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「あなたが座る席じゃないだろう」優先席の女性を責めた男性→「本当に具合が悪くて」と返す女性を救ったのは

  • 2026.9.13
「あなたが座る席じゃないだろう」優先席の女性を責めた男性→「本当に具合が悪くて」と返す女性を救ったのは

8時前の車内に、その声が響いた

去年の冬、いつもの通勤電車に乗っていたときのことです。

時刻は8時前。車内は扉のそばまで人で埋まり、私は優先席の並びの端に座って、膝の上でかばんを抱えていました。

途中の駅から乗ってきた中年の男性が、人の間を抜けながら優先席の前まで進んできました。

そして、目の前に座っていた二十歳くらいの女性を見て、足を止めました。

しばらくすると、男性が少しいら立った声で言いました。

「ねえ。そこ、優先席だよね」

女性はイヤホンを外し、驚いたように顔を上げました。

「…はい」

「だったら、立ったほうがいいんじゃないの?こっちは立ってるんだけど」

さっきまで聞こえていた話し声が、急に小さくなりました。

女性は戸惑いながら、膝の上のバッグを握り直しました。

「すみません。ちょっと体調が悪くて…」

けれど、男性は納得していない様子でした。

「でも若いんでしょう?あなたが座る席じゃないだろう」

「今日は本当に具合が悪くて…すみません」

女性はもう一度そう言いましたが、男性は小さく首を振りました。

「そんなこと、見ただけじゃ分からないよ」

女性はそれ以上何も言わず、うつむいてしまいました。

私も「事情があるみたいですよ」と言おうとしました。けれど、男性の強い口調に気圧され、言葉が喉のところで止まってしまいました。

隣の人が、何も言わずに立った

そのとき、私の隣で新聞を読んでいた人が、静かに紙面をたたみました。

新聞を鞄にしまうと、そのまま席を立ちます。

そして何も言わず、空いた座席へ軽く手を向けました。

男性は一瞬、きょとんとした顔をしました。

「…いや、別に俺が座りたいって話じゃなくて」

先ほどまでの強い口調が、少しだけ弱くなっていました。

立ち上がった人は男性を責めることもなく、ただ短く言いました。

「空いてますよ」

男性は空いた席を見て、それから若い女性へ目を向けました。

「いや、だから、そういうことじゃなくて……」

そう言うと、少し気まずそうに視線をそらし、扉の近くへ移っていきました。

車内には、何とも言えない沈黙が残りました。

若い女性は、立ってくれた人へ小さく頭を下げました。

「……ありがとうございます」

「大丈夫ですよ。座っててください」

その人はそれだけ言うと、吊り革につかまりました。

数駅先で男性が降りるまで、もう女性に声をかけることはありませんでした。

優先席に座っている理由は、外から見ただけでは分からないことがあります。あの女性がどれほど具合が悪かったのか、私には分かりません。

それでも、「若いから大丈夫」と決めつけることはできない。何も言わず席を立った隣の人の姿と、そのあと車内に流れた静けさを、今でもよく覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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