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「早く2人目が見たいな」2人目を望む父に笑って返した女性。3年後、盆の帰省をやめた理由

  • 2026.9.8
「早く2人目が見たいな」2人目を望む父に笑って返した女性。3年後、盆の帰省をやめた理由

その食卓は、いつもと変わらず和やかだった

盆に、実家へ帰った。

畳の座敷には座卓が出され、親戚が何人か集まっていた。

台所から運ばれてきたのは、朝のうちに頼んでおいた折の弁当だった。

ふたを開けると、煮物と焼き魚、俵型のご飯がきれいに詰められている。

輪ゴムでとめた割り箸を配る役は、いつのまにか私になっていた。

「去年はこんなに暑くなかったよ」

「いや、去年も暑かったって」

そんな話をしながら、みんなで弁当を食べていた。扇風機が首を振るたび、座卓の上に置いた紙のおしぼりの袋が少しめくれる。

子どもは先に食べ終え、サンダルをつっかけて外へ出ていった。

網戸の閉まる音がしても、誰も気に留めない。いつもの盆らしい、和やかな食卓だった。

父とは普段、離れて暮らしている。

盆や正月に実家で顔を合わせるくらいで、育児について父を頼ることもほとんどなかった。

だから、その言葉も最初は聞き流しそうになった。

「早く2人目が見たいな」

父は弁当を食べながら、何気ない調子でそう言った。

深刻な顔をしていたわけではない。暑いね、と言うのと同じくらい軽い口調だった。

それを聞いた親戚の何人かが笑った。

「まあ、そのうちにね」

私も笑って返した。

その場で空気を悪くしてまで言い返すほどのことなのか、自分でもすぐには分からなかった。

ただ、手元を見ると、まだ残っている弁当の上で箸が止まっていた。

父に悪気があったのかは分からない。親戚も、私を傷つけようとして笑ったわけではないと思う。

それでも、自分の家族のことが、本人の気持ちとは関係なく食卓の話題になり、みんなで笑って終わる。

そのことが、あとから少しずつ引っかかるようになった。

3年目の盆、玄関で夫に伝えた

その日の帰りの車で、私は何も言わなかった。

「疲れたね」

「うん」

それだけ言って、窓の外を流れていく田んぼを見ていた。

すぐに「もう帰らない」と決めたわけではない。

翌年の盆も、いつも通り実家へ帰った。父とも親戚とも普通に話し、また同じように家へ戻った。

けれど、あのとき感じた引っかかりは消えなかった。

そして、あの食卓から3年目の盆。出かける準備をしていた朝、玄関で靴を履きながら夫に言った。

「今年は、盆に帰るのをやめようと思う」

夫は少しだけこちらを見てから、「わかった」と答えた。

今は、盆には帰っていない。正月には顔を出すし、父とは電話でも話す。

父が嫌いになったわけではない。ただ、盆のあの食卓にいると、自分のことがまた何気ない話題の一つになるような気がしてしまう。

少し距離を変えただけで、父との関係そのものを切ったわけではない。

電話では近況を話す。でも、2人目の話は、あれ以来どちらからも出ていない。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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