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「隣の空き地の草で車の出入りが見えない」2度頼んでも動かなかった持ち主。代わりに刈っていた僕が決断したこと

  • 2026.9.30
「隣の空き地の草で車の出入りが見えない」2度頼んでも動かなかった持ち主。代わりに刈っていた僕が決断したこと

車を出すたび、見えない角

家を出てすぐの角に、隣の空き地があります。

春を過ぎると草が一気に伸び、夏には僕の胸ほどの高さになっていました。

困るのは車で道路へ出るときです。左から来る自転車や子どもが草の陰に隠れてしまい、ブレーキに足を乗せながら、少しずつ車の鼻先を出すしかありませんでした。

空き地の持ち主は、その奥の家に住む男性です。梅雨が明けたころ、垣根越しに声をかけました。

「すみません。角の草、少し刈ってもらえませんか。車を出すときに道が見えなくて」

ところが男性はこちらをちらりと見ただけで、家の中へ入ってしまいました。

ひと月ほどたっても草は伸びたままです。

もう一度お願いしましたが、そのときも返事はなく、玄関の扉が閉まりました。

妻も角を見ながら、不安そうに言いました。

「このままだと怖いね。事故が起きてからじゃ遅いし…」

僕も放っておけず、物置から草刈り機を出しました。

車からの見通しをふさいでいる角の草を刈りました。

お盆のあとにも草が伸びたため、もう一度同じように刈りました。

持ち主からは、何も言われませんでした。

町内会長さんに相談すると

秋の初め、回覧板を届けに来た町内会長さんに、その話をしました。70代くらいの、背筋の伸びた人です。

会長さんは角を見てから尋ねました。

「持ち主の方には、もう話したんですか?」

「はい。『隣の空き地の草で車の出入りが見えない』って、お願いしたんですけど……」

僕が答えると、会長さんは少し困ったように首を振りました。

「それなら、あなたがずっと刈り続ける話じゃないですよ。私からも話してみます」

数日後、会長さんは見通しの悪くなっている角を写真に撮り、持ち主の家を訪ねました。僕も一緒に行きました。

玄関に出てきた男性に、会長さんは写真を見せながら穏やかに話しました。

「ここ、子どもたちも通りますよね。これだけ草が伸びると、車からかなり見えにくくなっています」

男性は黙って写真に目を落としました。

会長さんは続けました。

「お隣さんも困って、この夏は2度ご自分で刈ったそうです。でも、これからもお願いするわけにはいかないでしょう。空き地のことですから、持ち主さんのほうで見てもらえませんか」

男性は僕のほうを見ました。少し間を置いてから、低い声で言いました。

「…何も言わずにいて、すみませんでした」

会長さんはそれ以上責めることはなく、「お願いしますね」とだけ言って、その日は帰りました。

翌週、角から草がなくなった

翌週の朝、空き地に業者の軽トラックが止まっていました。伸びていた草はきれいに刈り取られ、角の向こうまで見渡せるようになりました。

その夕方、男性がうちの玄関に来て、白い封筒を差し出しました。

「これ、気持ちです。今まで申し訳なかったです」

僕は少し迷いましたが、封筒を男性の手に戻しました。

「いえ、受け取れません。これから気をつけてもらえれば」

男性は小さくうなずき、深く頭を下げました。

翌朝、車を出すと、角の向こうを歩くランドセル姿の子どもたちがはっきり見えました。

何度も自分で何とかしようとしていましたが、困ったときには第三者に相談することも必要なのだと感じた出来事です。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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