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今なにしてるのと打てなかった俺は、代わりに絵柄を重ねて押していました

  • 2026.9.10
ハウコレ

やめてほしいと言われて、俺は素直に押すのをやめました。ただ、押さなくなってから、聞けないまま終わる話が1つずつ増えていきます。そのぶん、こちらから切り出す言葉を探すようになりました。

彼女の名前の下に絵柄を1つ足して、俺はもう1つ足す指を止められませんでした。

今どこにいるのと打てなかった

付き合って1年半、彼女が家を出る前に届くのは「またあとでね」だけです。相手が姉なのか友人なのかも、帰る見込みも書いてありません。悪気がないのはわかっていました。それでも、そこから先の時間に自分の入る場所がないように思えて、画面を開いたままにしていました。

文字にすると詮索になる

今なにしてるのと文字で書けば、それは行き先を確かめているのと変わりません。絵柄なら返事は要らないし、押した分だけやりとりが画面の上のほうへ動きます。彼女が手を空けたとき、いちばん上に俺の名前があればいい。1つでは足りない気がして、続けて押していました。「今どこにいるか、聞いてもいい?」と文字で送ったのはあの回きりで、既読の印だけがついたまま動きませんでした。

押すのをやめた

「スタンプ、続けて送るのやめてほしい」と届いたとき、回数を並べられたわけでもないのに、言われて当然だと思いました。「わかった」とだけ返して、その日から押していません。押さないでいると、彼女の1日は俺の知らないところで終わって、知らないまま次の日になります。聞けなくなった話が、1つずつ増えていきました。

そして...

嫌がられて当たり前のことをしていた自覚はあります。返事の要らない形にしたつもりで、いちばん断りにくい形を選んでいました。それでも、ほかの聞き方を持っていませんでした。「今日は姉と買い物に行ってくる」と彼女から届いた回、俺は返事を何度か打ち直しました。今は絵柄に伸ばした指を止めて、いってらっしゃいとだけ書いています。

(20代男性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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