとに停車して乗客に降車確認を実施しました。

声掛けを徹底したことで、その後は同様の降車トラブルを起こすことはありませんでした。

この苦い経験は、プロの運転士として『決して思い込みで判断せず、確認を怠らない』という基本を、私に深く刻み込んでくれたのです。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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