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「なんで返事くれなかったの?」毎日届く同級生からの確認。母が明け方の電話で気づいた異変

  • 2026.9.13

誰もいない教室に、毎日呼ばれていた

高校は女子校だった。入学してすぐ、私は同じクラスの子と仲良くなった。

最初は休み時間に一緒に話したり、試験前に「今日も勉強頑張ろうね」と励まし合ったりする、ごく普通の関係だった。

定期試験が近づいたある日、彼女から言われた。

「勉強始めるとき、連絡しない?そのほうがお互いサボらなくて済みそう」

「いいね。終わったときも送る?」

「うん、それにしよう」

そのころの私は、むしろ仲のいい友達ができたことがうれしかった。

ところが、しばらくすると確認されることが増えていった。

「昨日、何時まで勉強してた?」

「十一時くらいかな」

「じゃあ、そのあと何してたの?寝る前に連絡なかったよね」

勉強だけだった話は、いつの間にか食事にも広がった。

「昨日の夕飯、何だった?」

「おでん。母が作ってくれて」

「え、それだけ?ちゃんとほかのものも食べた?」

心配してくれているのだと思おうとした。けれど、毎日何を食べたか聞かれ、ほかの子と話していると「最近あの子とよく一緒にいるよね」と不機嫌そうな顔をされるようになった。

やがて昼休みになると、彼女は私に声をかけた。

「今日も、あっち行こう」

連れて行かれるのは、昼休みにほとんど人が来ない教室だった。

ある日、窓際の席に座ると、彼女がかばんから小さな容器を出した。中には爪楊枝に刺した、餅のような菓子が入っていた。

「これ作ってきたの。食べて」

「今はあんまりお腹すいてないんだけど…」

「せっかく持ってきたんだから。一個だけでいいから」

断り切れず、私は口に入れた。

思ったより硬く、なかなか噛み切れなかった。彼女は椅子をこちらへ寄せ、私の顔をじっと見ていた。

「まだ残ってるよね?」

「うん…ちょっと硬くて」

「大丈夫。食べ終わるまで待ってるから」

急かされているわけではないのに、目の前でずっと見られていることが苦しかった。口を動かしながら、早くこの時間が終わってほしい、そればかり考えていた。

食べ終わるまで、3分ほどだったと思う。

家の電話が、明け方に鳴るようになった

夏を過ぎたころには、彼女からの連絡を見るだけで胸が重くなるようになっていた。

返事をすると、すぐ次の質問が届く。

「今どこ?」

「誰といるの?」

「なんでさっき返事くれなかったの?」

少し返さずにいると、今度は着信が続いた。

やがて、仲良くなったころに教えていた家の電話にもかかってくるようになった。夜遅い時間だけではなく、明け方に鳴ることもあった。

ある朝、母が受話器を取った。

「もしもし…今、何時だと思ってるの?」

受話器の向こうから声が漏れていた。

「すみません。でも、ずっと連絡がつかなくて。話したいんです」

「今は話せません。こんな時間に電話をかけるのはやめてください」

母はそう言って電話を切った。

私が廊下に立っているのに気づくと、母は少し困ったような顔をした。

「これ、ずっと続いてたの?」

私はすぐには答えられなかった。

「…ごめん」

「謝らなくていいよ。今日は学校、無理して行かなくていいから」

その言葉を聞いた途端、張っていたものが切れたように涙が出た。

それから私は、しばらく学校を休んだ。

卒業後は彼女と一度も連絡を取らなかった。できるだけ思い出さないようにして過ごした。

それでも二十歳になった年、高校時代から使っていた連絡先に、突然長いメッセージが届いた。

「あのときはごめん。ずっと謝りたかった。できるなら、もう一度会いたい」

何度読んでも、返事を書く気にはなれなかった。

横から画面を見た母が言った。

「返したくないんでしょう?」

「……うん」

「だったら、返さなくていいよ」

私は黙って画面を閉じた。

あのころは、友達なら応えなければいけないと思っていた。でも、苦しいと感じた時点で距離を取ってもよかったのだと、今なら思う。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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