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「正直、君の夢を応援できていなかった」半年ぶんの謝罪を手紙にした俺に、妻が返した一言

  • 2026.9.9
ハウコレ

半年言えずにいたことを紙に書いて、食卓に置いて出ました。帰ってから妻が口にしたのは、俺が想像していたどの言葉でもありませんでした。

金額の話から始めた俺

結婚して5年、妻は事務の仕事をしながら、同僚や近所の人から服の直しをよく頼まれていました。裾上げ、ボタン付け、丈詰め。断ったのを見たことがありません。ある日帰ると、食卓に洋裁の専門学校の夜間コースの資料が広がっていました。2年間、仕事を続けたまま通える課程で、いつか自分で直しの店をやりたいと、妻が前に一度だけ言ったことがあります。俺が最初に言ったのは「それ、いくらかかるの」でした。妻は資料を封筒に戻して「ちょっと見てただけ」と答えました。

古紙の束から見えた封筒の角

学費と、2年ぶんの妻の帰りの遅さ、店を経営するところまで、一度に浮かんだのだと思います。数日後、玄関にまとめられた古紙の束から、あの封筒の角が見えていました。俺は紐を結び直して、そのまま外へ出しました。それから俺が学校の話を切り出そうとすると、「あのさ」まで言ったところで妻が翌週の予定の話を始めます。避けられているのだと思って、俺は毎回そこで引き下がりました。応援できなかったことより、応援すると言い切れないことのほうが、俺には重かったのだと思います。

4枚目でようやく最後まで進んだ便箋

半年が過ぎて、俺は帰り道の文具店で便箋を買いました。「ごめん」から書き始めると、そのあとが全部言い訳になって、1行目で止まります。ゴミ箱に3枚も捨て、4枚目にこう書きました。「正直、君の夢を応援できていなかった」。そのあとに「金額の話から先にしたのは、俺が自信を持てなかったからだ」と続けました。学費が惜しかったのではなく、妻が本気で店を持つ人になったときに、自分が並んで立てるか分からなかったのです。資料が広がっていた場所へ手紙を置いて家を出ました。

そして...

帰ると、手紙はちゃんと読まれていたようでした。妻は「ずるかったのは、私のほうだった」と言い、それ以上は続けませんでした。俺が半年抱えていたものと、妻が半年抱えていたものは、どうやら同じ形ではなかったようです。聞き返すのは、あの紙を書くよりも時間がかかりそうです。それでも、手紙が捨てられずに戻ってきたことだけは、今の俺には十分でした。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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